フリーランス必見!源泉徴収の基本から確定申告での扱いまで

フリーランス必見!源泉徴収の基本から確定申告での扱いまで
会社員は意識することの少ない源泉徴収ですが、フリーランスにとっては確定申告などとも関係が深い重要な制度のひとつです。今回は、源泉徴収について、基本から実際の確定申告のポイントまでを『マネーイズム』編集部に解説いただきました。
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源泉徴収の基本から確定申告のポイントまで

会社員は意識することの少ない源泉徴収ですが、フリーランスにとっては確定申告などとも関係が深い重要な制度のひとつです。本記事では源泉徴収について、税理士紹介24年の株式会社ビスカスが運営する税金情報サイト『マネーイズム』の編集部が基本から実際の確定申告のポイントまで、徹底的に解説します。

そもそも源泉徴収とは?

源泉徴収とは、事業者が従業員の所得にかかる所得税をあらかじめ徴収して納付することをいいます。法人や、従業員を雇用している個人は、従業員の所得税を源泉徴収する義務があり、事業者が源泉徴収をすることで従業員は確定申告を行う必要がなくなります。

源泉徴収の対象となるものには、会社員やアルバイトなどの給与、公社債や預貯金の利子、株の配当、税理士等に対する報酬や料金などがあります。国税庁によると、報酬や料金を受ける者が個人である場合、源泉徴収が必要となる範囲は以下の通りとなっています。

・原稿料や講演料など
・弁護士、公認会計士、司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬・料金
・社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
・プロ野球選手、プロサッカーの選手、プロテニスの選手、モデルや外交員などに支払う報酬・料金
・芸能人や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金
・ホテル、旅館などで行われる宴会等において、客に対して接待等を行うことを業務とするいわゆるバンケットホステス・コンパニオンやバー、キャバレーなどに勤めるホステスなどに支払う報酬・料金
・プロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
・広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金

このように、源泉徴収されるのは会社員の給与だけではなく、フリーランスへの報酬も対象となっていることがわかります。ただし、フリーランスへの報酬は源泉徴収されている場合とそうでない場合があります。どういうことなのか詳しく見ていきましょう。

フリーランスにとっての源泉徴収

フリーランスが受け取る報酬には、源泉徴収されてすでに納税が済んでいるものと、源泉徴収されず納税が済んでいないものが混在します。それを知るには、「源泉徴収義務者」と「支払調書」を理解する必要がありますので、以下で説明します。

源泉徴収義務者とは

法人や、従業員を雇用している個人は、源泉徴収をする義務があります。これを源泉徴収義務者といいます。法人はすべてが源泉徴収義務者であるのに対し、個人は従業員を雇用していなければ源泉徴収義務者ではありません。したがって、そもそも源泉徴収義務者でないクライアントは、報酬から源泉徴収する必要がありません。報酬を受け取る側であるフリーランスは、まず、クライアントが源泉徴収義務者であるかどうかを確認しておくと、受け取る報酬がすでに源泉徴収されているのかどうかがわかります。

支払調書とは

源泉徴収義務者は、一定の金額以上をフリーランスなどの個人に支払った場合、報酬を明記した「支払調書」という法定調書を税務署に提出しなければなりません。一定の金額とは、以下の金額を指します。

・診療報酬、職業拳闘家、外交員、集金人、電力量計の検針人の報酬・料金及びバー・キャバレー等のホステス、バンケットホステス・コンパニオン等の報酬・料金については、同一人に対するその年中の支払金額が50万円を超えるもの
・広告宣伝のための賞金については、同一人に対するその年中の支払金額が50万円を超えるもの
・馬主が受ける競馬の賞金については、同一人に対するその年中の支払金額の全部につきそれぞれその1回の支払金額が75万円を超えるもの
・上記以外の報酬・料金については、同一人に対するその年中の支払金額が5万円を超えるもの

源泉徴収義務者がこれらに当てはまる報酬や料金を支払う場合、必ず支払調書を税務署に提出しなければなりません。たとえば、報酬を受け取る側がライターやデザイナーであれば、年間の支払額が5万円を超えた場合、源泉徴収義務者は支払調書を税務署に提出する義務があります。

ここで注意しなければならないのは、年間の支払額が5万円を超えた場合であっても、報酬を受け取る者に対して源泉徴収義務者が支払調書を発行する義務は発生しないということです。つまり、報酬を受け取る側のフリーランスは、必ず支払調書がもらえるという訳ではありません。そのため、支払調書がなくても確定申告できるように日頃からしっかりと記帳しておく必要があるでしょう。

源泉徴収されているかどうかの判断は?

