個人事業主が払うべき税金「個人事業税」とは?

個人事業税は事業を行なっている地域に納める税金
個人事業税は事務所や事業所など、自分が事業を行なっている地域に納める税金のことです。つまり、東京都に事務所がある場合は東京都へ、千葉県に事務所がある場合は千葉県へ個人事業税を納めることになります。
ただし、全ての個人事業主が納めなくてはならないというわけではなく、個人事業税を課税されない人も多いため、存在を知らない人も多いのではないでしょうか。
理由としては、「個人事業税は法律で70業種のみに課税される」と定められているためです。加えて、当てはまる業種であっても課税されないことも多いのです。
個人事業税は事業主控除で290万円控除される
所得税は確定申告の際に、青色申告や白色申告によって控除されることを知っている人も多いでしょう。しかし個人事業税は、確定申告で国に税金を納める時のように青色申告などで控除を受けることはできません。
代わりに、290万円の事業主控除があります。そのため、所得が290万円以下となっている場合は課税しなくてもいいので納付書が送られてくることはありません。
また、赤字となっていたり災害などで損失があったりする場合なども繰越控除を受けることができるので、所得が290万円を上回っていたとしても課税されないケースもあるのです。
所得税の計算よりも所得が大きくなることもあります
確定申告で所得税の計算をするとき、青色申告特別控除を受けることができますが、個人事業税では青色申告特別控除がありません。
売上から必要経費を差し引いた分が所得として計算されるため、所得が所得税の計算より大きくなってしまいます。計算方法は (売上-経費-290万円) × 税率となります。
税率は業種により異なりますが最低3% (医療に類する事業など) で、最高5%となっています。税率に関しては各都道府県の主税局などのホームページで確認することが可能です。
個人事業税が関わってくる仕事をしている人は、課税対象の業種とともにしっかり税率も公式サイトで確認しておきましょう。
個人事業税は確定申告で申告されたことになる
個人事業税も申告書を提出しなくてはなりません。事務所などがある都道府県に申告書を毎年3月15日までに提出することで申告することができます。
しかし、特にそのような申告を行なっていなくても個人事業税の納付書が都道府県から送られてくる人もいます。理由は、確定申告書を税務署に提出することで、個人事業税の申告書も提出されたとみなされるためです。
だから、身に覚えがない税金の納付書が届いたというケースがあるのです。ちなみに、個人事業税は確定申告を行なっていれば、自分で計算する必要がありません。
管轄の税務署が都道府県と協力して自動的に計算してくれるので、確定申告のときのように自分で全て計算する必要はありません。
毎年8月と11月に個人事業税を納めます
所得税は確定申告をしてすぐに納めることができますが、個人事業税は確定申告した後の8月と11月に納めることになっていることも覚えておきましょう。
8月に半分、11月に残り半分の金額を納付して個人事業税の支払いは完了となります。所得が増えてきたら課税される上に、忘れた頃に納付書が送られてくるので、お金を工面するのに苦労する人も少なくはないようです。
もしも、事業が順調に拡大をしていて所得が290万円を超えそうな場合は、ある程度、大まかな計算をして、きちんと手元に個人事業税用のお金を用意しておくことをおすすめします。