フリーランスも源泉徴収される?対象になる仕事から計算法までを解説

フリーランスも源泉徴収される?対象になる仕事から計算法までを解説
「フリーランスとして活動を始めたいのに事務手続きや経理のことがわからなくて不安」という人は多いのではないでしょうか。 今回はそんな人のために、税金を納める仕組みのひとつ「源泉徴収」についてご紹介します。 これを読めば源泉徴収の対象になる仕事や、クライアントが源泉徴収をしていない場合の対処法、税金の計算方法がわかります。これから開業を目指す方、開業したてのフリーランスの方はぜひ参考にしてください。
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そもそも源泉徴収とは何か

源泉徴収 とは

源泉徴収とは報酬や給与から税金を天引きする制度

源泉徴収とは、給与や報酬の支払いをするとき、支払う側が税額分を差し引いて渡し、受け取る側の代わりに納税することです。

例えば会社員の方なら、給与明細に「源泉所得税」などの項目があるのを見たことがあるでしょう。これは、会社が従業員の給与に課税される税を計算し、従業員の代わりに国に納税してくれていることを意味します。

源泉徴収される税金は収入に対して課税される「所得税」ですが、2013年からは「復興特別所得税」も源泉徴収されています。これは東日本大震災からの復興財源として創設された税で、2037年まで課税されることになっています。
参考:国税庁HP

フリーランスの報酬も源泉徴収される

会社員の場合と同じように、フリーランスが受け取る報酬にも所得税がかかり、源泉徴収されます。源泉徴収の流れは会社員と同じで、報酬を受け取る際にクライアントが税金を天引きし、フリーランスの代わりに納税してくれます。

源泉徴収された報酬は税金が天引きされているため、一見すると手取りが減っているように見えます。損をした気分になるかもしれませんが、
面倒な計算や納付をクライアントが代行してくれていると考えると、とても便利な制度です。

フリーランスの仕事内容は実に多岐に渡りますが、一部例外はあるものの、ほとんどの仕事の報酬は源泉徴収の対象になります。

源泉徴収が必要なのはどんな仕事?

源泉徴収 必要?

ほとんどの仕事には源泉徴収が必要

ここからは、実際に源泉徴収の対象となる仕事を見ていきましょう。所得税法204条には、個人に対して次のような仕事の報酬を支払うときは、源泉徴収しなければならないと定められています。

  • 原稿や挿し絵、作曲、音声録音、デザインなどの報酬
  • 弁護士、司法書士、公認会計士、税理士、社労士、弁理士などの報酬
  • 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
  • プロスポーツ選手やモデル、集金人などに支払われる報酬
  • 映画、舞台、テレビ、ラジオなどの出演者・演出者・企画の報酬・料金、芸能プロダクションなどの報酬
  • ナイトクラブやバーなどの施設での接待をする人(ホステスなど)の報酬
  • 役務提供の契約によって一時に取得する契約金
  • 広告宣伝のための賞金・馬主が受ける競馬の賞金

ライターの原稿料やイラストレーターのカット料のほか、写真や映像の撮影モデルも該当します。

出典:令和2年分源泉徴収のあらまし(国税庁)

源泉徴収が必要ない報酬はあるの?

源泉徴収の必要のない報酬もあります。源泉徴収の対象外となる報酬は所得税法204条第2項で定めてあるほか、国税庁のホームページにも記載されています。

(源泉徴収の対象外となる報酬の例)

  • 給与や退職金に当たるもの
  • 懸賞応募作品の選稿・審査料金
  • 試験問題の出題料金・答案の採点料金
  • クイズ問題や解答の応募に対する賞金
  • 直木賞、芥川賞、野間賞、菊池賞などの賞金
  • 鑑定料
  • 織物などの意匠代金
  • 手話通訳の報酬
  • ナイトクラブやバーなどの従業員が経営者以外(客など)から直接受ける報酬

ただし、企業によって解釈が分かれる部分もあります。
自分の報酬が源泉徴収の対象になるかどうかは、クライアントに相談して確認しましょう。

企業から依頼された仕事は企業の税務担当に、依頼元がフリーランスの場合は担当税理士にご相談ください。

出典:所得税法(e-Govデータベース) 国税庁

フリーランスが仕事を受ける前に必ず確認すべきこと

フリーランス 仕事前に 確認

クライアントは源泉徴収をしているか?

