報酬を上げたいなら単価交渉はするな!? 4年間で記事単価を12倍にした単価アップ術

・Webライターという仕事はどう説明する? クラウドソーシングを知らない人にも伝えるには
・「Webライターになりたいなら1時間に2,000文字書け」4つの理由
・「1時間に2,000字書く技術」はこうしてつける
・初心者ライターに単価の低い仕事を全力で進める5つの理由
・単価低すぎ!と怒っている人に知ってほしい「その案件の単価が低い理由」
交渉が苦手な人でも報酬を上げてもらうことはできる
わたしはWebライターになって4年が経ちましたが、はじめのころは単価が低く、1,000文字100円つまり文字単価0.1円、というお仕事もあったほどです。
クラウドソーシングは手軽にお仕事が見つかる反面、はじめは単価の低い仕事が多くなりがち、という問題があります。
単価の高い案件は競争も激しいため、慣れないうちはどうしても低単価の案件ばかりになりやすいんですよね。
わたしは今でこそ記事単価が万単位になっていますが、ここまでくるには単価をあげてもらうための交渉もしてきました。
そこで、今回はわたしがおこなってきた単価交渉の考え方ややり方を紹介したいと思います。
交渉せずに報酬を上げてもらうのが理想
高単価の案件を任せてもらいたいなら、まずは120%の仕事をすることです。
クライアントからの指示に100%応えた上で、さらにクライアントを感動させるレベルの仕事をするのです。
具体的には、期待以上のクオリティで出すとか、急ぎの案件に超特急で応えるとか、できることはいろいろあります。
期待を超え続けていれば、こちらから交渉しなくても自然と単価が上がることもあります。
自主的に報酬を上げてくれるクライアントほど、仕事に対して誠実で、結果も出しているもの。
単価が上がる→さらにがんばる→クライアントの売上が上がる→さらに単価が上がる
このサイクルが、クライアントにとってもライター側にとっても理想の形です。
もちろん中にはこちらから交渉が必要になることもあります。交渉術についてはのちほど紹介しますね。
でも、本来あるべき姿は交渉しなくてもクライアント側から単価アップを提案してもらえるレベルの仕事をすることだと思っていますよ。
単価が上がるほど難易度も上がることを知っておこう
単価を上げる方法を早く知りたいところ引っ張って申し訳ないのですが、これも大事なことなので先に言わせてください。
単価が上がれば楽になるとは限りません。実例を挙げましょう。
わたしには、4年間お付き合いのあるクライアントがいます。
はじめは文字単価0.5円からのスタート。その後、3か月ごとに0.1円ずつ単価を上げてもらいました。
はじめのうちは「慣れてきてスムーズにできるようになったから単価アップ」、「記事数が増えてきたから単価アップ」など比較的ハードルは低かったです。
しかし、その後は単価アップの条件として徐々に画像も付ける、Wordpressに入稿する、といったお仕事も増えてきました。
実はこのクライアント、今では記事単価が1万円を超えるようになっています。文字数関係なく1記事いくらの料金体系になっているので文字単価が出しにくいのですが、平均すると文字単価6円ほどになっています。
4年前と比べると12倍ですね。
でもその分、定期的に打ち合わせをして一緒に企画を考え、任されることも増えているのです。
1記事あたりにかける時間も増えますし、やるべきこと・考えるべきことも増えるだけ大変になっていきます。
つまり、文字単価が5倍、10倍と増えていったとしても、収入も5倍、10倍と比例するわけではないということ。
それに、つねに新しいスキルを身につけたりほかのメディアにない情報を探したりと求められることも増えるので、努力が伴っていなければ、単価アップも望めないということになりますね。
一番良いのは交渉をしなくとも、全力で仕事をすることによりクライアント側から報酬アップのお話をいただくことです。
ただ一方で、「今書いている記事のレベルを考えると報酬が見合っていない」というケースもあります。この場合は、今から紹介する交渉術が役に立つはずですよ。
単価交渉するときのポイント3つ
