ライターも使える、メディア担当者のスケジュール管理法

ライターも使える、メディア担当者のスケジュール管理法
発注者側の苦労を知っていれば、ちょっと気の利くフリーランスとして、クライアントから重宝されること間違いなし。今回は趣向をかえて、メディア運営者向けの記事をご紹介します。複数のフリーランスへの依頼を管理する発注者は、どんな悩みをもっているのでしょうか。今回はスケジュール管理の苦労とその解消ツールをご紹介。フリーランスのスケジュール管理にも利用可能です。
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フリーランスが抑えたい、メディア担当者が意識していること

昨今、メディアを活用したビジネスの展開はますます重要視されています。しかし、自社でWebサイト運用からコンテンツ制作までおこなうことは難しく、多くの場合はフリーランスのライターやデザイナーに仕事を依頼することになるでしょう。

さてここで、メディア担当者が意識していることはなんでしょうか。コンテンツのクオリティや量に気を配ることは大切ですが、それ以上に重要なのが、前提となる「進捗管理の徹底」です。

多忙なビジネスパーソンにとって、自分のスケジュール管理に加え、フリーランサーの進捗まで管理することは相当な負担になります。メディア運営をよりスムーズかつ着実に進めるためになにが必要なのか、ひとつひとつ分析する必要があります。

受注者であるフリーランスもこの工程を理解することで、発注側の苦労や効率化したいポイントがみえてきます。相手の行動を先読みすることで、発注者側から重宝されるフリーランスになることが可能なのです。

※以下の本文はメディア担当者に向けた効率化の方法です。発注主に提案しても良いでしょうし、作業内容を理解して、相手の効率化に貢献するのも◎です。クライアントからより重宝されるフリーランスになるために、発注側の作業を理解するための情報として活用ください。

スケジュール管理の難しさとその対策

メディア担当者が感じる「スケジュール管理の難しさ」は、

1. ランダムに迫る〆切
2. スケールの違う業務が並行して進むこと
3. リモートワーク特有のコミュニケーションコスト

の3つに起因していることが多いのではないでしょうか。ここでの「スケールの違い」というのは、並行して管理すべき仕事の内容や重要度、カバーする範囲がバラバラであることを指しています。

複数人のフリーランサーに仕事を依頼していれば、仕事のパターンも人数分あるでしょうし、コンテンツの配信頻度や運営体制によっては〆切を揃えるのも難しくなるでしょう。なにより、そのまとまりのないスケジュールと内容を把握して、各々をマネジメントするのですから、大変な労力を要するのは当然といえます。

自分も、仕事を依頼している相手も、頭のなかですべてを完ぺきに把握することはできません。まずはそれらを頭で整理しようとせず、わかりやすく明文化して管理することが不可欠です。

業務内容を「見える化」する

業務内容をわかりやすくするために、それぞれタスクの詳細をExcelに落とし込んでいきましょう。誰が何を担当しているのか、進捗状況、〆切など、管理に必要なことや関連する情報をまとめます。仕事の内容によって何を記載すべきかは変わるので、自分に合った項目を盛り込んでください。

スケジュール管理

例えば、Googleの提供するクラウドサービス、「Goolgeドライブ」のスプレッドシートを活用すると、依頼相手と情報をシェアしやすくなるので、こちらもおすすめです。

複数人のスケジュールを「自分のスケジュール化」する

次に、ランダムに迫る複数人の仕事のマイルストーンを作成し、管理していきます。並行して進んでいる仕事を別々に認識していると、管理に漏れが出るだけでなく、自分のキャパシティを超えてしまったり、予定がバッティングしたりすることもあります。

ランダムに〆切が迫る複数人のタスクを遅れやミスなく確認するには、1本の軸に捉え直し、自分のタスクとしてスケジュールに落としこむことが重要です。そこでおすすめしたい管理ツールがGoogleカレンダーです。

Googleカレンダー活用のススメ

さまざまな管理ツールがあるなかで、「え? Googleカレンダーを使うの?」と意外に思う人もいるかもしれません。今回Google カレンダーをおすすめする理由は大きく分けて3つあります。

・「マイカレンダー」の中で種類ごとに予定を作成できる
・完了した仕事のログを残すことで、後から確認することができる
・カレンダーを依頼相手とシェアできる

以下に例としての活用法を紹介します。具体的なカレンダーの内容は自由に作れるので、一例として参考にしていただければと思います。ご自身に合ったカレンダーを作成しましょう。