仕事を受ける前に、報酬の額だけでなく報酬が源泉徴収されるかどうか必ず確認してください。源泉徴収されるかどうかはクライアントや案件によって異なるため、二重払いや申告漏れを防ぐためにも必ず確認しましょう。

クライアントが源泉徴収をしない場合、報酬にかかる税金は確定申告のときに自分で計算する必要があります。逆に、報酬がクライアントによって源泉徴収されているなら、フリーランスは税金を支払う必要はありません。

なお、『ランサーズ』などのクラウドソーシングサイトで仕事を受注した場合、報酬ごとに源泉徴収されているかどうかを画面から確認できる場合がほとんどです。『ランサーズ』の画面では、登録後のマイページから「支払い管理」>「源泉徴収一覧」で源泉徴収された仕事の一覧を月毎に見られます。csvファイルとしてダウンロードすることもできます。

報酬の金額と源泉徴収された税金はいくら?

仕事が完了して報酬を受け取ったら、報酬の金額と源泉徴収金額を必ず控えておきましょう
クライアントが源泉徴収をしない場合は、報酬額だけを記録しておきます。

報酬額と源泉徴収額は、翌年に確定申告をするときに必要です。確定申告とは、給与や事業などで得た1年分の所得を計算し、その金額に応じて所得税などを納税します。源泉徴収されていない報酬は、この確定申告の際にまとめて計算しましょう。

なお、確定申告の期限をすぎても申告や納税がない場合、延滞税などの税金が課されることがあります。確定申告の書類提出期限は毎年2月16日〜3月15日ですので、今のうちに少しずつ帳簿の準備を始めましょう。

源泉徴収されていない場合の税金の計算方法は?

源泉徴収されていない 税金 計算方法

報酬が100万円以下の場合

ここからは、源泉徴収されていない報酬にかかる税金の計算方法についてご紹介します。

源泉徴収される税金は「所得税」と「復興特別所得税」の2種類ありますが、「源泉徴収税」として2種類の税金をまとめて計算するのが一般的です。納税額の計算方法は報酬の金額によって異なり、報酬が100万円以下の場合は次のように納税額を算出します。

源泉徴収税額 = 報酬金額 × 10.21%

例えば報酬額が10万円の場合、計算は次のようになります。
10万円 × 10.21% = 10,210円
源泉徴収税額は10,210円です。

この計算で1円未満の端数がある場合は切り捨てて計算します。

報酬が100万円を超える場合

報酬額が100万円を上回る場合は、100万円以内の報酬のときと計算方法が異なります。

源泉徴収税額 = (報酬金額−100万円)×20.42%+102,100円

例えば報酬額が200万円の場合は次のようになります。
(200万円−100万円)×20.42%+102,100円=306,300円
源泉徴収税額は306,300円です。

100万円までの部分には10.21%の税率が適用されるのですが、100万円を超える部分には、倍の税率が適用されます。源泉徴収税額を計算する場合は報酬の金額に注意しましょう。

源泉徴収額を計算するときは消費税に注意!

源泉徴収する税額を計算するときに注意しなければならないのが消費税の存在です。

源泉徴収税は基本的に消費税も含めた報酬の全額に基づいて計算しますが、「報酬の金額と消費税の額が明確に区分されている場合には、税別の報酬金額のみを源泉徴収の対象として良い」とされているからです。

例として、報酬が税別1万円、消費税が1,000円の場合を考えてみましょう。
請求書に「報酬11,000円」とだけ記載されている場合、源泉徴収する税額は消費税分も含めた全額を基準に計算します。
源泉徴収税額=11,000円×10.21%=1,123円(1円未満切捨て)

