コミュニティとしてのワークスペースで地方の街ににぎわいを | 浜松市Any

コミュニティとしてのワークスペースで地方の街ににぎわいを | 浜松市Any
東海道の真ん中に位置する政令指定都市・浜松。かつて、製造業で栄えたこの街に、地域に開かれたコワーキングスペース『Any(エニイ)』が誕生。コトとヒトと価値が交じり合うこの場所は、新しいにぎわいを創出することができるのでしょうか? 店長の高橋 慎太郎さんにお話しを伺いました。
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100万人が集うエリアの1人1人のワーカーに空間・情報・出会いを!

パソコンを扱う男性

ビルの中なのに1本の道が中央を貫き、ちょっと半屋外のような不思議な空間がコワーキングスペース『Any』。

この通路を中心に、落ち着いて仕事が出来るコワーキングスペース、オープンな空間を生かした大小の展示スペース、多彩なワークショップが開催されるセミナースペース、仕切るとセミナールームにもなるカフェスペースなどがワンフロアに展開されています。

Any_通路

HONDAやYAMAHAなど世界的企業を輩出し、浜名湖、海、山など豊かな自然に恵まれている浜松は、恵まれすぎた環境のせいかのんびり気質の人が多く、そのくせ新しいもの好きともいわれています。

100万人が活動しているこのエリアで、「何かやりたい」と思いながらも動かずにいる人たちに、働く場や情報や出会いを提供したいという高橋さん。オープン2ヶ月目の『Any』からは、何が見えるのでしょうか?

Any』ワークスペース情報
■ 場所:〒430-0934 静岡県浜松市中区千歳町91-1
■ 料金:【ドロップイン】/2時間まで500円、1日1,000円
【会員】固定席20,000円/月、フリーアドレス席10,000円~/月 
※打ち合わせコーナーの利用無料、ロッカー・法人登記・住所使用・駐車場利用オプションあり
■ 営業時間:9:00~21:00
■ 電源 :◯   ■ WiFi:◯
■ 特徴:ワークショップで使われている約80㎡、96㎡のセミナースペース、展示販売スペース(約61㎡、12㎡)も利用可能。コワーキングスペースでは同社のスタッフも同席することもある。

『Any』のワークスペースからコミュニティが生まれる

Any_勉強スペース

ー 街の活性化に取り組んできた会社が、なぜコワーキングスペースを開こうと思ったのですか?

事務所移転に伴いこのスペースの活用を考えることになり、初めはシェアオフィスをやろうと思っていたんです。それで半年くらいかけて全国のシェアオフィス、コワーキングスペース20か所を回って、自らも利用し、運営者や利用者とつながり、情報をインプットする中で、考えが変わっていきました。

もともと僕たちは浜松の街を活性化したいとの想いで、この地域の企業や金融機関が集まってできた会社です。過去5年間の中で、街の中心部でイベントを開催したり、何かやりたい人をサポートしたりと、いろいろな人とのつながりを持ってやってきました。

我々のような存在だからこそ、単なる場貸しとなるシェアオフィスではなく、街に開かれた、コミュニティとなるコワーキングスペースをつくれるのではないかと考えたのです。

例えばお風呂屋の番台に座っているんじゃなくて、一緒にお風呂に入っちゃうイメージ。実際、僕もコワーキングスペースに入って、一緒に仕事したりしています。

つながり、ひろがり、成長を生むきっかけフィルター

Any_勉強スペース2

ー 『Any』の特徴と遠州エリアならではの、他との違いを教えて下さい。

コンセプトは『コトとヒトと価値が交じり合い、新しいコトが起こる場所』。つまりここは「仕事」だけの場所ではなく、街の縮図のようなイメージに置き換えて、「場所、時間を共有する」というキーワードで利用できるような空間にしたいと考えました。

それを設計やゾーニングに反映させていますが、ここでポイントは、東京や大阪の輸入物じゃ意味が無いということです。大事なのは地域にあるコンテンツと地域にある人ですよね。この部分が広がったりつながったり成長しないと地元らしさが出ないと思うのです。

浜松のある遠州地域の場合、郊外を拠点に活動されている方も多く、『Any』はきっかけのフィルターみたいな役割だと思っているんです。

ここで『Any』のフィルターを通って他のエリアの人や情報に出会う。そういう方同士が次には、『Any』を通さなくても交流できるようになる。こうして『Any』に良い印象を持っている方たちが新しい交流をどんどんして、広範囲で仲間が増えていくんじゃないかなと。

こうした人のつながりや広がりによる活動こそがにぎわいの原点であり、街だけでなくエリアの価値が上がっていくと思うんです。そこにはある1つの場所にだけ人が集まるということではなく、その周辺で活動している人や活動そのものとの間に新たな重なりが生まれることをイメージしています。そういった意味でも様々な方が『Any』フィルターを通っていただけたらと思います。

1人で仕事をする人が求めているつながりの場。どう使うかは自由

Any_セミナースペース

― 最寄り駅から徒歩3分という立地ですが、どんな方が利用していますか?

1人で仕事をしたい方は自宅なり専用の場所があると思うんですけど、その中でこういう場所に来る人は自分が次のステージに行くために、情報や人とのつながりが欲しいという方が多いと思います。

エリア的には徒歩・自転車圏内の方とJR、遠州鉄道沿線の方が多いですね。業種は様々ですが、実際、利用者さん同士のつながりが生まれているので、コミュニティという方向性は間違っていなかったと思っています。

― 働く場、見せる場、学ぶ場、憩いの場がゾーニングされていますが、どんな風に利用されているんでしょうか?

展示もワークショップもやっていてカフェもオープンしているという状態だと人の流れが生まれるので、利用者にも主催者にも喜んでいただいています。普通に歩けば1分の道が、5分、10分かかる楽しみがあると面白いですね。

使い方は自由で、コワーキングでは集中して仕事や読書、資格の勉強もできますし、カフェスペースは仕事の打ち合わせで使う方もいます。ランチに来た人が展示スペースを見ていったり、ワークショップの人が帰りに展示やカフェに寄っていったりなど、それぞれが相互に共有して使っていただいています。

遠州地域の面白い人が出入りする場に

― 今後はどんな場所にしていきたいですか?

フロア内のレイアウトはフレキシブルに変更できる仕様にしてあるので、今後は利用してくださる方のニーズにお応えするかたちで、コワーキングスペースの席数や設備などを変えていきたいですね。

全体の未来像としては、もっと多くの人に利用していただいて、面白い人に出入りしていただける場になるよう努めていきます。ビジネスで成功している人、ライフワークで地域に無くてはならないコンテンツを形成している人、影響力ある人など、老若男女問わず。そういう人たちにとっても必要とされる場所になるよう、僕ら自身も成長していきたいと思います。

開かれたコミュニティとして、今後はイベントも定期的に企画していきたいです。一過性のものなら東京から偉い人を呼ぶだけでいいかもしれないけど、東京から人を呼んでコンテンツ持ってきて、それで何をしたいのか。それを地元におきかえると何だろう? と考えて、遠州地域にもこんな人がいるんだよという情報を伝えていきたいですね。

さらにその活動が点で終わらないように、線とか面になるようにサポートしたい。浜松のあちこちに散らばっているすばらしいコンテンツをつなげる場、活動する人の表現の場、コミュニティとしての役割を持つコワーキングスペース。『Any』ならそれができると思うんです。

― ここから何か新しいことが生まれそうでワクワクしてきました。本日はありがとうございました!

(おわり)

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