種類や重要度別にタスクを振り分ける

スケジュール管理

こちらは記事用に作成したカレンダーの見本です。この場合、個人のアカウントを利用していることを想定しているので、個人的な予定も表示できるような設定にしています。左下の「マイカレンダー」欄をご覧ください。

スケジュール管理

この場合は、種類ごとに「予定(確定)」「Due(生活)」「イベント」のほか、仕事の優先度別に「Due(優先度~)」を登録しています。使い方を解説すると、まず、個人的な予定が確定した場合は「予定(確定)」に、買い出しや家事などは「Due(生活)」に、仕事関連の集まりなどは「イベント」に登録できるようにします。

次に、仕事上の予定を「Due(優先度~)」に振り分けていくのですが、この優先度を決める際、「その仕事が全体に与える影響がどれほどのものなのか」がポイントになります。たとえば記事の更新を予定しているときに、記事の納品が間に合わないケースを想定しましょう。

その場合、ほかのライターの記事で更新分を保管できるのか、あるいは公開日を遅らせる余地があるのかによって、そのタスクの重要度は変わるということです。カレンダーの種類ごとに色を変えると見やすくなります。

完了したタスクの記録を残す

先ほどの項で説明していなかった「Due(完了)」ですが、これは「Due」と名のつく他のタスクを完了した際に、なにが完了しているのかを表示するための重要な項目です。

上のカレンダーの例では記入されたタスク自体が少ないのでわかりづらさは比較的低いと思いますが、仕事量が膨大になっていったときに、どれを完了したのかが明確になっていないと管理が難しくなります。

また、月末などに振り返ることで「どれくらいの仕事をこなせるか」「依頼相手のキャパシティをオーバーしていないか」を直感的に把握することができるので、その後のスケジュールを組むときの参考にできます。

スケジュール管理

タスクを「Due(完了)」に移行するには、まず完了した「Due」を選択し「編集」をクリック、その後カレンダーの種類を変更します。保存を押せばカレンダーに表示されます。
スケジュール管理

「Due(完了)」のカレンダーを左下のメニューで非表示にしておくと、なにが未完了なのかひと目でわかるだけでなく、達成感からモチベーションが上がるので、普段は表示しないというのも有効です。カレンダー名の左側にある色のついた四角をクリックすると表示/非表示を変更できます。

フリーランサーへの落し込み

カレンダーで作成した内容をフリーランサーに落とし込むとき、どんなツールを使って連絡していますか? リモートでのやり取りが基本となり、密な連絡を取れない相手だからこそ、意識すべきなのが「メール」、「電話」、「チャット」など、ツールが目的に沿っているかを考えることです。

依頼相手の立場を想像するとわかりやすいでしょう。フリーランサーはほかの仕事を請けている可能性があり、彼らもまた、スケジュール管理は悩みの種になっています。

コミュニケーションに制限があるなかで、相手との意思疎通に齟齬をなくし、スムーズに仕事を進めていくには連絡ツールを使い分けましょう。

すでに振ってある仕事のリマインドをする場合には、メールやチャットなどで「どの依頼なのか」「〆切日時」を簡潔に。新しく仕事を依頼するときには概要をわかりやすく文章にしてメールやチャットで送り、双方で文面を確認しながら電話をすると、認識のズレを減らすことができます。

もちろん、急ぎ連絡を取りたい場合は電話がふさわしいのですが、どのようなやり取りをしたのか、ログを残すということが大切です。また、余裕を持って自分のスケジュールを管理したうえで、フリーランサーの立場で考えてあげることが、きもちよく、そしてミスなく〆切通りに納品してもらう秘訣と言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。メディア担当者は複数のフリーランスとやりとりしているため、記事を納品してもらうまで~掲載するまでに多くの管理事項が発生します。

この悩みを理解することで、「気の利くランサーさんだな」と思われたらしめたもの。きっと発注者にとって、手放すことのできないフリーランスとなるでしょう。

また、スケジュール管理に頭を悩ませているクライアントがいれば、この方法をシェアしてみてはいかがでしょうか。お互いのカレンダーを双方に表示することで、日程の確認がよりスムーズになっていくはずです。

ひとつひとつタスクを入力したり、完了したタスクの設定を変更したりするのは一見面倒に思えるかもしれません。しかし、小さな手間をかけていくことで最終的には仕事の効率も上がっていくはずです。ぜひ、お試しください。

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