【LOY 10th 記念記事】 ピッチスキルは なぜ重要なのか

【LOY 10th 記念記事】 ピッチスキルは なぜ重要なのか
ビジネスピッチの真髄とは何か、成功への鍵となる技術を解説します。
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こんにちは。堂本です。普段は翻訳や英語学習のコーチング、海外向けサービスのSEOなどをLancersを通してお手伝いさせて頂いておりますが、このたびLancer of the year 10周年のお手伝いもさせて頂くことになりました。具体的には、このLOY 10thというイベントの中で『ビジネスアイデアのピッチコンテスト』を開催することになり、これのお手伝いをさせて頂いております。

その一環で、今回のイベント開催まで、関連記事を更新しております。今回はそもそも「なぜビジネスピッチのスキルが重要なのか」と題して、ビジネスピッチというものについて掘り下げていきます。現代のビジネスシーンにおいて、アイデアは新たな価値を生み出し、社会を前進させる原動力となります。しかし、それらのアイデアを実現させ、人々の心に響かせるには、効果的なプレゼンテーション技術が不可欠です。

 

そもそも「ビジネスピッチ」とは何か?

ビジネスの場において「ピッチ」や「プレゼンテーション」という用語が頻繁に使用されますが、これらの間には一般に意識されている違いが存在します。必ずしも一律の定義があるわけではありませんが、以下のような違いを意識すると、より『ピッチらしい』発表ができるようになるでしょう。

例えばピッチの主要な目的は、聴衆(多くの場合は投資家やステークホルダー)に、あるアイデア、製品、サービス、またはプロジェクトの価値を説得的に伝え、彼らのサポートや資金を得ることです。ピッチはアクションを促進するためのものであり、具体的な結果を求めることが多いと言えます。一方、一般に『プレゼンテーション』でイメージされる発表は、情報の共有や知識の伝達を目的としており、必ずしも具体的なアクションや結果を求めるものではありません。

他にも、プレゼンテーションは特定の顧客に向けて行われるものである一方、ピッチは初めて会う相手や特にターゲットを絞っていない、その分野に興味・知識がもともとはない聴衆に向けて行われる傾向にあると指摘する向きもあります。

加えて一般にピッチは時間が限られていることが多く、情報を短時間で効果的に伝える技術が求められます。特にスタートアップのピッチイベントなどでは、数分間でアイデアを伝える必要があります。これを実現するため、自分のビジネスのコアバリューや価値提案、ミッション、ビジョンなどについて、より深く理解しておくことが重要です。つまりピッチがいつでもできるということは、それだけ自分のビジネスについての理解が深いということであり、自分のビジネスを端的に言い表す表現を常に備えているということでもあります。

 

いつか来る15分のために、常に準備しておくこと

プロとアマチュアを分ける線をどう引くか。その輪郭の取り方は人それぞれですが、堂本がひとつ指針としている言葉があります。それは、デザイナーの奥山清行さんの、『いつ来るか分からない15分のために常に準備をしているのがプロであり、来ないかもしれないからと言って準備をしないのがアマチュア』であるという言葉です。

ビジネスをしていると、自分がまったく予期していなかった瞬間にチャンスが訪れるということも珍しくありません。例えば異業種交流会やカクテルパーティなどに参加したとき、たまたま席が隣だった人が、組織内で何らかの決裁権を持っている役員であるということもあったりするでしょう。そんな人が、「あなたは何をされている方ですか?」と訊ねてきたとします。このときにどれだけ印象的で、かつ自分のビジネスを端的に言い表した分かりやすい言葉を返せるかで、その後の展開が大きく変わってくるということもあるでしょう。あるいはもしもそこから『少し詳しくお話を頂けますか?』と言われたとき、さらに与えられた5分でどれだけ自分のビジネスについて明確に説明できるでしょうか。

ビジネスピッチのスキルが求められるのは、こうしたふとした瞬間のチャンスを逃さないためであると言えます。ある程度の口上を用意しておくのも良いでしょう。あるいはビジネスのコアバリューを正しくかつ正確に理解できていれば、その場で即興でも良い表現が出てくるかもしれません。

そして効果的なピッチは、プレゼンターの自信とプロフェッショナリズムを反映する場でもあります。あなたが自分のアイデアに自信を持ち、熱意を持ってプレゼンテーションすることで、聴衆もまたその情熱を感じ取り、あなたやあなたのビジネスに対する信頼を深めることができます。

あえていうなら、ビジネスピッチが常に可能な状態に自分を備えておくことは、プロとアマチュアを分けるひとつの要素にもなり得ると言えるのです。

 

本格的なプレゼンテーションの土台となる

ビジネスピッチとプレゼンテーションは分けて考えることができると最初にお伝えしましたが、ビジネスピッチができるようにしておくことは、いざ本格的なプレゼンテーションが必要なときにも役立つことです。

ビジネスピッチとは、端的に言えばアピールの場です。そしてプレゼンテーションの場とは、アピールの場であることと同時に、相手が求めている情報を分かりやすく伝える場でもあります。つまりビジネスピッチについて造詣を深めておくことで、プレゼンテーションの場においても、ブレがない発表をしつつ、自分が持つ情報をどのように見せるかに集中することができます。基本となるコアバリューや価値提案が既に明確な状態であれば、それを『どう伝えるか』を考えるのがプレゼンにおける真髄だからです。

多くの人はコアバリューや価値提案について充分な理解がないため、一貫性を感じにくいプレゼンをしてしまう傾向にあります。その点をクリアにできるだけでも、こうしたことを意識しておくのは価値があると言えるでしょう。

 

最後に

ビジネスの世界は、常に変わりゆく環境の中で新しいアイディアや取り組みを求められる場です。その中で、ビジネスピッチのスキルを磨き、プレゼンテーションの質を高めることは、成功への道を拓く大切な要素のひとつです。

プロとして普段の業務や活動の中で取り組むべき内容や課題は多岐にわたりますが、その中でもコミュニケーションの技術や表現力を磨くことの重要性は特に強調されるべき点です。ピッチやプレゼンテーションのスキルを高めることで、自分自身のビジョンやアイデアを他者に伝え、共感を得るチャンスをより得ていくことができるのです。

【執筆者】堂本秋次
https://www.lancers.jp/profile/AkitsuguDomoto
・Lancer of the year 2016 / 2022をW受賞
・メインでは翻訳家やSEOの専門家、英語学習の専門家としてお仕事を頂いております。
・メイン以外でもプロジェクト管理やSEOマネジメントなどのお仕事を頂いております。
・例えば上記の記事のような内容をそのままSEOワードを取り込んで英語で書くようなことも可能です。
・YouTubeもやったりしています。

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