バイリンガール 吉田 ちか氏・Instagrammer 田中 達也氏が、今後のフリーランス時代を語る!

バイリンガール 吉田 ちか氏・Instagrammer 田中 達也氏が、今後のフリーランス時代を語る!
ここ数年でSNSやYouTubeは世界中に普及し、個人の情報発信のかたちを一変させました。バイリンガールの愛称で英会話チャンネルを運営するYouTuber・吉田 ちかさん。ミニチュア写真家としてInstagram で活躍する田中 達也さんもその1人。ただの情報発信にとどまらず、仕事にしているフリーランスです。先月3月23日(水)に催された『Lancer of the Year 2016』に登壇したお2人の言葉から、飛躍のヒントをお届けします。
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来たる1億総フリーランス社会! 『個』の可能性の広がりが、新しい仕事を生み出す

少し前に話題となった『10年後に消える仕事、なくなる仕事』。AI(人口知能)をはじめとするテクノロジーの進歩によって、人の仕事がなくなっていくと囁かれています。

しかし、歴史を振り返ってみると、私たちは新技術の誕生にあわせ、それまでになかった仕事を生み出し続けてきました。近い将来、既存の仕事が姿を消してしまうと危惧されていますが、決してそんなことはないのではないでしょうか。人は新しい道を見つけ、仕事を創造し続けるものなのです。

YouTuber や Instagrammer といった職業も、その一例だと考えられます。ネットサービスの発展に伴い、『個』で情報発信できる時代が到来したのです。

去る3月23日(水)に開催された、フリーランスのための祭典『Lancer of the Year 2016』。当イベントのパネルディスカッションに参加した、YouTuber バイリンガール・吉田 ちかさん。ミニチュア写真家のInstagrammer 田中 達也さんの登壇模様から、これからの『個』の働き方についてお伝えいたします。

テーマ:『「個」の時代、今後のフリーランスに求められるものは?』
■ パネラー

▪️ You Tuber・吉田 ちか さん(バイリンガール)

小学校1年生の時、父親の仕事の関係で渡米。大学卒業までの16年間をシアトルで過ごす。2007年、日本に帰国し、大手コンサルティング会社に入社。英語に苦手意識を抱いている日本人が多いことに気づき、2011年、YouTube で英会話チャンネルを開設。現在はバイリンガールの愛称で、YouTuber として活躍する。

▪️ Instagrammer・田中 達也 さん

1981年熊本生まれ。鹿児島を拠点にアートディレクター、ミニチュア写真家として活動中。2011年4月より、ミニチュアアートを公式HPやSNS上に投稿開始。毎日投稿する作品が日めくりカレンダーの様になっていたことから、「ミニチュアカレンダー」と呼ばれ、瞬く間に注目を集め、日本のみならず海外でも反響を呼んでいる。

■ ファシリテーター

▪️ ランサーズ株式会社 取締役・曽根 秀晶

会社員だった過去を振り返る! 対照的な2人の環境と境遇

ディスカッションの様子3

曽根:まず最初に、お2人が独立を決意したきかっけを教えてください。

吉田:私は動画を撮影し始め数カ月で向いていることに気づき、「いつかはYouTube だけでやっていきたい!」と考えるようになりました。その後、試行錯誤の末に面白い動画を作れるようになり、日々投稿を続けていると、企業様からコラボの話をいただいたのです。

辞めたら収入が激減することは見えていました。でも、情熱があれば会社の収入を追い越せるはず! と思い、独立を決意しました。

田中:私の場合、吉田さんと違い、副収入が本業の収入を上回ってしまい、その状態は1年半ほど続いていました。会社も副業には寛容で、ミニチュア撮影が忙しい時は、家からテレビ電話で会議に出ることも許されていました。

そんな私が独立を決心したのは、子供が生まれたからです。うちは妻が作業療法士の仕事をしており、出産後も仕事を続けたいという気持ちを強く持っていました。子供が風邪をひいたとき、どちらが休むかで揉めることもあったので、状況を変えるためにフリーを選んだのです。

