クリエイターの力を最大限発揮したい。そのための環境がココにはあります。 | co-lab渋谷アトリエ

クリエイターの力を最大限発揮したい。そのための環境がココにはあります。 | co-lab渋谷アトリエ
渋谷区・宇田川町にあるクリエイターの仕事場、co-lab渋谷アトリエを紹介します。デザイナーや建築家などクリエイターを中心に、20代前半から70代まで幅広いメンバーが所属するco-lab渋谷アトリエでは、仕事のスタイルも人それぞれ。個人作業に集中するときもあれば、メンバー同士が「コラボ」し、協働して制作することもあります。そんなco-lab渋谷アトリエの魅力について、コミュニティ・マネージャーの佐藤千秋さんにお聞きしました。
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クリエイターの集合知を生かし、新しい価値や表現を生み出していきたい。

渋谷駅から徒歩7分。井の頭通りから一本路地裏に入ったところにco-lab渋谷アトリエはあります。ミモザの木が茂り、オレンジにペイントされた外壁が印象的なエントランスを入ると、ファシリテーターが受付でお出迎え。

3階まで広がるフロアには、個人利用のフリーアドレスデスクや、複数人利用のブースやルームがあります。また、メンバーで持ち寄った機材を共有利用できる「デジタルファブリケーション工房」も整備。オープンスペースでお互いに刺激を受け合いながら、作業をしています。

そもそも「co-lab」は2003年にデザイナーや建築家、アーティストなど異業種のクリエイターのためのコラボレーション・スタジオとして六本木で発足。クリエイターの集合知を通して、新しい価値や表現を生み出すことを目指しています。現在、渋谷アトリエ以外にも、代官山・千駄ヶ谷・西麻布など都内6箇所に展開。総勢350名程のネットワークとなり、クリエイターの輪は着々と広がっています。そんなco-lab渋谷アトリエの魅力と特徴を佐藤さんとのインタビューを通じて、紹介していきます。

『Co-labアトリエ渋谷』 ワークスペース情報
場所:東京都渋谷区宇田川町42-6
料金:ブース(3~12m2)月額 40000円 / 1名用~ 計35ブース(1人〜4人掛け用)
      アトリエ(9~22m2)月額 100000円 / 3名用~ 計9部屋(3人〜8人登録可能)
      フリーアドレス月額 15000円/ 1名用~ (郵便受け取りする場合、プラス10000円)
 
共用スペース/ワークショップスペース:4人掛け用 / 12テーブル、各種機材を有料利用可
ミーティングルーム:3部屋(6人/8人/10人掛け用)
電源:◯
WiFi:◯
シャワールーム:◯
特徴:作業場は1名用、複数人用と多様なブースを用意。共有工房ではデジタルミシン、3Dプリンター、レーザーカッターなど完備している。

クリエイティブな思考をもった様々なジャンル・年代の方が活動しています。

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-デザイナー、建築家、アーティストと多様なクリエイターが利用しているとお聞きしましたが、契約する際、条件などはあるのですか?

ご契約前に、どういった志向性の方か入会審査を行なっています。クリエイター専用と謳っていますが、現在のメンバーにはコンサルタントや士業、研究職の方もいらっしゃいます。クリエイターって定義が難しいと思うのですが、実際にクリエイションで手を動かしている方以外に、「クリエイティブな思考で仕事をしている方」もクリエイティブワーカーとしてメンバーにお迎えし、いい塩梅にダイバーシティとコミュニティの質の維持を両立しています。

メンバーは、どなたも個性的で各分野のトップランカーが多くいらっしゃいます。例をあげると、世界的に活躍するプロダクトデザイナーや建築家、メディアアーティストなどなど。質の高いメンバーが集まることによって、ピア効果を生み、さらに高質なアウトプットが生み出しつ続けられる環境になっています。

案件に合わせ適任のメンバーをアサイン。co-lab内でも仕事がまわっています。

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-ホームページで紹介している「クリエイティブ・ディレクション機能」とはどのような機能なのですか?

