フリーランスとして生きるということ | 代官山蔦谷書店トークセッション

フリーランスとして生きるということ | 代官山蔦谷書店トークセッション
『1億総クリエイター時代の働き方の未来』をテーマに、現役のフリーランスの方3名をお招きし、代官山蔦屋書店でトークショーを開催しました。インターネットが普及し、フリーランスという新しい働き方が注目を集める今、現役で活動しているからこそ話すことができるフリーランスの仕事・生活についてお聞きしました。
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フリーランスの仕事・生活のホントのところ

7月20日(月)に流行と文化の発信地・代官山蔦屋書店で開催された『クラウドソーシングで変わる、新しいクリエイターの横顔。』フェア。関連イベントとして、開催されたトークショーの様子をご紹介いたします。テーマは『1億総クリエイター時代の働き方の未来』。現役で活躍されるフリーランスの方3名をお招きし、日々の仕事や生活について赤裸々に語っていただきました。

登壇する3名は、会社員からフリーランスへ転身し、家族でハワイ移住を実現したフリーWebデザイナーの藤 清貴さん。ご家族とともに沖縄へと移住し、仕事と子育ての両立に成功したフリーデザイナーの永田義郎さん。フリーランスになり、地元静岡で故郷の町おこしにも携わるフリーWebデザイナーの藤田義雄さんです。

インターネットが普及し、「フリーランスで仕事をする」ことが身近になった今。会社に属さず、自分の裁量で自由に仕事ができるフリーランスだからからこその良い点、悪い点などそのリアルな部分についてお話していただきました。

テーマ:『1億総クリエイター時代の働き方の未来』 代官山蔦谷書店トークセッション
■ パネラー
・フリーランスデザイナー 藤 清貴 氏/藤田 義雄 氏/永田 義郎 氏

■ モデレーター
・ランサーズ株式会社 代表取締役 秋好陽介

自由な場所での生活と働き方を選択した3人のフリーランス。

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秋好:トークセッションのモデレータを務めさせていただきます、ランサーズの秋好です。

これから始まるトークセッションは、フリーランスの働き方や生活に迫る内容でお送りしたいと思います。こちらにいらっしゃる3名は、いま現在フリーランスとして働いていらっしゃる方々です。お三方にいろいろと質問をしながら、実際のフリーランスの生活や収入のことなど、生々しい部分にまで踏み込んで語っていただこうと思います。事前に行なった打ち合わせの際に、何でも答えてくれると言ってくれましたので(笑)。

では、今回パネラーを務める3名のフリーランスの方々に簡単に自己紹介をしていただきましょう。

藤田:フリーランスのWebデザイナーをしている、藤田と申します。今は静岡で仕事をしていて、仕事は主にWebデザインやグラフィックデザインを中心に行なっています。本日はよろしくお願いします。

永田:沖縄で4歳と2歳の子供、妻と生活をしているフリーランスデザイナーの永田と申します。僕も藤田さんと同じく、Web制作を行なっているんですが、仕事の案件は企業や沖縄の方からいただいたのものを中心に活動をしています。また、Web制作だけではなく、運用管理も行なっています。

藤:福岡から来ましたフリーランスwebデザイナーの藤と申します。以前は、ここからほんの数分の場所にある会社に3~4年前まで務めており、フリーランスになり、ハワイ移住、その後、現在は地元の福岡県で暮らしています。本日はよろしくお願いします。

フリーランス生活の実態、リアルを語る。

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秋好:さっそく、皆さんに気になるフリーランスの仕事・生活についてお聞きしたいと思うんですが、以前お会いした際には、会社員時代は1日16時間ほど働いていたとのお話がありました。じゃあ、フリーランスになったからといって勤務時間が短くなるのかといったらどうなんでしょうか?クライアントからの連絡とか、デザインや経理作業など、一人で全部やらなくてはいけないので、会社員時代よりさらに忙しくなるのではないかと思うのですが、実際のところ、嘘偽りなく言うと、1日どれくらい働いているのでしょうか?

