フリーランス必見!平均課税制度を使って税負担を減らそう

フリーランス必見!平均課税制度を使って税負担を減らそう
フリーランスやその他の方の間に生じる税負担額の不公平感をなくし、前者にとっては節税効果があり臨時的に収入が増えた方や収入の増減に波がある方が超過累進課税よりも低い税率を適用できる、平均課税制度について解説します。
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平均課税制度を使って税負担を減らそう

多くの場合、報酬を得た際はそこから所得税が源泉徴収されます。所得税の税率は所得に応じて大きくなるため、大きな収入があったときは所得税の負担額も大きくなります。

フリーランスで働く人は、大きな収入があった後に収入が激減することもあるでしょう。そのような場合、税負担が大きくなることがあります。

平均課税制度はこのようなフリーランスやその他の方の間に生じる税負担額の不公平感をなくすための制度で、前者にとっては節税効果があります。この記事では、税理士紹介25年の株式会社ビスカスが運営する税金情報サイト『マネーイズム』の編集部がフリーランスの平均課税制度について解説します。

フリーランスと源泉徴収

源泉徴収とは、報酬を支払う側が納めるべき税金をあらかじめ差し引いて支払う制度のことです。

会社に勤めている場合、税金に関わる手続きは会社が基本的にはすべて行ってくれます。しかし、フリーランスの場合、自分で確定申告を行わなければならないので源泉徴収のことをしっかりと理解しておく必要があります。

源泉徴収される報酬

フリーランスであっても報酬を払われる際に、支払う側から源泉徴収をされているケースが多くあります。その理由としては、所得税の支払いをすべて各人に委ねてしまうと国の資金繰りが難しくなってしまうためだと言われています。

では、フリーランスの報酬の中で源泉徴収の対象となるものにはどんな種類があるのでしょうか。国税庁が定める、源泉徴収が行われる報酬は以下の通りです。

・原稿料や講演料、デザイン料など
・弁護士、公認会計士、司法書士などに支払う報酬
・社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
・野球やサッカーの選手、モデルや外交員などに支払う報酬
・映画、演劇、テレビなどの出演等の報酬
・芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬
・宴会などで接待等を行うホステスやコンパニオンに支払う報酬
・契約金など役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
・広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金

ここで、デザイン料に関しては注意するべき点があります。源泉徴収の対象となるデザイン料には広告デザインやWestrongサイトのデザインなどが含まれますが、プログラミングやコーディングは源泉徴収の対象外となります。

その他にも例外がありますので、フリーランスの方は自分の仕事が源泉徴収される対象であるかどうかを事前に確認しておきましょう。

所得税率

個人の所得に対しては課される所得税には、課税の対象となる金額を7段階に分けて課税する「超過累進課税制度」というものが適用されています。所得税における超過累進課税制度とは、所得金額が一定額を超えた場合に、超過額に対して高い税率が課されるといった制度です。

4,000万円超の所得金額がある場合には、7つの税率がそれぞれの金額幅について課され、税計算は複雑になります。そこで、所得税の金額を簡単に求める手段として、以下の速算表が用意されています。

所得税の速算表

 

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超330万円以下 10% 97,500円
195万円超330万円以下 20% 42万7,500円
695万円超900万円以下 23% 63万6,000円
900万円超1,800万円以下 33% 153万6,000円
1,800万円超4,000万円以下 40% 279万6,000円
4,000万円超 45% 479万6,000円

例えば、課税対象となる所得金額が1,000万円の方の場合、
1,000万円 × 0.33 – 153万6,000円 = 176万4,000円
といった計算で簡単に税額を求めることが可能です。

サラリーマンとの比較

では、フリーランスとサラリーマンと比較すると、税負担がどうなるのかを解説します。
一般的なサラリーマンの給料はフリーランスと比較して安定していることが多く、そのため、所得税に関しても大きく変動することがほとんどありません。

その一方で、フリーランスで仕事をしている人は収入が安定しない場合があります。

例えば、小説家の仕事をしていて、その年に爆発的なヒットを生み出して収入が大幅に増加したケースなどが挙げられます。この場合、その年に多額の所得税が発生する可能性があります。
例えば、5年間で課税所得金額が毎年500万円のサラリーマンを想定すると、この人の所得税額の合計は、上記の速算表を用いて次のように算出できます。

