業務委託で基本契約を結ぶときはここに気をつけよう!

業務委託で基本契約を結ぶときはここに気をつけよう!
フリーランスとして働いていると、「業務委託を結びませんか?」と言われることがあるかもしれません。でも、そのまま基本契約を締結してしまうと、知識がないために不利な内容になることも。気をつけたい内容について、きちんとおさらいしておきましょう。
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業務委託契約、甘い言葉の裏には落とし穴があるかも!?

日々の収入が不安定なフリーランサーにとって、ある一定の収入を見込める可能性がある業務委託契約は、もしかしたらとても魅力的なものに映るかもしれません。

でもちょっと待って! 「業務契約を結びましょう」と言われて、渡された契約書の内容も確認せずに契約を結んでしまうのは絶対に避けたいもの。フリーランサーは会社が守ってくれるわけではありませんから、内容を吟味せずに契約を結ぶなんてもってのほか。

必ずしも自分にとって有利な契約内容だとは限らないのですから、契約書に記載されている契約事項はきちんと確認し、疑問点はすべて解消して納得してから契約するのが鉄則です。

その業務委託契約、自分と企業は対等ですか?

一般に、業務委託契約は企業同士で結ばれることが多い契約です。それではなぜ会社と個人との間で業務委託契約を結ぶ必要があるのでしょうか。

主な理由は、契約によって企業が専門性の高い人材を確保できるから。それに加えて、企業側からすれば人件費を節約できるというメリットもあります。

ただ、企業側のメリットは、フリーランサーにとってはデメリットにもなりかねない点でもあることはおわかりですよね。会社と個人との間で労働契約を交わしたら当然発生する社会保険や雇用保険、有給休暇などが、業務委託契約では一切発生しません。会社にとって有利な契約になることが多いため、契約の際には十分気をつけましょう。

どんなときに基本契約書が必要になる?

それを踏まえた上で業務委託契約を結ぶ際、「業務委託基本契約書」という契約書を取り交わすことがあります。基本契約書は、企業と個人の間で同じ取引が何回も繰り返して行なわれ、関係が長期に渡りそうなときに、取引全体に共通する基本的なルールについて記載してあるもの。

その上で、詳細な内容については、別途業務委託契約書を交わすというのが通常のやり方です。つまり、基本契約書に書いてあることが、契約におけるすべてのベースになると言えるのです。

ページ数の多いホームページ制作や新しいソフトウェアの開発など、時間がかかり、仕様が多岐に渡る仕事については、基本契約書を交わしておいて、段階を追って個別の業務委託契約書を結んでいくことが多いそう。

もし「今契約している仕事先の業務委託契約書ばかりが増えていく……」という方は、基本契約書の取り交わしについて提案してみるのもいいかもしれませんね。

基本契約書にはどんなことが書いてある?

それでは、基本契約書には、一体どんなことが書いてあるのでしょうか? あくまでも「基本」ですから、契約の目的や業務内容、契約期間、基本的な業務のフローや報酬の支払い方法などについて書いてあることが多いので、間違いがないか確実にチェックしましょう。

また、著作権などの権利が絡む場合は、権利や義務の譲渡についても記載があるかもしれません。仕事が完了したあとにトラブルになることのないよう、契約を結ぶ個人側も、確認しておくべき項目について予め洗い出しておく必要があります。

契約書の表現について曖昧なところがあったら、そこもきちんと確認を! 解釈に齟齬が生じると、せっかく気持ちよく仕事をしても、後味の悪い思いをすることになってしまいかねません。

お互いが納得できる契約書を取り交わすため、自分でも勉強することが必須です。

基本契約書はここも必ずチェックしよう!

「契約なんて難しくてよくわからないし、内容が合っていたらそれで捺印して終わりにしたい」と思う方も、もしかしたらいるかもしれません。

気をつけていただきたいのは、契約書には収入印紙が必要ということ。収入印紙の有無によって、契約の効力が変わることはないと言われています(あくまで印紙は税務上の義務のため)。

しかし、印紙税法に定められている過怠税の徴収や、故意に収入印紙の貼付を怠った場合は刑罰規定の対象となり得るのです。

額面は一律4,000円と決まっていますが、契約期間が3ヶ月以内と比較的短く、更新の定めのないものは対象外となり、200円の印紙が貼ってあればOK。自分の契約がどちらに当てはまるかによって、貼ってある印紙の金額が合っているかを確認しましょう。

また、報酬の支払期日がいつになっているかもチェックポイントのひとつ。業務を完了してから60日を超えて報酬が支払われないと、下請法に違反する可能性があるためです。何をもって業務の完了とし、締め日がいつで、支払いのサイクルがどうなっているのかも把握しましょう。

業務委託契約を交わすということは、発注者側でも自分の能力を買ってくれているということの証。これから良好な関係を続けていくためにも、お互いが納得できる基本契約を結びたいですね。

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