現在のポジションに繋がった、2人を変えた成長のターニングポイント

曽根:お2人がフリーランスとしてブレイクしたきっかけ、成長のターニングポイントがありましたら教えてください。

吉田:私にはターニングポイントが2つあります。1つは2年前にYoutube のTV CMキャンペーンを行なったとき。YouTuber を『好きなことで、生きていく』というキャッチコピーで取り上げていただいたんです。その時に、驚くほど登録者数が増え、多くの方に私を知ってもらうきっかけとなりました。

もう1つは、さらに前。動画投稿を始めて9カ月目くらいに、ある視聴者から「あなたの動画、つまらないんだよ!」と言われた時です。確かに昔の動画は照明も暗いし、テンションも超暗いし……。正直、自分でも思い当たる節はあったので、「どうすれば面白い動画になるのか」と悩みました。

「もっとエンタメ性があったほうがいいのか」とか「動画のテンポを変えたほうがいいのか」とか工夫をするようになり、レッスン動画だけでなく、コスプレや歌、ダンスに挑戦したりもしました。

当時は今に比べるとコメントも少なかったですし、批判的な意見を頂いたこともありませんでした。それが、突然鋭いコメントが来て、受け止められなくなって、2~3カ月は動画をアップできなかったんです。次は何にしようって思い悩やんだ結果、『江南スタイル』を踊って再スタートしました。

田中:僕のターニングポイントは、写真集を出すためにクラウドファンディングで資金を集めた時です。写真集を自費出版するために『CAMPFIRE』というサービスを使って資金を募り、予想以上のお金を集めることができたのです。目標の70万円を大幅に上回って、合計で140万円ほど集まり、そうやって、自分の作品をお金で評価されると自信が沸いてきました。

その後、運の良いことに出版社から声がかかり、正式に発売される運びとなりました。そのまた次には、テレビに取り上げられてフォロワーもどんどん増え、とんとん拍子に良いことが繋がっていきました。

継続することはもちろん、常に工夫・改善する姿勢がなければならない

ディスカッションの様子2

曽根:地道に作業をしていた時期から一気にブレイクしたタイミングで、お2人が仕事に対する姿勢で気をつけるようになったこと、新たに取り組んだことはありますか?

吉田:視聴者に「つまらない!」って言われてコンテンツを変えるのではなく、自分自身をブランディングしていきたいと思うようになりました。そこで、『バイリンガール』という名を付けたんです。

それまでは、日本人に分かりづらい英語のタイトルをつけていたのですが、改めて誰に対し動画を発信しているのか考え、ベタですが「バイリンガル」と「ガール」をくっつけて、『バイリンガール』と名乗ることにしました。

ただ、初めから『バイリンガール』ではありませんでした。最初はスーパーマンのコスプレをして、スーパーガール……。でも著作権的にダメなのかなと思って、星条旗の帽子をかぶって『バイリンガール』で活動をスタートしました。意外とそれが定着したので、ベタなほうが良かったのかなと感じています。

曽根:田中さんはいかがですか?

田中:吉田さんのように批判の言葉を受けた時、どのように受け止め、良い方向に工夫するのかがポイントだと思います。継続ももちろん重要ですが、かといって現状維持ではダメだし、「昨日より、もっと上に!」という意識が必要なのです。

曽根:自分の仕事を続けていくうえで、モチベーションの源になるものって何なのですか?

田中:やっぱり、私の場合はInstagram の「いいね」の数は大事ですね。これが低いと結構、ヘコんでしまいます。翌日の制作のモチベーションになりますし、見られているという実感が重要。ユーザーに評価されるのは力になりますね。

アメリカでは自分らしく働くことが支持される! 日本と欧米に見る、仕事への意識の違い

ディスカッションの様子1

曽根:吉田さんにお聞きしたいのですが、アメリカと日本のフリーランスで感じる違いがありましたら、教えてください。

吉田:アメリカではフリーランスはだいぶ浸透しています。よく「Be your own Boss」、『自分が自分の上司になれ!』という言葉を聞くのですが、アメリカ人は自分の好きなように働くことがベストだという考え方をもっています。ですので、就職活動の時も一流企業に入らなければダメという考え方はありません。本当にその人がやりたい事をやるのが、支持される働き方なのです。

でも日本に戻ると、どこで、誰と働いているというのが重要視されていると感じます。アメリカ人にも多少はありますが、日本人は特に気にされているのかなと思います。

曽根:独立すると日本の場合、周囲に心配されることもあると思います。その時、周りに安心してもらい、上手に自分のやっていることをアピールする方法はありますか?

