個人事業を廃業する際の事由とは?

個人事業を廃業する際の事由とは?
本業であれ、副業であれ、個人事業を立ち上げた場合には登録が必要です。そして登録した以上、何かしらの理由で廃業する場合にはきちんと理由を添えて登録した場所(所轄の税務署と都道府県税事務所)に所定の「廃業届」を出す必要があります。この廃業する理由のことを通常は「事由(じゆ)」と呼びます。
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個人事業廃業の事由にはどんなものがあるの?

一般的な法人格(株式会社等)の場合、廃業する事由としてもっとも多いのは業績悪化です。しかし、個人事業の場合はそれ以外にも健康上の理由や家族の問題など、もっと個人的な事由が考えられます。

またそれまで個人の事業として営利活動を行なっていたものを株式会社などの法人格に格上げする場合も、個人事業廃止の事由に該当しますので、必ずしもネガティブな内容ばかりではありません。

いずれにしても今の業態で事業の継続が困難となった場合には「廃業届」を提出して受理された時点で事業の廃止が決定するということになりますので、税金を払い続けなくて済むように届け出は速やかに提出するようにしたいものです。

廃業届の提出方法について(一人事業の場合)

個人事業廃業届の提出は所轄の税務署と都道府県税事務所の二箇所ですが、所轄の税務署に届け出を出しておけば都道府県税事務所についても手続き終了となるのが一般的です(地域差はあるかもしれませんので事前確認を忘れずに!)。

税務署に提出する必須の書類は「事業開始(廃止)等申告書」で、提出するタイミングは事業を辞めてから一ヶ月以内という決まりになっています。書式(書類)は税務署で入手することができます。

これ以外にも青色申告をしていた事業所の場合は「青色申告の取りやめ届出書」を、消費税を納税していた事業所は「事業廃止届出書」の提出が必要です。

上記の書類のうち、個人事業廃止の事由を記載するのは「事業開始(廃止)等申告書」であり、記載する箇所は「廃業の事由が法人の設立に伴うものである場合」というところですので、事業所が法人格でない場合は記載の必要性はありません。

廃業届の提出方法について(従業員がいた場合)

ここまでは一人で事業を行なっていた場合の廃業届の提出方法でしたが、従業員やアルバイトなどがいて、給料を支給していた事業所の場合、さらに「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出書」、加えて予定納税(事前納税)を行なっていた場合には「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書」(・第1期分及び第2期分の減額申請→廃業する年の7月1日から7月15日までに提出/・第2期分のみの減額申請→廃業する年の11月1日から11月15日までに期限必着で提出)も合わせて提出します。

このように事業所としての規模が大きくなると手続きはそれだけ煩雑になりますので、これは個人事業を開始するに際して覚えておいた方が良いでしょう。

廃業届を提出するベターなタイミングとは?

これまでの説明の通り「個人事業の開業届出・廃業等届出書」を提出する期限というのは「廃業してから一ヶ月以内」という決まりがあります。しかしながら、その後も事業に関連する様々な費用が発生する可能性があることには注意が必要です。

所得税法上、事業の廃止が受理された後に発生した費用についての控除は認められていません。したがって、できるだけ多くの費用を経費で計上させるためには年末に近い方が有利であるといえます。

法人化していない個人事業なら廃業届の提出はそれほど手間のかかる作業ではありませんので、事業所を完全にたたんでから余裕を持って書類を提出するのが良いでしょう。

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