フリーランスにも消費税って関係あるの?

フリーランスにも消費税って関係あるの?
商品を購入した際に支払う消費税。フリーランスで仕事している人にも、実は無関係ではありません。フリーランスと消費税はどう関わるのか?小規模なフリーランスでも納税は必要なのか?そんな素朴な疑問について考えていきましょう。
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消費税のしくみとフリーランスの関係は?

ご存知のように、消費税とは商品やサービスの取引に付加されている、間接税です。一般的な販売業者は、商品価格に消費税を上乗せして消費者から受け取り、それを税務署に申告します。

いわば預かり金のような形となっていますが、事業者は消費者から消費税として受け取った金額を、ストレートに税務署に収めるというわけではありません。

事業者が消費税を税務署に収める際には、商品に上乗せされた消費税からその商品を仕入れる際にかかった消費税、運搬にかかる消費税などを差し引いた金額が計算されます。

例えばフリーランスがホームページの作成を10,000円で請け負った場合、請求金額は消費税を含めて10,800円となります。作成時に「かかった諸経費の消費税」を300円とすると、税務署には800円から300円を差し引いた500円を収めます。仕事はひとつではないので、実際の計算はもっと複雑ですが、考え方の大枠としては、このような形です。

消費税を収めなければならないフリーランスとは?

しかし、すべてのフリーランスが消費税を計算し、申告しなければならないわけではありません。消費税の納税が義務づけられているのは、2年前の課税対象となる売上高が1,000万円を超えている人です。

あるいは、前年の1月1日から6月末までの半年間の課税売上が、1,000万円以上あった人も納税義務が発生します。また自ら、消費税を納税する事業者として希望することもできます。

これらの規定はフリーランスに限らず、一般事業者も同様です。事業開始1年間については、2年前という期間が存在しないため、自動的に免除されます。

フリーランスで売り上げを1,000万円以上にするのには、なかなか時間がかかりそうですが、少なくとも2年目からは義務が発生する可能性があるのを覚えておくと良いでしょう。

フリーランスも知っておきたい消費税の用語

フリーランスの消費税についての知識の中で、是非知っておくべきなのが「みなし仕入れ率」という言葉です。一般的に消費税を計算する際には、課税売上に対する消費税額から課税仕入れ等の、経費につく消費税額を差し引いて計算します。

業種によっては、この仕入れからの計算が難しい場合もあります。その際に使われるのが「みなし仕入れ率」です。フリーランスに多いデザイナーやライター、エンジニアなどは、仕入れという観念がありません。

消費税を納税する義務が生じた際には、簡易法としてこの「みなし仕入れ率」を利用できます。ほとんどのフリーランスの業種は「第五種事業(サービス業等)」に含まれ、みなし仕入れ率は50%で計算されます。

対象外のフリーランスでも消費税を請求できる?

消費税の納税が対象外でも、お客さんに消費税を請求して良いのでしょうか?実はこれ、請求しても大丈夫です。消費税は商品やサービスが譲り渡される際に発生する税金です。提供側が、消費税を収める課税事業者であるかどうかは関係ありません。

え?もらっておいて、納税しないとダメなんじゃ…と心配する必要はありません。なぜなら、仕事を完遂するにあたり、外注費や通信費、交通費、その他の経費で消費税を支払っていますよね。

その分をサービスの提供に上乗せしなければ、自分の出費となるだけでどこからも補てんはありません。売り上げが少ないフリーランスでも、消費税をつけて請求することにまったく問題はないのです。ただしその際には、決算書にきちんと請求した消費税分の記載を行なっておく必要があります。

小規模フリーランスでもいつかは消費税納税がくるかも?

ひとりで細々とやっている自分に、1,000万円超えはまあないだろう、と妙な安心をしていてはいけません。消費税における免責事業者の条件が、変わることもあるからです。

現在は1,000万円が課税事業者基準となっていますが、2003年以前は3,000万円でした。いつの日か500万円が基準へと、変更される可能性がないとは言えません。500万円ちょっとの売上の人の収める消費税は、どれくらいになると思いますか?2017年に予定されている消費税率10%で計算すると、何と30万近くになるのです。

課税の対象となるのは、「売上」ですから、「所得」とは異なり、経費を差し引いた金額ではありません。そう考えると、かなり厳しい金額ですよね。日常の生活の中では何気なく支払っている消費税。フリーランスとしての仕事にも、大きく関わっているのを良く知っておく必要があります。

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