本業と副業の切り分けはナンセンス。好きな仕事に休みなく没頭するブランドクリエイター
日本人の暮らしにエンタメを浸透させたい。それが私の原動力
創業70周年を迎える歴史ある企業に務める加藤夏裕さん(37歳)は、企業のプロモーション活動を支援する会社で、プランニングやブランディング施策全般に携わられています。
そんな彼は、本業と並行して複数の事業を展開。「日本人の暮らしにエンターテイメントを浸透させたい」という想いのもと、「クラシック音楽を日本に文化として根付かせる」を理念にさまざまな音楽活動を展開する『朝♪クラ〜Asa-Kura〜』。トランプゲーム「コントラクトブリッジ」をおしゃれなカフェで楽しめる空間を提供する『Light Bridge』などのサービスを企画・運営しています。
多忙そうな印象を受けますが、加藤さんは「忙しくても苦ではない」と語ります。理由は心から好きなことを仕事にしているからだそう。
好きだからこそ、休みがなくても意欲は下がらない。また、全て本気で仕事しているから「副業」という表現は使いたくないと話します。そんな加藤さんに、自身の仕事観をお伺いしました。
エンターテイメントの力を信じているからこそ、副業で事業を立ち上げた
ーー 本業の仕事内容を教えてください。
企業のプロモーション活動を販促・集客の企画から実施まで、一気通貫で支援する会社に勤めており、私はプランニングセクションを担当しています。
ーー 会社では副業は容認されていますか?
就業規則には容認については明記されていません。ただ、私は入社時から独立志向があることを伝えていますし、本業の経験と副業の経験とを相互に活かし合うことによって相乗効果を出せていて、業務を遂行する上でアイデアの幅が広くなっていくのを日々感じています。
ーー 副業をはじめられたきっかけは?
私は0→1で新しいことを生み出すのが好きで「やりたい!」と思ったことは、何でも行動に移してきたんですね。そんな性格もあって、本業があるからということは気にせず、面白い事業アイデアを形にしようと副業を始めました。
現在取り組んでいる副業は「クラシック音楽を日本の文化として根付かせる』を理念とした『朝♪クラ〜Asa-Kura〜』。日本ではあまり馴染みがないですが、世界的に普及しているトランプゲーム「コントラクトブリッジ」を、おしゃれなカフェで楽しむことができる場を提供する『Light Bridge』を運営しています。
その他、今は弊社事業の一つとなりましたが、SNSやWEB上で影響力のあるインフルエンサーと企業をマッチングするサービスなども、私のアイデアで立ち上げた事業になります。
ーー 精力的に副業に取り組む理由は?
一番の理由は「日本をエンターテイメントが根付いた豊かな国にしたいから」。幼少期から、毎週のように遊園地に連れて行ってもらっており、母は音大卒のピアノ教師、祖母は琴・三味線の師範という音楽一家で育った私には、エンターテイメントの存在は、生活に欠かせないものでした。
ただ、日本の街を見渡してみると、欧米と比べてエンタメが生活に浸透していないなと。もっと、エンタメが生活に浸透し、人々が心豊かに暮らすことができる社会を実現したいという気持ちが、副業に邁進するエネルギーになっています。
心から好きな仕事であれば、走り続けても苦ではない
ーー 本業と副業の切り分けは大変ではないですか?
普通は大変だと思われるでしょうが、私の場合はそもそも”休日”という概念がなくて(笑)。普通の方がお休みされている平日夜や週末に、ほとんど休むことなく仕事していますが、それが苦ではないんですね。
あとは、時間の使い方・人との付き合い方の最適化。少しドライな考え方ですが、仕事に繋がらないと思ったら、友人との約束も断ることが多くて、それくらい時間を圧縮して仕事を進めています。
本業も副業も常に本気で取り組んでいるので時間を忘れて仕事に没頭する毎日です。翌朝まで本業の企画書作りに打ち込むことも多いですが、一方で定時でサクっと退社して副業することもあります。でも、本業も副業も自分が好きな仕事なので、楽しく仕事ができています。
ーー とはいえ、副業で苦労を感じた瞬間もあるのでは?
しいて言うのであれば、事業の立ち上げ初期ですかね。私の副業は全て、0→1で新規事業を立ち上げているので、軌道に乗せるまではいわゆる産みの苦しみという感じでどれも苦労します。
例えば『朝♪クラ〜Asa-Kura〜』では、協賛企業を集めるために、いくつかの企業に提案しにまわったのですが、最初はなかなか耳を貸していただけなくて。考えてみれば当然で、想いはあっても、どこの馬の骨とも分からない人間なわけですから(笑)。
でも、大手の音楽メーカーさんにご協力をいただけることになってからは、提案は一気に通りやすくなりました。「大きな音楽会社さんが応援しているようなブランドなら、私たちもぜひ協力させてください」といった形で、他の企業様ともどんどん仕事ができるように。この時は、改めてブランディングの力を実感しましたね。
ーー 最後に加藤さんにとって『副業』とは、どんな存在ですか?
副業とは本業ですね(笑)。私はどの仕事もメインだと思い取り組んでいるので「副業」の「副」という表現は使いたくなくて。自分のやりたいことに向かって、今後も全力で走り続けていきたいです。
(おわり)