吉田:やっぱり、実績を積んでいくというのが1つで、特に日本では企業様とコラボするのが信頼獲得に繋がると思います。なので良い作品を生み出し、シェアされ、企業さんとのコラボに繋げるというのもやり方の1つではないでしょうか。

オンラインで働くメリット・デメリット! どう切り分け、捉えていくかが重要

田中 達也

曽根:仕事のオンライン化が進んでいる昨今ですが、オンラインで仕事をすることのメリット、デメリットがあればぜひ教えてください。

田中:メリットはメールで受注する場合、案件を冷静に分析して仕事を選べるという点かと思います。実際に人に会うと条件が悪くても「何とかしましょう!」とつい受けてしまいがちですが、メールだと断りやすい。逆にデメリットは、お客様の顔が見えないので、気持ちを漏らさず汲み取りにくいというか、見えにくい部分があることだと思います。

吉田:私が感じるオンラインのデメリットは、その気軽さです。私はFacebookやTwitter で多くの人と繋がっているのですが、通常ならお金を頂くような依頼を「これちょっと、お願いできないかな?」と声かけられることがよくあって。欧米的な発想かもしれませんが、友達だからと何でも手伝うわけにはいきません。ビジネスはビジネスなので、プライベートと混同しないようにちゃんとケジメをつけて考えるようにしています。

曽根:吉田さんが仰るように、オンラインで人脈が広がっていくと、仕事とプライベートの境目が分けづらくなるのではと思うのですが、田中さんはどうお考えですか?

田中:私は全く分けていないです。ミニチュアを集めるのが趣味なので、趣味が仕事に繋がるという感覚は最高で、あえて切り離すつもりはありませんね。

吉田:私の場合、動画を配信しているので日常の全てがネタになるんです。なので、結婚式の様子もアップしていますし、全てをみんなとシェアしたいという気持ちがある一方で、たまには休憩しなきゃいけないという思いもあります。カメラのレンズ越しにしか自分を見ていないような気がして、カメラを置いて自分を見つめ直すことも必要だと感じます。

まずはオンライン上で自分を発信すること! 目に留まらなければ、良い仕事も評価されない

吉田 ちか

曽根:今後、フリーランスに求められるものは何だと思いますか?

吉田:私が一番大切だと思うのは、デジタルプレゼンスだと思います。フリーランスで働くとなると、自分をどうやって探してもらうの? というのが1つの課題となります。良い作品を持っていても、ソーシャルメディアで活躍するとか、積極的にブログを書くなどして、それを誰かに知ってもらえないと意味ないのです。

地道な作業なので、1件投稿したからといってすぐに声がかかるものではないですが、習慣にして積み重ねていくことで、見てくれる人も増え、ポートフォリオの1つになり、プレゼンツに繋がっていきます。たとえ、メインの仕事がオフライン中心でも、オンライン上で作品や仕事を見せるというのは、大事になってくると思います。

田中:まさにその通りですね。もう1つは、自分しかできない特徴や強みを出すことが大事かなと思っています。私の分野である写真も、今は誰もが撮れる時代と言われています。そこで、「絶対、この人に頼みたい!」っていう特徴やアイデアをしっかり打ち出していかなければ選ばれないのかなと思っています。

人がすぐ真似できるようなことだと取って変わられるし、最終的には機械化される。生き残っていくには、自分にしかできないことを突き詰める必要があると思います。

曽根:弊社ランサーズも『個のエンパワーメント』というミッションを掲げているのですが、本日、お2人のお話しを聞き、個人が活躍する今の時代で、インターネットの力が制約を開放し、可能性を広げていくことを改めて実感しました。

そして今後は、1億総表現社会、1億総デザイン社会、1億総フリーランス社会のような世界がやってくるのではないかと思い、ワクワクいたしました。

本日は、貴重なパネルディスカッションにご参加いただいたお2人に、改めて拍手をお送りしたいと思います。ありがとうございました!

(おわり)

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