永田:私は毎朝、早朝5時ごろに起きています。朝はメールや電話がないので、2人の子供たちが起きるまで集中して仕事をします。そして、その流れでお昼までの集中して作業に取り組みます。できる限り、お昼までの半日くらいで仕事を終わらせれるように進めていますね。

秋好:つまり、12時ごろまでしか働いていないということですか?

永田:まあ、だいたいはそのような感じです。

秋好:めちゃくちゃうらやましい生活じゃないですか。 そのような生活を実現できている工夫とか特別なコツはあるのでしょうか?

永田:工夫している点は事前にお客さんに対し、自分は先ほど説明したような働き方をしていて、そのためこの時間なら連絡が取れますよ。みたいな内容を事前に打ち合わせていると働きやすいかなと思います。

秋好:お客さんに対して「僕は12時までしか連絡しないです」みたいなことを伝えるということですか?

永田:もし電話連絡を僕にしたいのなら、17時までにしてくださいと伝えています。そもそもコーディング作業を夜まで行なったとしても、長く作業したからといって成果物のクオリティーがよいわけではない。長く作業をしているとその分、頭が行き詰まるというか、結果的にクオリティーが悪くなるので、昼までの短い時間で仕事を切り上げたほうがいいように思います。

秋好:なるほど。ありがとうございます。では、藤さんはいかがでしょうか?

藤:私は子供が3人ほどいて、幼稚園への送り迎えや一緒に遊んだりと子供と過ごす時間がとても多いんです。そのため、日によっては仕事時間が非常に短い時もあります。平均すると1日6時間半ほどではないでしょうか。

生産性をあげるコツは「三国志」からヒントを得ました。諸葛孔明が万里の長城を建設する際の話です。諸葛孔明は万里の長城を建設する際に、部下に対し「何十kmもの城壁をみんなで作ります」と指示したわけではなく、何個もの城壁をちょっとずつ作っていくことに意識を置かせたのです。目の前の1ブロックをひとつずつ作っていくといった感じに。

この話を聞いて、仕事にも応用が聞くと私は思いました。それからは、Webサイト制作をする時も、サイト全体を完成させることに目標を設定するのではなく、小さな部分を15分で制作するといった感じに目の間に小さな目標をたくさん設定。それをもとに仕事を進めていくようにしました。

秋好:タスク管理を徹底的に行なっているということなんですね。

藤:15分単位なので、1時間で4つ。6時間で24個といった感じです。

秋好:朝起きたときに24個に分けるのですか?

藤:そうですね。macのデフォルトで入っているリマインダーを使ってタスクを切り分けています。

秋好:ありがとうございます。では、仕事時間がここまで「4時間」「6時間」と来ているので期待は2時間と言いたいところですが、藤田さんはいかがでしょうか?

藤田:私も2時間だと言いたいところですが、実際はごく普通に1日8時間くらい。基本的には毎週2日ほどはお休みをいただいて、それ以外は仕事をしています。

秋好:これまでの永田さん、藤さんのように規則正しく起床して、何時まで仕事をするといったルールはあるのでしょうか? それとも、通算でだいたい8時間くらいといった感じなのでしょうか?

藤田:私は「自由に仕事をしろ」と言われるとすごくだらけてしまいそうなので、一応、毎朝9時から18〜19時ごろまでで、仕事を終えるように進めています。やっぱり、ある程度、自分の生活の中に区切りをつけないと収拾がつかなくなるときもありますので、ちゃんと規則正しく仕事をすることを心がけています。

フリーランス生活のモチベーション・原動力とは?

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秋好:お三方とも普通に会社員として働いている人よりも、規則正しくて、お客さんの中には「ちょっと、真似できないな」と思っている方もいらっしゃることと思います。では、そんな生活を続けていくことができるモチベーションは何であると思いますか?