クライアントによっては、こちらから交渉しないと単価が上がらないこともあります。そんな場合に使えるのが、 ここから紹介する報酬を上げてもらうための交渉術です。
ポイントは3つあるので、順番に見ていきましょう。
謙虚な姿勢で交渉する
「交渉」と聞くとなんだか強気な態度で難しいことをペラペラと話さなければならないイメージがありますが、そんなことはありません。
交渉はあくまでも、謙虚な態度で! 下手(したて)に出ることがポイントです。
目的は報酬を上げてもらうことであって、クライアントとケンカをしたいわけではないですよね。
たとえ単価が低いとしても、クライアント側もわざと低くしているとは限りません。単純に相場を知らないだけの場合もありますし、忙しくて単価の見直しを忘れているだけかもしれません。
「突然申し訳ないのですが」とか「不快に思われたらすみません」など、少しへりくだって切り出す方が、角が立たずスムーズに交渉できるはずですよ。
必要以上にへりくだってしまうとかえって嫌味になりますが、強気な態度をとるのではなく、控えめな態度で交渉を始めてみましょう。
報酬を上げてほしい理由を述べる
ただ「報酬を上げてほしい」と伝えるだけでは不十分です。
なぜ報酬を上げてほしいのか、その理由を明確に伝えましょう。
わたしがWebライターをはじめて数か月のころには、平均文字単価が0.3円ほどでした。これを0.5円に上げるために、このような理由を述べました。
「実は、もともとは副業でWebライターをしていました。今は転職するか、Webライターを続けるか迷っています。ただWebライターを続ける場合、今の単価では生計を立てるのが難しいと感じています。これまでは経験を積むために貯金を切り崩しながらやってきましたが、本業としてWebライターをするのであれば、最低限、文字単価0.5円ほどは必要だろうと試算しています。いかがでしょうか?」
クライアントがわたしの仕事に満足してくれていて、なおかつ予算が許せば、これで報酬は上がります。
ほかにも「他社から文字単価1円にするから記事数を増やしてほしいと言われている。でも、その申し出を受けると御社とのお付き合いをやめざるを得ない。できれば御社との付き合いも続けていきたいが、迷っている」といった感じで交渉したこともありました。
そのときの文字単価や状況によって理由はいろいろあると思いますが、わたしは誠実に、正直に事情を話すのが一番だと思っています。
クライアント側のメリットを述べる
報酬を上げてもらうには、クライアント側にもメリットが必要です。交渉に失敗している人を見ていると、クライアント側のメリットを伝えられていない人も多いようです。
クライアントのメリットには、こういったものがあると思います。
- 優秀なライターを確保できる
- 毎月決まった量を発注できる
- 任せられる仕事が増えて自分が楽になる
などなど。
たとえばクライアントが「このライターは優秀だからいないと困る」と思っているなら、付き合いを続けてもらうこと自体がメリットになります。
他にも具体的なメリットとして「毎月○本分の枠を確保いたします」とか「アイキャッチ画像もつけます」といった提案をしても良いでしょう。
クライアントがどんなことで喜んでくれるかを考え、何をメリットとして伝えるかを決めましょう。
まとめ
交渉術と言っても、魔法のようなテクニックがあるわけではありません。心理学を使ったテクニックなんかはあると言えばありますが、それもやっぱり魔法ではありません。
交渉術や小手先のテクニックに走る前にまずは、とにかくクライアントの期待を超える仕事をすること。それにより、「辞められると困る」と思ってもらうこと。
そして交渉時には、明確な理由やクライアント側のメリットを謙虚な態度で伝える。
こうした基本的な点を抑えられていれば、心理学の本を読まなくても交渉は成功するはずですよ。
今回はWebライターの交渉術について紹介しましたが、この基本はどんな職種でも通用するはずです。
報酬を上げてほしいと単価交渉をするときには、これらの基本を思い出し、自分が120%の仕事ができているかを確認することから始めてみてくださいね。