フリーランスにこそ必携ビジネスマナー

フリーランスにこそ必携ビジネスマナー
ビジネスマナーと聞いて「フリーランスは関係ない」と思ったあなたは要注意です。クライアントの信用力を高めるためには、ビジネスマナーこそが必要なのです。では、どのような点に気をつければよいのでしょうか?そのポイントを解説します。
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フリーランスもビジネスパーソン

“雇われない生き方”,”自由な生き方”として、「ノマド」などの言葉と共に、最近特に注目を集めているフリーランスの働き方ですが、「ビジネスパーソンである」という認識は極めて重要です。むしろ、フリーランスだからこそ、そういった認識を常に持ち続けなければなりません。

その理由は「信用」に尽きます。会社に所属する場合であれば、ある程度の信用は会社が背負ってくれます。そして、会社の肩書きで仕事を進めることができます。もちろん、会社の信用が全てではありませんが、このような場合と比較した時、フリーランスにはそういったバックグラウンドが存在しません。

フリーランスの仕事においては、全て責任はフリーランスにあり、全ての信用はフリーランスが背負っているのです。フリーランスが信用を失うことは、そのまま仕事を失うことにつながります。

フリーランスは、生き方こそフリーかもしれませんが、ビジネスについてフリーではいられません。人と人のつながりで仕事をするという意味では、会社員と何ら差はないと言えるでしょう。要するに、責任と信用の全てを自分ひとりが背負うフリーランスは、自分がビジネスパーソンであることを常に意識しなければならないわけです。

ビジネスマナーは全ての基本

「気持ちよく仕事がしたい」、誰もがそう思っています。確かに、成果主義という言葉はありますが、それはビジネスマナーが前提としてあって初めて成り立つものです。

クライアントの納得する成果物、良い成果物を納品さえすれば、後の付き合いはどうでもいい……それではフリーランスにとって極めて重要な「信用」を得ることは難しいと言えます。

また、ビジネスマナーはフリーランスに限った話ではなく、働く人にとって基本とも言える話です。あいさつ、お礼、お詫び……当たり前のことかもしれませんが、色々な連絡手段が普及した現代においては、そういった“当たり前”が崩れつつあるように思われます。

昔であれば、面談が主なコミュニケーションの手段でした。相手の生の顔を見て、生の声を聞いて仕事を進めていれば、自然とビジネスマナーが身についたものです。しかし、現代では、メールや電話で、相手の顔を見ずに仕事を締結まで進めることが可能になっています。そういった背景から、どうしてもビジネスマナーにおける学びの機会が失われつつあるのは、事実です。

ここでは、非対面のコミュニケーションを否定しているわけではありません。コミュニケーションの手段が多岐に渡るからこそ、「様々な手段に対応したビジネスマナーを身に付ける必要が出てきた」ということです。

性質上、面談と電話が近似していて違うように、面談とメールも違います。それぞれに応じたビジネスマナーの基本を習得することが、フリーランスが活躍していく上で必要なことだと言えるのです。

マナーレベルで信用力はどれだけ違うか

マナーには数値のような基準はありませんし、相手の信用を数字にすることもできません。 ただ、その信用を測る基準は存在します。それは「レスポンス(反応)」と「発注頻度」です。

フリーランスが適切なビジネスマナーでコミュニケーションを発信すれば、相手も信用をもった反応を返してくれる可能性は高まります。人間は、受けた印象と同じ印象で相手に反応するという習性を持つと言われています。

クライアントから気持ちの良い連絡が続けてくるのであれば、フリーランスのビジネスマナーに大きな間違いはなく、また先方が信頼してくれるものと判断できます。逆に「ちょっと気分悪いな」というクライアントであれば、それはフリーランスのビジネスマナーにも問題があるからかもしれません。

そして、発注頻度は、これは極めて単純な「心情」の問題です。もちろん100点のフリーランスと30点のフリーランスであれば、少々ビジネスマナーが悪くても100点のフリーランスを選びます。

ところが、80点と70点くらいの差であれば、一緒に働いて気持ちの良い方を選ぶのが人というものです。   クライアントの立場に立って考えてみてください。ビジネスマナーも良くコミュニケーションも円滑に進むわけですから、一定の基準さえクリアしていれば、この程度の差は逆転してしまうかもしれません。

技術・実績が横並び、もしくは僅かな差だった場合、決め手は「信用」です。そしてその信用は「ビジネスマナー」によって決まってしまうのです。基本、フリーランスは仕事案件を自身で獲得しなければならない立場。マナー面で差がつき、案件失注を重ねることがないよう注意しなければなりません。

適切なビジネスマナーとは

ビジネスマナーも多岐にわたりますが、最低限押さえるべきは「あいさつ・お礼・お詫び」と「報・連・相(ホウレンソウ)」です。面談・電話・メール、どんな手段であろうと、あいさつやお礼、そしてお詫びなどができるかという点は、相手の印象を大きく左右します。

あいさつ等は、本当に小さなことかもしれません。 面談で「おはようございます、今日はよろしくお願いいたします」 電話で「本日はありがとうございました」 メールで「平素は大変お世話になっております」

「それは当たり前でしょう」と思った方、どんな時も、どんなクライアントに対しても、同じような対応をされているでしょうか?

忙しい時/急いでいる時、相手の印象が良い時/悪い時などで姿勢を変えたりしていないでしょうか?そういった姿勢ではいつか肝心な時にブレが出ますし、クライアントとの信用を構築するのにも時間が掛かったり、難しかったりするはずです。あいさつ等の姿勢にブレがないこと、これは適切なビジネスマナーの基礎だと言えます。

そして「報・連・相」。これも押さえるべきビジネスマナーです。報・連・相で大切なポイントは、“タイムリー”に伝えるということ。自分にとって不利な話でも、できるだけ早く伝えることが、状況の回復と後々の信用につながります。

また、例えば長期の案件の場合に定期連絡をすることも、クライアントの信用を得るポイントのひとつと言えるでしょう。

信用とは、適切なビジネスマナーを含めたコミュニケーションの上で成り立つものです。 そしてコミュニケーションは、相手のことを考えなければ、決して円滑に回りません。ビジネスマナーとは、クライアントの信用力を高めるために決して欠かせない事項のひとつなのです。

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