藤田:私はフリーランスになる前、Web制作会社に勤めていました。その会社で自分の制作作業に日々、没頭することができたのはありがたかった。けれども、直接お客さんとやりとりすることは少なかったんです。

それからフリーランスなると、会社員時代と比べ、お客さんとの距離はぐっと近くなりました。例えば、仕事で出会い、気軽に飲みにいく間柄になったりなど、プライベートで一緒に過ごすことも増えました。さらに、その場でお客さんの生の声を聞くことで、モチベーションアップにもつながりました。

秋好:永田さんはいかがでしょうか?

永田:改めて考えてみても、やっぱり家族との時間が増えたことではないでしょうか。子供たちと過ごす時間は必要ですし、ただ単にクオリティーだけが重要というわけではない。”何でもないような時間”が子供には必要だったりもしますし、それが必要となると、フリーランスの働き方になってしまうのではないかと思います。

秋好:フリーランスで昼の12時までに仕事を終えると、その後の半日くらいはお子さんと過ごすことができるわけですよね。永田さんの生活だと、以前お会いしたときもおっしゃっていましたが、「お子さんの初めての体験を見ることができる」と。つかまり立ちができたり、はいはいを初めてした瞬間は、普通ならママが知っていて、仕事終わりのパパに「今日こんなことをしたんだよ」と伝えるのものです。でも、その子供の初体験を永田さん自身が、誰よりも先に発見できることが、仕事をするモチベーションになっているんですね。

永田:そうですね。子どもとゆっくり過ごせるのは、小学校に上がるまでの僅かな期間だけです。なので、今のうちに海や山、遠くへの旅行など色々な経験をしておきたいと思います。

藤:私も子供が3人いるので、”子供のために頑張れる”というのはもちろんモチベーションですが、もうひとつは”幼稚な夢”があること。幼稚な夢とは「ハワイに行く」とかそのような感じ。ハワイはもうすでに移住したことがあるので、今は北海道に行ってみたいと思っています。

一ヶ月ほどかけて、北海道の綺麗な風景を見ながらゆっくりと車で一周してみたい。シンプルな目標ですけど、やりたいことをやることが自分のモチベーションです。18歳ごろの思春期に考えたような「本来の自分は何がやりたいのか」みたいな幼稚な夢を今後も持ち続けていきたいと思います。

自由と引き換えに失うものはあるのか。フリーランスの気になる収入。

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秋好:どんどん核心に迫る質問をお聞きしていきたいと思います。まずは、永田さんにお聞きしたいのですが、沖縄でITの仕事というのは東京に比べるとそこまで多くはないことと思います。毎日4時間しか働かない生活は羨ましい限りですけども、収入は会社員時代と比較し、少なくなったり、苦労が多かったりするのでしょうか?

永田:収入面の変化は確かにありました。でもいい変化で、以前と比べ、売上ベースではありますが約2倍ほどになりました。会社員時代との大きな違いは、自分で仕事を選ぶことができること。良い仕事であれば結果が数字として分かるので、素直にうれしいなと思います。

秋好:なるほど。それでは、藤さんは会社員時代と比べ、収入面の変化はいかがでしょうか?

藤:私が就職した時はいわゆる「就職氷河期」と呼ばれた時代。そのためか会社員になり、なかなか給料が上がりませんでしたね。でも、フリーランスとして独立すると、収入は会社員時代と比べ、1〜2年で約3倍に。もう、「一気にDVDボックス買っちゃおう」みたいな気分になりましたね(笑)。

藤田:私も会社員時代より収入が上がりました。また、最近では意外な仕事が舞い込むようにもなりましたよ。

知り合いのオーナー夫妻がハワイでウェディングを行なうということで、私も招かれたんです。「カメラマンとして来てくれないか」と。私はもともと趣味でカメラをやっていたのですが、オーナーさんはそれを知っていたらしいんですね。現地でカメラマンを雇うと結構なお値段がしてしまうので、「見ず知らずの人にお金払ってカメラマンお願いするんだったら、藤田くんにお願いしたほうがいいね」という話になったんです。それで、オーナーから旅費と当日のカメラ撮影料を受け取り、ハワイへと移動し、仕事を行ないました。

