あなたはノマドワーカー?それともフリーランス?|ノマドvsフリー 世紀の大決戦

あなたはノマドワーカー?それともフリーランス?|ノマドvsフリー 世紀の大決戦
ノマドワーカーという言葉が、数年前から流行りだしました。その以前から、フリーランス(フリーランサー)という呼び名で働く人たちがいます。ふっと疑問に思うのが、ノマドワーカーとフリーランサーは違うのか。どちらが強くて、どんな基準で使い分けられているのか。知っているようで知らない、ノマドとフリーの違いについて調査しました。
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ノマドワーカーとフリーランサーって、どっちが強いの?

ノマドワーカーと同義として思い浮かべる人が多いフリーランス・フリーランサー。企業に属することなく仕事をするわけですから、同じ意味だと思われがちです。

なんなら、フリーランサーのほうが強そうだし格好いい?ノマドワーカーのほうが柔らかい印象で可愛らしい?このような印象で使い分けている人が、きっといるはず!

そこでノマドワーカーとフリーランサーの違い、ノマドワーカーとフリーランサーはどっちが強いのかをはっきりさせてみようと思います。ノマドvsフリーの戦いが、いま始まりました。

野球チームとサッカークラブは同じ土俵で戦えるのか

戦いを始める前に定義しておきたいことがあります。ノマドワーカーとフリーランスは同じ人々を指し、呼び方が違うだけなのか。本当に、格好いいとか可愛いで選んで良いものなのでしょうか。

もしかしたら、根本に違いがあるかもしれません。それを知らずに戦いを始めても、まるで「ニューヨーク ヤンキースとレアル マドリードはどちらが強いのか」という不毛な論争になるかもしれない。

不安になってきたので、まずはそれぞれの言葉の定義を調べてみます。

ノマドワーカーってどんな働き方・働く人?

「ノマドワーカー」「ノマド」という言葉を聞くようになったのは、2009年頃からでしょうか。語源は英語の『nomad』であり、その意味は遊牧民のことを指しています。それが派生して、遊牧民のような仕事のスタイル、および働く人のことを「ノマド」「ノマドワーカー」と呼ぶようになったのです。

遊牧民とは、牧畜を生業として、乾燥地帯や砂漠地帯を移動しながら生活する人々のこと。定住する土地を持たずに、牛や羊など家畜とともに、水や草木を求めて移動しながら生活をします。

特定の場所、企業や組織に属することなく、移動しながら仕事をする働き方・働く人たちが、遊牧民になぞらえてノマド、ノマドワーカーと名付けられました。

ノマド

一方で、会社や組織に属しながらも、自由な場所で仕事をする人のことも含める考えがあります。所属する会社のオフィスがありながら、自分用のデスクを持たない人など、いわゆる『ノマド的』な働き方をする人のことです。

極限まで広義に捉えれば、フリーアドレス制の会社で働く人のことも、ノマドワーカーと呼べるかもしれません。『社内ノマド』なんて言葉が流行る日がくるかも?

※ちなみに有名ノマドワーカーである安藤美冬さんは、「ノマド(遊牧民)」ではなく「サテライト(衛星)」と定義しています。

「組織という本体から離れて存在するという意味で使っています。住む場所も仕事も自分に合わせて、居たい所に居る(笑)。自由だけど、流されない覚悟の働き方」(asahi.com:就職・転職ニュースより引用)

フリーランスってどんな働き方・働く人?

フリーランスという言葉を聞くようになったのは、いつからでしょうか。ノマドワーカーよりも以前から、会社から独立して個人で働く人のことを形容していたように思います。

語源は英語の『freelance』であり、特定の企業などに専従せず、自分のスキルを提供することで対価を受け取る個人事業主や個人企業法人を指しています。請け負った業務を遂行する人のことを、『フリーランサー』と呼び、『フリー』という略称を用いることもしばしば。『フリー』=『自由』という言葉が頭に浮かんでくる人も多いでしょう。

確かにどこの企業にも属していない、縛られていない人のことを指すわけですから、自由な人という認識もある意味では間違っていませんね。

そもそもフリーランスという言葉が登場したのは、1820年に発表された歴史小説の中だと言われています。戦時になると臨時で雇われる傭兵のことをフリーランスと呼び、特定の主従関係を持たない人のことでした。

中世ヨーロッパの時代ですから、いわゆる甲冑に身を包み槍や剣、弓を駆使して戦う騎兵隊を思い浮かべれば正解です。前述の小説の中では、戦時になると槍を携えて契約した国や王様のために戦う人、独立した槍=フリーランスと呼んでいたそうです。

実は違う、ノマドワーカーとフリーランサー

ノマドワーカーとフリーランスの定義を考えてみました。すると、どうでしょう。実は定義上に大きな違いがあることに気が付きました。

ノマドワーカーとは、遊牧民のように定住せずに働くこと。フリーランスとは、特定の主従関係を持たずに契約に基いて戦う人のこと。

つまりそれぞれ意味していることが違い、ノマドワーカーは仕事を行なうスタイルを指し、フリーランスは仕事を行なう契約のことを指しているのです。

ノマドワーカー=会社の所属に限らず、特定の会社・場所にとらわれない仕事のスタイル

フリーランサー=会社と距離を置いて、案件・依頼単位で契約し業務を遂行する仕事の受け方

つまり、どちらが強いとかの問題ではなく、戦わせること自体が無意味。特定の職場を持たずに、かつ仕事単位の契約で働く人であれば、ノマドワーカー兼フリーランサーという肩書(?)を名乗ることも可能です。

どちらの呼び方・働き方を行なっていても、これまでの『会社に雇用され、自社の業務を、勤務先で行なう』働き方とは違う、新しい働き方であることに違いはありません。

ノマドワーカーとフリーランサーの戦いは、こうして決着がつかぬまま終戦を迎えたのであります(そもそも開戦もしていません)。

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