5年 × (500万円 × 0.2 – 42万7,500円) = 286万2,500円

一方で、1年間の課税所得金額が2,500万円で、残りの4年間は収入がないフリーランスの小説家を想定すると、5年間の所得税額の合計は以下のようになります。

1年 × (2,500万円 × 0.4 – 279万6,000円) = 720万4,000円

5年間の課税所得金額は同じ2,500万円でも、両者の所得税には434万1,500円の差があります。つまり、毎年の収入額によって支払う金額が大きく変わる可能性があるのです。

平均課税制度

平均課税制度とは、臨時的に収入が増えた方や収入の増減に波がある方が超過累進課税よりも低い税率を適用できる制度です。

ただし、すべての方が平均課税制度を利用できるわけではなく、一定の条件を満たしている方のみが平均課税制度を適用することが可能です。

平均課税制度が使える条件

平均課税制度が適用できる一定の条件を満たした「臨時所得」と「変動所得」の意味や、平均課税制度を適用できる条件について、以下で解説していきます。

1.臨時所得
臨時所得とは、数年分の収入が一括で支払われる所得のことで、不動産の権利金やスポーツ選手の契約金など、以下のようなものが挙げられます。

・プロ野球選手などの契約金で報酬の2年分以上であるもの
・土地や建物など一時的に受け取る権利金や頭金
・公害その他災害による補償金
・公共事業などに伴う事業の休業や廃業に対する補償金

2.変動所得
変動所得とは、自然現象など様々な事情で1年間の収入が大幅に変わってしまった所得のことで印税による収入や養殖で得た収入など、以下のようなものが挙げられます。

・著作権の使用料
・印税、原稿料、作曲料
・漁獲やのりの採集
・養殖から生じる所得(はまち、まだい、ひらめ、かき、うなぎ、ほたて貝、真珠貝)

3.臨時所得と変動所得を平均課税制度に適用できる条件
しかし、臨時所得と変動所得に該当したら平均課税制度が使えるわけではありません。
さらに以下の2つの条件を満たす必要があります。

・変動所得と臨時所得がその年の総所得の20%以上であること
・過去2年の間に変動所得と臨時所得があった場合、その2年分の変動所得と臨時所得の50%がその年の変動所得以上であること

この条件があることで、収入が多い時には平均課税を使って、収入が少ないときは超過累進課税を使う、ということができない仕組みになっています。

適用した場合としなかった場合の負担額の違い

平均課税制度を適用した場合と適用しなかった場合の負担額はどのくらい違いが出るのでしょうか。

平均課税制度を適用する場合、変動所得、もしくは臨時所得を5年間で受け取った金額とみなして税額を計算します。したがって、変動所得や臨時所得を5で割った金額に超過累進課税制度の税率をかけ、その金額を5倍して1年分の税額とする方法が目安になります。

ここで、上記の「1年間の課税所得金額が2,500万円で、残りの4年間は収入がないフリーランスの小説家」を想定して税額の計算を行ってみましょう。

平均課税利用なし:(2,500万円 × 0.4 – 279万6,000円) = 720万4,000円
平均課税利用あり:(2,500万円 ÷ 5 × 0.2 – 42万7,500円) × 5 = 286万2,500円

以上のように、平均課税制度を適用した場合と適用しなかった場合の負担額には大きな差が出てきます。臨時所得・変動所得の額が大きければ大きいほど税額に差が出てくるので、ぜひ確認してみてください。

その他のきまり

経費があるとき

平均課税制度を適用する際に、収入から必要経費などを引く場合には、変動所得や臨時所得とそれ以外の所得に区分して計算する必要があります。

例えば、専属契約を締結したことで臨時所得を手にした場合、契約書の作成費用はその他の所得の経費とは区別しなければなりません。区別して計算できない必要経費については、変動所得や臨時所得とそれ以外の所得の比に合わせて按分します。

5年間はさかのぼって請求が可能

平均課税制度を適用させるときは確定申告時に申告手続きをとる必要があります。一度確定申告をしてしまうと、修正できない税金もあります。

しかし、平均課税に関してはさかのぼって請求することができます。最大で5年間さかのぼって請求できるので、ご自身の所得を確認してみると良いかもしれません。

住民税の税率には適用不可

平均課税制度を適用できるのは、所得税のみで、一定の税率が課される住民税には平均課税制度を適用することができないので注意しましょう。

まとめ

今回は平均課税制度の仕組みについて、具体的例などを紹介しながら解説していきました。フリーランスとして働いていくには、税金に関する知識は必要不可欠です。平均課税制度は知らないと大きな損をしてしまう制度になります。正しい知識を習得して、積極的に活用していきましょう。

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