フリーランス必見! コワーキングスペース利用料の勘定科目について解説

フリーランス必見! コワーキングスペース利用料の勘定科目について解説
フリーランスとして活動なさっている方の中には、仕事場としてコワーキングスペースを活用している方も多いのではないでしょうか。今回はコワーキングスペースの利用料や付帯設備の費用などの勘定科目の取り扱いについて解説します。
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コワーキングスペース利用料は経費になる?

事務所を持たないフリーランスは、仕事場としてコワーキングスペースを活用することが多くあります。自宅で仕事を行っている人も多いですが、コワーキングスペースを活用する事で生産性向上が見込めます。

コワーキングスペースの利用料は、経費として認められますが、入会金や月額利用料、ドロップインの利用料などの勘定科目が異なるため記帳は複雑になります。

この記事では税理士紹介26年の株式会社ビスカスが運営する税金情報サイト『マネーイズム』の編集部が、コワーキングスペースの利用料や付帯設備の費用などの勘定科目の取り扱いについて解説します。

そもそもコワーキングスペースとは

コワーキングスペースとは、個人やさまざまな企業が共同で利用するワークスペースのことです。テレワークの普及に伴い、自宅で仕事をする人が増えました。しかし、家庭の事情で自宅での仕事ができない方もいます。そのような人にとってコワーキングスペースは大変使い勝手の良い環境と言えるでしょう。

コワーキングスペースの形態はさまざまですが、一般的にはオープンスペースでフリーアドレス形式になっています。最近では学生も勉強のために使っている場所となっており、さまざまな人たちが自分のライフスタイルに合わせて活用しています。

コワーキングスペースの利用形態

ドロップイン

一時的にコワーキングスペースを使いたい人が使うサービスがドロップインです。コワーキングスペースでは時間単位での利用システムを採用している場所が多く、1日・1時間・15分単位などで料金が発生します。1日単位で利用できるコワーキングスペースが多く、1日あたり500円〜3,000円程度が料金の目安です。カフェのようにフラッと立ち寄って仕事をしたい時には非常に便利なシステムです。

月額契約

ドロップインのような一時利用だけではなく、月単位で契約を結んでコワーキングスペースを自分のビジネスオフィスとして使う人もいます。

コワーキングスペースの定額制というのは、1ヶ月から数ヶ月、数年など、長期での利用を考えている方におすすめのシステムです。一時利用で使うよりも料金が割安で設定がされていることが多く、月額料金を支払っていれば何回でも利用できます。そのため、毎日のようにコワーキングスペースに足を運んで仕事をするという人におすすめの利用形態です。

料金の目安は、1ヶ月あたり5,000円〜30,000円程度ですが、コワーキングスペースによってはさまざまなプランが用意されている場合もあります。例えば、週末だけに利用したい人向けのプランや平日の夜だけ利用したい人向けのプランなどが挙げられます。

コワーキングスペースの利用料は経費になる

ビジネスでコワーキングスペースを利用した分の利用料は経費として認められます。仕事をするためにコワーキングスペースを借りた場合の利用料は、事業に関連する支出であると認められるためです。経費として認められれば所得から差し引くことができるため、支払う所得税の総額を減らすことにもつながります。

コワーキングスペース利用料の扱いについて

そもそも、確定申告における勘定科目(仕訳)とは?

確定申告をする際には、そのお金がどのようなカテゴリーに分類するかを明記する必要があります。その際に重要となってくるのが勘定科目(仕訳)です。

例えば、自分が支払ったお金を経費として申請したい場合、そのお金がどの勘定科目に該当するのかを記入しなければなりません。この勘定科目をうまく設定できないと経費として認められない場合も考えられますので、しっかりと覚えておきましょう。

コワーキングスペース利用料の勘定科目

コワーキングスペースに関わる支出には多くの種類がありますが、どのような勘定科目に該当するのかの判断は非常に難しいです。コワーキングスペース利用料金の勘定科目は、専門家によっても判断が分かれてしまうほど明確な基準がありません。コワーキングスペースで支払った費用の性質に合わせて勘定科目を決めていきましょう。

