企業勤めだけでは充足しない開発欲。満たしてくれたのは、在宅&副業エンジニアという働き方だった。

企業勤めだけでは充足しない開発欲。満たしてくれたのは、在宅&副業エンジニアという働き方だった。
都内の金融系企業でシステムの企画・エンジニアとして働く青島 和樹さんは、1年前から土日を利用した副業を実践中。副業のきっかけは、ブログに製品紹介の記事を書いたことでした。本業は週の大半が在宅勤務。浮いた通勤時間で、自己研鑽に励む理由とは。
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30代後半のエンジニアが副業する理由は、開発欲を満たすため

エンジニア歴15年以上、30代後半の副業者 青島 和樹さん(仮名)が勤めるのは、都内にある従業員1,000名弱の金融系の会社。会社での役割は、社内システムの企画を担っています。青島さんにとってシステムの企画職は、キャリアステップとして納得のいくものでした。

ところが技術者としての血が騒ぐもので、胸のうちには開発欲を秘めたまま。かといって会社で「開発だけをやってくれ」と言われても、受け入れがたいという葛藤があるそうです。

一年ほど前の2017年初頭、自身のブログがきっかけで副業の仕事を請け負うことになりました。依頼されるのは、技術的な相談やコンサルティング業務、そして手を動かすエンジニア業務まで幅広い仕事。

消化しきれない開発欲は、副業という形でかなったのです。エンジニアリングをするだけなら、完全な趣味でも問題ないはず。ところが青島さんは、副業でやることに意味があると考えています。

在宅勤務制度・副業制度の導入に乗り出した金融会社

ーー本業の仕事について教えてください。どのような会社で、どんな仕事をなさっていますか。

都内にある金融系の会社に勤めています。会社の規模は社員数1,000弱といったところで、入社してから3年ほど経ちました。役割としては、入社当時は基幹システムの開発や保守に携わっていて、いまはシステムの企画が主な仕事です。

ーーずっとエンジニア畑でやってきたんですよね。

新卒で入社したのが自社パッケージもつくるSIerで、文系出身の未経験ながら、開発者として雇っていただきました。4年目で通信関係の会社に転職して社内SE的な仕事を経験して、今の会社に転職しています。

ーー現在の会社は副業について容認しているんですか。

私が副業を始めたのは1年ちょっと前なんですが、当時はOKともダメとも言っていない感じでした。それが2018年になって解禁することになって、これから申請方法や基準を決めていく感じです。

ーー同僚で副業してる人はいるんですか?

受託する業務の話は聞きませんが、ブログ経由だったり仮想通貨をやってる同僚はちらほらいますね。副業の制度が整備されたら、堂々と言えるようになって、実はみんなやってるんだねってことになるかもしれませんが。

ーー制度を導入するタイミングですもんね。ちなみに在宅勤務も可能とか。

働き方改革の流れもあるのでしょうが、1年ほど前に在宅勤務の制度も取り入れて。私自身も在宅ワークが中心で、会社へ行くのは週に1日か2日くらい。あとは自宅で働いています。

週に数回出社といっても、自宅作業と業務内容に違いはほとんどありません。会議は対面もオンラインあるので、紙の書類を提出するときくらいですね、絶対に出社が必要なのは。

在宅ワークがありがたいのは、通勤時間がゼロになったこと。片道1時間半以上かかるので、準備まで含めたら4時間も自由になる時間が増えたわけですから。

副業にはネガティブな面があるから、収入以外の目的も持っている

ーー副業を始めるきっかけについて教えてください。

自分のブログに、あるシステムのレビュー記事を書いたんです。すると同じ分野の別製品を扱う企業から、ユーザーテストをしてみて欲しいと頼まれて。報酬は40万円という仕事でした。

製品というのが開発ツールだったので、インストールして、実際に開発をしてフィードバックするまでが依頼で。時給にしたら高校生のアルバイト程度かなと。それでも面白そうと思えたので受けました。

やっぱりエンジニアとしての開発欲を持っていて、でも本業では企画が中心。かといって会社で「開発だけやれ」と言われたら不満もあるので、やりたいことを両立させる手段として副業を始めて、いまも続けている理由になってます。

かといって、無報酬ではやらないです。ボランティアで請け負うと、お互いに甘えが生じますよね。仕事じゃないから、納期はゆるいし、クオリティも双方こだわらない。だったら仕事として受けるほうが、緊張感が生まれて意義があると思ってます。

ーー本業と副業の切り分けはどうしてますか。また今後、副業を増やす計画はあるんでしょうか。

副業をやるのは土日のどちらかと決めています。平日は本業がありますし、通勤がなくなった時間は技術トレンドを追いかけたりと勉強に使っていますので。

収入のために副業を追加するとしたら、仕事量を増やすしかないわけです。すると、副業のネガティブな面が出てくるかもしれません。

納期の短い仕事を受けてしまったり緊急対応が発生して、平日の夜間に仕事をするとか。会社の勤務時間まで、副業の開発をする人も出てくるかもしれません。どんな会社も、副業を禁止すると思いますよね。

副業を勧めるとしたら……、会社勤めでは諦めざるを得ない、でも、やりたいことが別にある人。もしくは若手で視野を広げたい人に対してですかね。収入だけじゃない目的を持てば、副業で得られる成果がより大きくなると感じていますので。

(おわり)

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