病院で支払った医療費は確定申告で控除される!?

病院で支払った医療費は確定申告で控除される!?
毎年春先になると電卓片手に悪戦苦闘している人の姿を数多く見かけるようになります。これは2月16日から始まる確定申告の準備に追われるの図、です。ところでサラリーマンでも病院に支払った医療費が確定申告で戻る場合があるということをご存知ですか?
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確定申告と医療費控除

医療費とは病院やクリニック(歯科も含む)に窓口で支払った自己負担金のことです。これが一定の条件を満たせば確定申告することで控除される制度が「医療費控除」になります。

これは節税対策としてかなり有効なので知っておいて損はないでしょう。では、まず医療費控除が適用される条件について調べてみましょう。医療費控除を受ける条件には「生計を一にする自分と家族、または親族のために支払った医療費」が対象となります。

つまり、医療機関で保険証を使った保険診療の自己負担額が医療費控除の対象となることになります。ただし、他にも諸条件があるので以下にできるだけわかりやすく説明していきましょう。

家族合わせて病院で年間10万円以上支払っていたら要チェック

医療費控除は年間の世帯当たりの医療費が10万円以上であれば200万円を上限に認められています。しかし、ここには注意しなければならない点がいくつかあるのでそれを紹介していきましょう。

まず、医療費というのは「保険診療の自己負担額」なので「保険証を使って医療を受けた場合に限定」されることになります。したがって診断書の発行や人間ドック、インフルエンザの予防接種など保険がきかない医療行為の場合は医療費控除の対象にはならないので注意してください。

また生命保険などの任意保険から一時金が支払われた場合はこれを差し引いた総額が1年分の医療費となります。ただし、出産は原則として自由診療(健康保険の適用外)ですが、例外的に医療費控除として認められています。

出産に関する医療費には通院代(交通費)も含まれてるので、タクシーを使った場合は領収書を、それ以外の電車やバスに関しては家計簿が有効になるので必ずチェックしておくようにしてください。

ここでいう「病院等の医療機関」には病院、クリニック、歯科医院の他にも鍼灸治療、指圧、あんま、接骨院も含まれますが控除の対象となるのはあくまで保険証が使える範囲になります。

確定申告での世帯の解釈について

ここで重要な点について説明していきます。まず、「家族合わせて10万円以上」と述べましたが、夫婦共働きが増えた昨今、世帯が同じでも夫婦で別個の社会保険に加入しているケースが増えているという点です。

もし、配偶者が保険証上の扶養家族ではなく、勤め人で他の社会保険に加入している場合は年間の医療費からは差し引かなければならないということです。

基本的には健康保険の登録内容に従って本人と家族(扶養家族)の医療費は年末調整で控除済みとなっているはずです。しかし、年末調整は12月半ばまでには終了しているので、年末調整後から確定申告の対象期間となる12月31日までに病院にかかった場合の医療費について別途確定申告することになります。

このときは別の健康保険に加入している配偶者分については、個別に確定申告するほうが妥当でしょう。ただし、申告時にその旨を伝えておけばまとめて一括申告も可能なので、その辺は申告のときに担当してくれる税理士に質問してみると良いでしょう。

個人事業主が確定申告をする場合は?

個人事業主の場合は源泉徴収や年末調整がないので、基本的には白色申告による確定申告を毎年行なうことになります。

このとき家族の中で勤め人がいた場合には、その人が使っている社会保険の方で年末調整時に医療費控除が計算され、大晦日までの医療費控除については別途自分で青色申告をしてもらった方が面倒が少ないですね。

なので個人事業主の場合は「基本的に国民健康保険の筈」ですので、家族の中で国民健康保険を使っている人の分だけ確実に病院にかかったときの領収書を保管しておくようにして、確定申告時に医療費控除も申告するという流れになります。

病院・診療所・歯科以外の医療機関の医療費控除について

冒頭の方で「病院、クリニック、歯科医院の他にも鍼灸治療、指圧、あんま、接骨院も含まれます」と述べているので、この点についてもう少し掘り下げた説明をしていきたいと思います。

医療費控除の対象が出産を除いては保険診療の範囲内に限定されていることはすでに述べた通りです。ただし、鍼灸治療、指圧、あんま、接骨院であっても保険証が使える傷病については医療費控除が受けられるので、必ず領収書やレシートは保管しておきましょう。

国民健康保険の場合は特にです。ただし、交通事故に関しては保険証を使う場合に第三者加害届けを出して保険者(会社の場合は組合や社会保険事務所、国保の場合は自治体の国保連合会)が了承の上で例外的に保険診療が認められます。

医療費負担を加害者側に請求している場合は生命保険の一時金と同様の扱いとなり、医療費控除の対象にはならないので注意してください。

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