自分が受け取った報酬金額と、クライアントに請求した金額に差があれば、源泉徴収されている可能性があります。報酬が100万円以下なら、報酬に10.21%を掛けた額が差し引かれているはずです。

たとえば10万円の報酬であれば、10万円×10.21%=10,210円が報酬から源泉徴収されて、受取金額は89,790円になっています。クライアントに提出した請求書は保存しておき、受取金額と照らし合わせることが重要です。

源泉徴収された報酬があれば、前払いした所得税の還付を受けられる可能性があります。後述するように、所得税額は収入から必要経費を差し引いた所得額を基に計算します。

しかし、源泉徴収は支払われた報酬から一律で引かれるため、必要経費の分が考慮されておらず、本来支払うべき金額よりも多くなっていることがあります。源泉徴収で過払いが生じた場合、確定申告で本来の所得税額を申告することにより、差額分の還付金を受け取ることができます。

納税の仕方、計算方法

では、ここからは所得税の納付方法や期限、計算方法についてお伝えしていきます。

納付期限

所得税の納付期限は確定申告の提出期限と同じ3月15日です。3月15日が土日の場合は翌月曜日になります。確定申告書の提出後に税務署から納付書の送付やお知らせはありませんので注意しましょう。

納付方法

所得税の納付方法は 6つの方法があります。

・窓口納付
金融機関または税務署の窓口で現金に納付書を添えて納税します。納付書は金融機関や税務署に用意されています。

・振替納税
事前に振替依頼書(預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書)を税務署または振替依頼書に記入した金融機関に提出することで利用できます。一度手続きをしておくと、毎年口座引落による納付ができますので手間がかかりません。また、引き落としは納付期限の3月15日の約1ヶ月後になります。

・e-Taxによるダイレクト納付
国税電子申告システムe-Taxで申告書を提出したあと、指定した金融機関の口座から即時、または指定した期日に口座引落によって納付する方法です。したがって、e-Taxを利用した人しか利用することができません。

・クレジットカード納付
国税庁が用意した専用の納付用ウェブサイトからクレジットカードを使って所得税を納付できます。

・コンビニ納付
1. QRコード
自宅のパソコンで作成したQRコードを利用してコンビニエンスストアで納付できます。QRコードは確定申告作成コーナーで申告書を作成する際に、QRコードを併せて作成できます。QRコード納付が利用できるのは納付金額が30万円以内の人のみです。

2. バーコード
確定申告時にバーコードによる納付を希望すれば、バーコード納付書を使ってコンビニエンスストアで納付することができます。ただし、初めて申告する場合は発行までに時間がかかります。

・インターネットバンキング
インターネットバンキングやATMから納付する方法です。事前にe-Taxの開始届出書を提出しておく必要があります。

所得税の計算方法

所得税は、以下の計算によって求められます。

収入-必要経費-所得控除=課税所得
課税所得×所得税率=所得税額

算出された課税所得に税率を掛けると所得税額になります。所得税の税率は、所得が多くなるにしたがって段階的に上がっていく「累進課税制度」となっています。たとえば、課税所得が195万円を超えるとすべて10%になるのではなく、195万円を超えた分だけが10%になります。これを素直に計算するとややこしくなりますが、次の所得税額早見表を使って課税所得額に応じた控除額を差し引けば、所得税額を簡単に求めることができます。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え 4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

なお、2037年までは復興特別所得税の2.1%も併せて納付することになっています。

確定申告の際の注意点

ここからは、確定申告の注意点をいくつかご紹介します。

配偶者控除の範囲が変更

平成30年分の確定申告から、配偶者控除・配偶者特別控除の範囲が拡大され、その内容が大きく変更になっています。

マイナンバーを記載する

確定申告書には「マイナンバーの記載」または「番号確認書類」と「本人確認書類(運転免許証、パスポート、障害者手帳など)の提出」が必要です。

医療費控除の領収書は添付しない

よく間違うのが、医療費の領収書を確定申告書に添付しているケースです。領収書の添付は不要で、代わりに医療費控除の明細書の添付が必要になります。また、医療費の領収書は自宅で5年間保存しておく必要があります。

申告漏れ

メルカリをはじめとしたフリーマーケットアプリやネットオークションサイトでの個人取引による所得や、仮想通貨の売却による所得、競馬の払戻金は、金額次第で確定申告が必要になる場合があります。

住宅ローン控除の誤り

住宅取得のための資金について贈与特例の適用を受けた場合などの住宅ローン控除の計算誤りや、ふるさと納税のワンストップ特例を申請した場合のふるさと納税の申告漏れに注意しましょう。

まとめ

フリーランスの人がよく迷う源泉徴収と支払調書についてお伝えしてきました。会社員時代には気にしていなかった所得税の納付方法も、フリーランスになるとどれを選べば良いか戸惑うかもしれませんが、ミスを未然に防ぎながらしっかりと確定申告をすすめていきましょう。

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