一方、請求書に「報酬11,000円、内消費税等1,000円」と明確に報酬と消費税が分けられている場合には、報酬金額のうち税別部分をもとに源泉徴収額を計算します。

源泉徴収税額=10,000円×10.21%=1,021円

同じ報酬額でも、請求書の書き方によって源泉徴収する税額に102円の差が発生しました。
ただし、国税庁は「請求書などに消費税額を明記している場合、消費税分の税金は源泉徴収してもしなくてもどちらでも良い」としており、請求書に内税を明記したからと言って必ずしも税抜きの報酬から源泉徴収されるとは限りません。

税額を明記した請求書を発行する場合でも、消費税込の金額から計算するクライアントもいます。さらに同じクライアントからの仕事でも案件内容によって違うときもあるのです。

税込からの計算も税別からの計算も間違いではありませんし、払い過ぎた税金がある場合は確定申告することで還付が受け取れることもあります。報酬金額と源泉徴収税額を記録するときは数字に注意しておきましょう。

源泉徴収されなかった税金は必ず確定申告で納税しよう

源泉徴収されていない 税金 確定申告

年に一度の超重要手続き!確定申告とは?

確定申告とは1年間の総収益と既に支払った税額を保険料や収入などと比較して必要な税額を算出する手続きです。確定申告はその年で支払うべき税金の額を決定するために行います。ほとんどのフリーランスにとって避けて通れない税制手続きと言えます。

確定申告を行うには、1月1日から12月31日までの全収入と経費、そして収入から経費を差し引いた額(収益)を算出する必要があります。
収入の額や経費を支払ったことを証明する領収書なども保存しておく必要があるので、捨てずに準備しておきましょう。

確定申告の結果によっては、払い過ぎた税金の還付を受け取れることもあります。その一方で、納付が遅れると延滞税などのペナルティが発生することもあります。
申告期限に注意して早めに準備を進めましょう。

確定申告におすすめのツールを紹介

確定申告 おすすめのツール

freee

freee』は個人事業主向けのリーズナブルな料金プランが使用可能なクラウド会計ソフトです。
確定申告の書類作成や請求書の作成など、ひととおりの機能が揃っています。スタンダード以上のプランを選択すると、領収書の写真から自動で仕訳データを取得することも可能です。

初めて確定申告をする人や、会計ソフトを安価で導入したい人におすすめです。

個人事業主向け料金(税別)

  • ミニマム 年間払い11,760円、月払いの場合1,180円/月
  • ベーシック 年間払い23,760円、月払いの場合2,380円/月
  • プレミアム 年間払い 39,800円(月払いなし)

法人向け料金(税別)

  • ミニマム 年間払い23,760円、月払いの場合2,380円/月
  • ベーシック 年間払い47,760円、月払いの場合4,780円/月
  • プレミアム 年間払い477,600円(月払いなし)

Money forward会計

Money forward会計』では会計、請求書作成管理のほか、5名までの給与計算と経費精算、マイナンバーの管理を追加料金なしで行えます。また、『弥生会計』『勘定奉行』などの12種類の会計ソフトのデータをそのまま移行して管理することもできます。

既に会計ソフトを使用している個人事業主や、仕事で従業員を雇っている人におすすめです。

(料金プラン)
スモール(小規模法人向き)年額プラン35,760円/年 月額プラン3,980円/月
ビジネス(中規模法人向き)年額プラン59,760円/年 月額プラン5,980円/月

報酬や源泉徴収の額は確定申告で必要!必ず記録しておこう

今回の記事では、源泉徴収される報酬の範囲や計算方法、注意すべきポイントについてお伝えしました。
フリーランスの報酬も、会社員の給与と同じように源泉徴収の対象となります。クライアントから源泉徴収されていない報酬については自分で確定申告して納税する必要があるので、必ず記録しておきましょう。

『ランサーズ』などのクラウドソーシングサイトで仕事を受注した場合、報酬の金額や源泉徴収の有無を簡単に確認することもできます。
『ランサーズ』では源泉徴収額を自動計算するツールもあるので、経理関係に自信がない場合はこのようなクラウドソーシングサイトから仕事を始めるのもおすすめです。

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