“移住したい国”10年連続1位!根強い人気のマレーシア、実際の生活ってどう?

“移住したい国”10年連続1位!根強い人気のマレーシア、実際の生活ってどう?
“住んだからこそわかったその国の魅力”を、世界各地に住むフリーランスが紹介するシリーズ。 今回は、“移住したい国ランキング”で2006年から10年連続1位を獲得しているマレーシアでの生活をご紹介。「物価が日本の半分以下」「治安が良くて安心」「ビザが取得しやすい」などの点が人気を呼んでいるようですが、中には思いもよらぬカルチャーギャップもあるようです。海外での起業を夢見る女性フリーランスが、現地での生活をリポートします。
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移住者にやさしく、
何よりも生活がしやすい国「マレーシア」。

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私は、現在マレーシアに移住しフリーランスとして生活している40代の女性です。海外移住するきっかけになったのは、10年前に主人と結婚したときの海外への新婚旅行。その頃から「海外に移住したいな」と考えていました。

海外移住先として、マレーシア、タイ、フィリピンなどを候補として考えていました。現実的に考えると最もビザが取りやすい、比較的治安が良い国であるマレーシアが一番良いと思ったので、移住先の第一候補に選びました。そして、マレーシアの首都のクアラルンプール、ペナン島、イポーなどを視察しに行くことにしたのです。

視察して特に感じたことは、マレーシアにはすでに移住してきている外国人が多く、国として外国人の移住者を迎え入れてくれる体制をとっているため、移住者にとっては大変生活がしやすい国だということでした。親日国ということもあって、マレ―シアに住んでいると、私が日本人だとわかると親し気に「こんにちは」「ありがとう」などとニコニコしながら日本語で話しかけてきてくれます。

そして主要な駅の案内掲示板に日本語で書かれているところもあります。マレーシアが親日国である理由は、前首相の時にとった「ルックイースト政策」という、日本や韓国などの国を見習っていこうという政策のおかげです。そのため、ビジネスにおいても日本人には優しい環境だと感じます。

多民族国家ならでは。マレーシアで働く人々

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マレーシアはマレー系マレーシア人が人口の6割を占めていて、イスラム教中心の国です。そのため、街のあちこちには「モスク」というイスラム教の寺院があります。そこから1日5回お祈りの時間を告げる声が響いてきます。そして、オフィスやショッピングモールには、小型版のモスクである「スラウ」というお祈り場所が設けられています。

この国では、仕事中心に物事を考えるのでなく、イスラム教を中心に全ての事を考えています。たとえば、金曜日の午後1時から3時頃までイスラム教の男性は必ずモスクにお祈りしに行く日と決まっているので、金曜日はどこの会社もお昼休みが2時間位と長く設けられていて、会社員の方はランチタイムをいつもよりも長くとってランチを楽しんでいます。

レストランも金曜日はランチタイムのお客様が来やすいように特別メニューなどを作っています。そして、あまり残業をして遅くまで仕事をするという働き方はしてないようです。

それから、仕事に対する考え方も長い期間にわたって同じ会社で働き続けることを考えて仕事を選ぶのではなく、自分にとっての条件が良ければいつでも転職するという考え方をする人が多いです。

マレーシアでは、毎年時期が少しずつ変わりますが、6月~7月中旬ころがイスラム教の断食の時期にあたり、イスラム教徒の人は、太陽が出ている間中は食べ物飲み物を一切口にしないで過ごすという修行をすることになっています。

この時期、銀行や役所はイスラム教徒の方が多く働いているので、仕事の効率がとても悪くなり、何か急ぎの仕事があっても「断食中のため、遅くなります」と言われます。そして、そのことを受け入れてなければなりません。

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マレーシアでは、若い女性の活躍が目立っています。特に銀行や役所はマレー系のマレーシア人が多く働いていて、重要な役職についている女性がたくさんいます。私もマレーシアに来て、銀行関連の投資会社でセールスの仕事をしている女性とホテルで営業をしている女性と知り合い、友達になりましたが、彼女たちは自分の仕事を愛していて誇りを持っています。

そして毎日仕事を思いっきり楽しみながらやっているようです。思った以上に女性が活躍しているのに驚かされます。そして、私は彼女たちと付き合うことで良いエネルギーをもらっています。

このようにこれから発展してく、若い国であり、若い女性が活躍できる可能性をたくさん持っている国なので、新しくビジネスを始めてチャレンジするには最適な場所だと思っています。

トイレットペーパーは無くて当たり前?マレーシアならではのカルチャーショック

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マレーシアはここ10年間ほどで急速に発展してきている新しい国なので、柔軟な考え方をもっていると思います。ですがその一方で、時にはカルチャーショックを受けることもあります。

私が特にカルチャーショックを受けたのは、マレーシアのトイレでは、みんながペーパーを使うわけではないため、ペーパーを置いていないということ。

トイレットペーパーの代わりにホースがついているのです。ちょうど手動式のウォシュレットのように、持って洗うようになっています。そのため、よくトイレの床がびしょびしょになっているんです。これには、いまだにトイレに入ると違和感を覚えることがあります。

私は初めにマレーシア人のおおざっぱな感覚に慣れるのには結構時間がかかりました。マレーシアでは、約束をしても守ってもらえなかったり、会う時間を決めて待ち合わせをしても相手が来なかったりすることが日常的にあります。コンサートなどのイベントなども基本的に30分以上も遅れて始まったりすることが多いです。

物件の賃貸契約も、契約はオーナーと借りる人間が直接するのですが、なかなかオーナーと連絡が取れなかったり、借りる予定の物件のお風呂場の修復箇所を治してもらうのにかなり長い時間がかかったりで、相当イライラしてしまいました。

ですが、移住して2年経った今は、マレーシアでの生活にだいぶ馴染んでいます。おおらかで明るいマレーシアの人たちに日々接していると、こちらも明るい気持ちになり、毎日が楽しくなります。

現地の方たちは、何か間違ったり、失敗したりしてもすべて「気にしないで」と他人にも自分にもとても大らかです。英語で、”Never mind(ネバーマインド)”と言って笑い、物事を軽く受け流すようにしています。いつの間にか、私もこの大らかさに馴れ、心地よささえ感じるようになりました。

日本でありえないような事態に遭遇する毎日ですが、何が起こるかわからないため、スリルに満ちていて楽しいです。私は、このマレーシアでフリーランスとして仕事しながら起業して、海外で仕事をする日本人の代表として日々努力しようと思います。

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