東京ではない地方だからこそ感じる良いところ、悪いところ。

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秋好:では次の質問は、沖縄で生活をし、仕事をする永田さんにお聞きしたいと思います。仕事をするうえでは、パソコンに向かうという点で東京も沖縄も同じです。しかし、実際に生活し、仕事をしていると感じる違いがあることでしょう。具体的に感じるお互いの良い面、悪い面はどういった部分があるのでしょうか?

永田:沖縄などの地方で働こうとした場合、仕事を選ぶことは難しいというか、選択肢が非常に限られてきます。逆に東京だと、仕事相手や仕事の種類など仕事の可能性がたくさん広がっているので、それが当事者にとってモチベーションになる。この点が東京と沖縄の大きな違いですね。

秋好:永田さんご自身の東京と沖縄のクライアント比率はどのような感じなのですか?

永田:沖縄のクライアントが3割、東京のクライアントが7割くらいです。

秋好:東京と沖縄で仕事のクオリティーに違いがあるとのことですが、具体的にどのような違いなのですか?

永田:例えば、Webサイトとか、またはパンフレット制作で写真を使いたいと思う場合、沖縄だとカメラマンを雇うことはあまりしないんです。「もう、これでイイさー」って言われてしまう。ただ、絶対にカメラマンに撮ってもらったほうが良いものができることは間違いないので、少し物足りなさを感じるときがあります。また、地方のクライアントは全国に発信する必要のあるWebサイトを運用するところは少ないので、予算にも大きな違いがあります。

秋好:なるほど。今、奄美大島をフリーランスの島にするという話があるのですが、沖縄ってフリーランスの人口はどれくらいなのですか? また、フリーランス同士がつながりにくいことはありますか?

永田:まず、フリーランスの人口は結構多い。そして、起業する方もとても多い。ただ、その割に倒産する人も全国一多いんです。なぜ、倒産する人が大勢いるのかというと、思いついて計画なしにすぐ行動する人が多いからだと思います。あと、フリーランス同士がつながりにくいなと感じることも正直ありますね。

秋好:ベンチャースピリットにあふれている人が多いけれども、フリーランス同士の交流はさほど見られないということなんですね。なるほど、ありがとうございました。では、藤さんはどうですか? 沖縄から福岡という、東京とも近い大都会。150万人も人口がいるところではありますが。

藤:そうですね。福岡は市から車で10分ほどのところにきれいな海があって、そしてそこから車で30分ほどのところに中心街があるという好立地。その点がすごくいいなって思います。仕事の部分とゆっくりとした暮らしを両立できるのがいい。

あと、福岡とは違いますが、私がハワイで生活していたときにすごく面白いことがありました。私が住んでいた近くにコートジボワール人が住んでいることがあって、ご近所ということもあり、ものすごく仲良くなったんです。それで、「これから会社を作るから、サイト制作を手伝ってほしい」私に仕事の依頼があったんです。

それで、快く仕事を引き受けました。今、自分が制作したロゴがアフリカで使用されていると考えるとすごいなと思います。また、その会社がアフリカの小さい子供たちに教育機会を与えるサービスを展開する会社でして、自分がそんなアフリカの子供たちと接点を持つことができたことはハワイだからこそできた体験。東京だったら、まず体験できなかったと思います。

秋好:ハワイで働くメリットはコートジボワールの人と出会える(笑)。

藤:そうですね(笑)。

秋好:では、地方というか、現在、お住まいの福岡県のデメリットというか、困っていることはどのようなことがありますか?

藤:そこまでないのですが、強いて言うなら勉強会のような場が東京と比べて少ないこと。やっぱり、東京だとたくさん勉強できると思います。

秋好:コミュニティーの問題というのがあげられるわけですね。藤さんご自身は福岡県のクライアント比率はどれくらいなのですか?