ドロップイン料金
一時的に利用されることが多いドロップインの料金ですが、月に数回ほど利用するような場合は「会議費」として計上すると良いでしょう。普段は自宅などの決まった場所で仕事をしているが、気分転換も兼ねてコワーキングスペースを利用する人もいると思います。そのようなケースには「雑費」として計上することも可能です。「会議費」か「雑費」のどちらかを勘定科目とするのが良いでしょう。

月額料金
コワーキングスペースを月額契約した場合、月額利用料は毎月固定して発生します。この場合、オフィスの家賃と同様の扱いになるため、月額利用料は「地代家賃」で計上することが一般的です。

入会金、事務手数料
会員制のコワーキングスペースでは、ドロップイン料金や月額料金のほかにも入会金や事務手数料がかかる場合があります。コワーキングスペースの入会金は「諸会費」として計上するのが良いでしょう。「諸会費」とは、業務として所属している団体などの年会費などで使われる勘定科目です。

また、コワーキングスペースで事務手数料がかかった場合は「支払手数料」として計上しましょう。「支払手数料」とは、銀行の振込手数料や売買契約の仲介者などに対して支払われる費用に対して使われる勘定科目です。

備品レンタル
コワーキングスペースには、ホワイトボードやディスプレイモニターなどの備品を有料でレンタルできます。これらの費用は「会議費」または「賃借料」として計上しましょう。コワーキングスペースで会議室を借りたい場合には、備品のレンタルと同様に「会議費」として計上可能です。

プリンター利用料
コワーキングスペースにはほとんどの施設で、有料のコピー機が設置されています。会社の資料を印刷する必要がある場合などで利用する方も多いでしょう。通常のオフィスであれば、費用が発生しないものなので戸惑う人も多いと思います。業務に関係する印刷代は「事務用品費」または「消耗品費」として計上するのが一般的です。

なお、コワーキングスペースの有料コピー機で発生した印刷代は、コピー機からレシートが出力されたり、月額利用料の請求書に記載されたりします。確定申告の際に必要となるのでレシートや請求書は保管しておきましょう。

その他
そのほかにも、コワーキングスペースで発生する費用は多くあります。例えば、コワーキングスペースまでの交通費なども「旅費交通費」として計上可能です。会社員の場合は、日々の通勤にかかる費用は会社が負担しています。同様にコワーキングスペースへの交通費も経費として認められる部分ですので、忘れずに計上しましょう。

カフェの場合はどうなる?

クライアントから急な連絡が入ったり、出張先でメールチェックをしたかったりする場合など、カフェで仕事をすることもあると思います。カフェで仕事をした場合に発生した費用についても経費として計上が可能です。数百円の飲食代が発生した場合は「会議費」として計上しましょう。

ただし、お昼休憩などで昼食を取った際に発生した費用は「会議費」として計上することが好ましくありません。あくまで業務上で必要な経費のみを申請する必要があるので、昼食代などは会計を分けるようにしましょう。

コワーキングスペース利用料の確定申告のポイント

仕訳の勘定科目は統一する

冒頭でもお伝えしたように、勘定科目には明確な基準がありません。そのため、自分の勝手な判断で同じ支出にも関わらず、通常とは異なる仕訳をしてしまう人がいます。勘定科目がコロコロと変わってしまうと、税務署に経費として認めてもらえなくなる可能性があります。

判断が分かれるようなケースではどの科目を選んでも大丈夫ですが、一度決めたら年間を通して同じ勘定科目で計上しましょう。また、次年度以降も同じ科目で計上し続けることも重要です。

領収書やレシートを保管する

確定申告の際には支出を証明する書類の提出が求められます。領収書やレシートは重要な証明書になるため、紛失して経費として計上できないような事態はなるべく避けてください。

確定申告がスムーズにできるように勘定科目によって保管場所を分けるなどの工夫をするといいかもしれません。レシートの裏にどういう目的でその費用を使ったのかという簡単なメモを残しておくと、レシートを整理する際に役立ちます。

まとめ

今回の記事では、コワーキングスペース利用料の勘定科目について解説しました。コワーキングスペースはオフィスを持たないフリーランスの人とって、非常に使い勝手の良い仕事場として利用できる場所です。

コワーキングスペース利用の伴う費用のほとんどは経費として計上できますが、日頃から意識的に管理していないと確定申告の際に混乱しかねません。正確に経費として計上できるように、普段からしっかりと自己管理をしていきましょう。

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