個人事業主はじめの一歩!開業準備のポイント

さぁ、いよいよ個人事業主。開業準備は抜かりなく!
中小企業庁が平成26年4月に発表した「個人事業主を巡る状況と事業承継に係る課題について」によると、個人事業主の数は減少傾向にあるものの、「小規模企業の約6割(63%)は個人事業主であり、我が国における経済主体の重要な一翼を担う」とされています。
個人事業主として開業すると決めた日から、あらゆる準備が始まります。特に、経理や税金、役所関係の届け出など、これまでは会社がやってくれていたことを全て自分でやらなければならず、不安になっている人も少なくないでしょう。
そこで今回は、1・役所ですること、2・税務署ですること、3・退職前にやっておくことの3点にポイントを絞り、開業のための準備についてご案内します。事業をスムーズに軌道に乗せるためにも、開業準備は抜かりなく済ませましょう。
個人事業主が最初にやるべき準備その1|役所ですること
役所で行う手続きには、前に勤めていた会社を辞めてから一定の期間内に行なわなければならないものがあるので注意が必要です。
(1)国民健康保険…前の会社を退職した翌日から14日以内に行います。必要なものは・国民健康保険被保険者資格取得届・健康保険資格喪失証明書(もしくは離職票)・印鑑です。
国民年金の保険料は前年の所得が基準になるので、最初の年は高額になることが予想されます。個人事業を始めたばかりで支払いが困難なときは、減免してもらえる場合があるので、窓口で相談してみましょう。
(2)国民年金…前の会社を退職した翌日から14日以内に行ないます。必要なものは・年金手帳・離職票・国民年金被保険者資格取得(申出)書・種別変更(第1号被保険者該当)届出書・印鑑です。
国民年金も、支払いが困難なときは「国民年金保険料免除・納付猶予制度」があるので、未納にせず窓口で相談しましょう。
個人事業主が最初にやるべき準備その2|税務署ですること
税務署で行なう手続きも期限が定められているので気をつけて準備をしましょう。
(1)個人事業の開業届…開業日から1ヶ月以内に提出します。必要なものは・個人事業の開業、廃業等届出書・印鑑です。個人事業の開業・廃業等届出書は国税庁のホームページからダウンロードすることができます。
(2)青色申告承認申請書…開業日から2ヶ月以内に提出します。例外として、1月1日~15日の間に開業した場合は3月15日までに提出すればOKです。必要なものは・青色申告承認申請書・印鑑です。
青色申告承認申請書を提出しておかないと、特別控除や3年間赤字繰越などのメリットがある青色申告をすることが出来なくなるので、開業届けと一緒に提出することをおすすめします。
個人事業主が最初にやるべき準備その3|退職前にやっておくこと
会社を辞めて個人事業主になると、社会的な信用が低くなるという現実も認識しておきましょう。社会的な信用がある会社員のうちに準備しておいたほうがいいこともあります。
(1)クレジットカードを作っておく…開業してすぐは購入物も多く、クレジットカードを使う機会も増えます。その際、家庭用のカードを使っていると確定申告のとき非常に面倒なので、事業用のカードを作っておきましょう。退職後は審査が通りにくくなるので、退職前に作っておくことをおすすめします。
(2)必要があればローンを組んでおく…必要なローンがあるときは、社会的な信用があるうちに組んで起きましょう。
(3)取れる資格は取っておく…社会的な信用を少しでも得るための道具として、今後の仕事に必要な資格は取得しておくとよいでしょう。客観的にスキルがあることを証明できる有効な手段の一つになります。
開業準備はサクッと済ませて個人事業に専念しよう!
いかがでしたか?こうしてみると、億劫だった役所関係や税務署関係の手続きも、意外と簡単にできそうな気がしますね。特に、青色申告承認申請書を忘れてしまうと、確定申告の時に白色申告しかできず、特別控除や赤字繰越などの青色申告にしかない特典が受けられなくなってしまいます。
何かと出費が多く、利益もまだ見込めない初年度こそ、受けられる控除やメリットはしっかりと押さえておきましょう。雑多な準備をサクッと済ませて、あとは大切な事業に集中!自分の夢をかなえるために、個人事業を確実に軌道に乗せましょう。