藤:全体の10%くらいかなと思います。で、実は大阪府のクライアントが一番多いんです。

秋好:そうなんですね。大阪のクライアントとはどこで出会ったんですか?

藤:はい。それはやっぱりランサーズから。

秋好:ありがとうございます(笑)。ランサーズに出会ったから偶然、大阪が多いということなんですか?大阪の人からの紹介が多いとかではなくて?

藤:そうですね。やっぱり、大阪はビジネス始めようという人が多いのかなと思います。いつも、話してみると、大阪の方だったということが多いですね。

秋好:わかりました(笑)。では、現在、地元の静岡県で暮らす藤田さんは、東京と静岡の違いをどのように感じますか?

藤田:私は東京からも新幹線で1時間ちょっとで着くような場所に住んでいます。静岡といっても自然はすごく豊かです。富士山があって、海も伊豆とかがあって、暮らし面でもすごくゆとりがあっていいなと思います。

ただ、クリエイター目線でいうと静岡はちょっと流行に遅れていますね。東京と比べるとやっぱり追いついていないなという感じで。

秋好:先ほどの永田さんのお話と近い問題ですね。

藤田:そうですね。やっぱりお客さんと話をしていると、お客さんの持っているイメージがちょっと遅れている。やっと、今になってスマートフォンのサイトを作り始めようとかしだしましたし。動き出しが遅いかなという印象を受けます。

秋好:でも、逆に言うと東京の流行を時間差でお客さんに提供できるので、受注側としてはやりやすいんじゃないんですか?

藤田:その点はあるものの、クリエイターとしては地元の仕事には物足りなさを感じます。確かに東京のトレンドを静岡で取り入れたら、静岡ではよい提案になります。そういう面では、いい意味で東京のよさを取り入れて仕事ができるようになったのが良かった点ではあります。

秋好:じゃあ、その他に静岡で仕事をやってよかったと思うのはどういうところがありますか?

藤田:そうですね。私の地元は静岡の藤枝というところなのですが、ちょうど私ぐらいの年齢になると、地元の同級生たちが家のお店を継ぎ始める。そのため、同級生がクライアントになって、私の仕事を依頼するという話も多くあります。やっぱり、顔なじみの依頼だと仕事もすごくやりやすくなる。それが、地元で働くことならではの良い点ですかね。

私は今、静岡にいながら東京の仕事を受けるのはなかなか難しい。でも、ランサーズを利用することで東京のクライアントの仕事が受けれて、静岡にいながら最新のトレンドに触れることができるのはクラウドソーシングだからこそだと思います。

秋好:なるほど。分かりました。ありがとうございます。今回のお三方でいうと、年収の具体的な数字は分からないまでも2~3倍ほどに増えていったり、また好きなように仕事ができたりとぱっと聞くと皆さん「すごくいいな」と感じたことと思います。ただ、なかには自分で一歩踏み込んでみたけども上手くいかなかったフリーランスの方もいらっしゃることでしょう。そんな中で、「こういう人がフリーランスに向いている」「こうすればもっと上手くいく」といった点を、ぜひ、永田さんにお聞きしたいと思います。個人的見解で大丈夫なので、お願いします。

自由と責任は裏表。フリーランスに向いている人、必要なモチベーションとは。

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永田:個人的見解で言えば、自己管理ができる人はいいと思います。フリーランスになると、仕事をどこから手にするのかが一番の課題。その課題を、クラウドソーシングは解決しつつあるので、どんな方にもチャンスというか成功するチャンスはあると思います。

秋好:永田さん個人として、今後フリーランスとして活動するにあたり、課題などはお持ちなのですか?

永田:そうですね。僕は仕事時間を減らしていきたい。

秋好:4時間よりですか(笑)。

永田:他にも趣味だとかに時間を使いたいですね。北海道にも行ってみたいですし、海外で子育てができたらいいなと思ってます。もっと、フレキシブルに。

秋好:ちなみに、今は週何時間働かれているんですか?