クリエイティブ・ディレクション機能とは、co-labとしていただいた案件に対して、co-labでプラン設計、適任のメンバーをキャスティングし、クリエイティブディレクションやプロジェクトの進行管理、納品までを行なう仕組み。co-labのクリエイティブ・マネージャーがプロジェクトのコーディネートを行ない、仕事を進めていきます。また、メンバー個人が請け負った案件や、外部からのお問い合わせで、「こういうことがしたいんだけど合う人はいますか?」と聞かれ、ご紹介だけすることもあります。

そもそも、なぜ「クリエイティブ・ディレクション機能」が生まれたかというと、co-labの真髄はクリエイターの集合知を享受できるところにあり、また内部で仕事が回ることで質の高いもの同士が互いにより高め合うピア効果を促進するからです。これだけ、多様なクリエイターが集まっているので、課題を投げ込めば、何らか解決できるメンバーは必ずいます。それだけの多様性と質、またそういったお仕事から生まれるセレンディピティ的な出会いも場の魅力の一つです。

生き物って自然と成長し、変化し、環境に適応していくじゃないですか。私たちが目指しているのは「生態系」のような有機的でリベラルだけど、質の高いクリエイティブなコミュニティなんです。

オリジナルな発想はco-labならでは。捨てられていた「い草」が革新的な製品になりました。

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-実際にCo-labメンバーで取り組んだ仕事はどのようなものがあるのですか?

co-labメンバーで取り組んだ仕事で印象的だったのが「TATAMO!」プロジェクト。2010年ごろのことです。熊本の畳屋さんからのご依頼で、これまで廃棄していた70〜90cmのい草を使い、革新的な製品を作って欲しいと….。

そこですぐ頭に浮かんだのが、先ほども説明した世界的なプロダクトデザイナー。素材開発から販売までをディレクションする日本では先端的な活躍をされている彼の製品を中核に、サイト制作、パンフレット制作などもメンバーや外部の関係者から適任の方をアサインし、総合的なブランド開発を進めていきました。

結果として生まれたのが、い草を使用したフローリングやヨガマット、花器など畳屋さんも思いつかないイノベーティブな製品でした。今では、TATAMOを使ったソファを美術館の共有部に。TATAMOフローリングは住宅や保育園のプレイスペースなどと様々な場所でご利用いただいています。

クリエイティビティは日本の大きな原動力。クリエイターの存在が街に波及し生む変化。

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-Co-lab自体、都内の数カ所で運営していますが、今後も様々な地域に展開していくのですか?

co-labは2003年に六本木でスタート。現在では都内6箇所でシェアオフィスやスペースの企画運営を行なっています。もともと建築を学び、メディアアートの領域でも活動してきたco-labの企画運営代表の「アートによって課題提起し、デザインによって課題解決する」という意図もあり、アート作品的にco-labが始まったところがあります。

それぞれの地域のco-labで事業主が異なり、求められる役割によってコンセプトも異なりますが、街にクリエイターが集まる場所を作ることで、なにがしか周辺地域にポジティブな波及が生まれるのではないかと思っています。

今後、東京の城西地域だけでなく日本の各地域に派生し、その土地ごとの課題解決の一役を担いたいと考えています。その手始めとして、今年3月にオープンした両国・錦糸町の「co-lab墨田亀沢:re-printing」では、印刷業をはじめとする墨田地域のものづくり地場産業とクリエイターが結びつくことで、新たな産業を生み出していくことを目標として、独自プロジェクトやイベントを開催しています。まだ、動きとしては小さいですが、こういった活動を重ね、クリエイティブの力で日本中の課題解決ができたら嬉しいです。

最近クリエイターの方をはじめ、あらゆるリソースの東京一極集中から、地方へとリバースする動きが徐々に出てきていますよね。地方や都会の垣根なくそれぞれのローカルの素晴らしい文化や産業にクリエイターが浸透し、自分の街の社会問題を解決する。co-labが目指す方向はクリエイティブを通じ、社会の課題を、ポジティブな可能性に変えていくところにあると思っています。

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