永田:週5日間ですね。

秋好:では、1週間20時間をもっと減らして、10時間ほどにするには何をするべきかイメージはありますか?

永田:本当に自分の時給を上げるしかない。あとは作業の無駄をなくしてといったところですかね。

秋好:生産性を上げるということですね。分かりました。では、藤さんはいかがでしょうか? 最初のほうの質問になりますが、実際、このようなフリーランスで自由に働くという生活が向いている人、こうやれば自分らしく働けるのではないかというアドバイスをぜひ、お願いします。

藤:そうですね。やっぱり「自由」という言葉にはすごい、”いい雰囲気”があります。でも、僕が以前勤めていた会社の先輩に言われた言葉で「自由が増えると責任が増える。責任が増えると自由が増える。だから、自由と責任というのは、全く一緒なんだよ」ということを言われて本当だなとすごく感銘を受けたことがあります。なので、責任の部分を喜んで受け入れられるかどうかということが重要だと思いますね。

秋好:その”責任”を受け入れるというのは、何かコツがあるのですか? もう受け入れるしかないのでしょうか。だって、責任って怖いじゃないですか。僕は以前にいろんな人に「責任って何色?」って聞いたことがあるんですけど、「黒」と答える人がほとんどなんですよ。

「白」とか「ピンク」とか「青」という色を答える人は少ないのです。重いイメージをもつ人が、日本だと多いんだなと思いますが、責任の色は何色ですか?

藤:私はブルーですね。

秋好:じゃあ、藤さんはフリーランスに向いている?

藤:僕自身がそうだと思うのですが、向いている人は「好きなことをずっと続けられる人」かなと思っています。僕は作ることが好きだし、写真を撮るのも好きだし、そうやってやっぱ何かを作って人に喜ばれるのが好きなんです。それをお客さんと共有することが私の喜びになり、生きがいになっているのかなと思います。

秋好:ありがとうございます。

本日はちょっと話しづらい経験などもお聞きしたのですが、お三方のフリーランス生活は、日々の工夫と努力の結果、成り立っているということに改めて気づくことができました。

今、日本のフリーランス人口は広義でも1,200万人くらいしかいなくて、労働人口比率でいうと20%弱くらいです。一方でアメリカのフリーランス人口は6,000万人くらいで、労働人口比率でいうと30〜40%を占めます。企業内で見ても、在宅就労をしている人の割合はヨーロッパだと40〜50%。一方、日本は8%ほどしかありません。つまり、まだまだ日本は会社に行かなければ仕事ができないということなんです。

ただ、企業の競争力向上や、また個人の多様な働き方を広げるという観点では、このままの働き方ではいけないと思います。その観点でとらえると、本日登壇していただいたフリーランスのお三方は、すごく未来の働き方を体現している方たちであると思います。

本日、このトークセッションにご参加いただいたお客さんの中には、「別に自分はフリーランスになりたいわけではない」という方も多いことでしょう。ですが、本日のトークセッションを機に、本日ご紹介したフリーランスの方たちのような存在を知っていただき、ぜひ、応援していただければと思います。

本日は、ご静聴いただきありがとうございました。

【「代官山 蔦屋書店×ランサーズ共同企画」トークショー開催のお知らせ】

代官山蔦屋書店デザインフロアーでは現在、「クラウドソーシングで変わる、新しいクリエイターの横顔」フェアを開催しています。
フェアの関連イベントとして、8月22日(土)には、ノマドワーカーとして知られる安藤美冬氏や、ランサーズを通じて “複業”を実践されているクリエイターの方々にご登壇頂き、『複数の名刺を持つ生き方。』について語って頂きます。

トークテーマ:“複業”時代の到来「2枚目の名刺を持つ生き方とは?」
開催日時:8月22日(土)19:00~20:30
会場:蔦屋書店1号館 2階 イベントスペース
定員:50名まで

お申し込みはこちらから!

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