終の棲家はスペインに決めている! 50歳から見つけた、新しい海外移住のあり方

終の棲家はスペインに決めている! 50歳から見つけた、新しい海外移住のあり方
アメリカの格言に「本当の人生は40から始まる」という言葉があります。人生は何歳からでもリスタートできる。ご紹介するフリーランスは50歳の頃に、スペインへと移住。本業の指圧マッサージ師の仕事の傍ら、クラウドソーシングを利用し、フリーライターとして活動を開始しました。陽気で明るいスペイン人の街で、趣味に仕事に生き生きと取り組む、女性フリーライターをご紹介します!
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なぜ遠い日本からスペイン移住を決めたのか?

私がここスペイン・アンダルシアの地方都市に在住して15年になりますが、一番多く聞かれることが「なぜスペインを選んだか?」という質問です。

ここはコスタ・デル・ソルと呼ばれるスペインでも人気のリゾートでヨーロッパ各地・中東・南米・中国など世界中から多くの人々が移住しています。

ヨーロッパからの移住者の一番の理由は、年間平均気温が18度というコスタ・デル・ソルの温暖な気候であるためです。

気候も魅力ですが、私の場合はそれがメインの理由ではなく、何といっても人々のライフスタイルに魅了されたからです。

こちらに来る前は日本を脱出したくて、アメリカ(NY・LA)ドイツ・ハンガリー・デンマーク・東南アジアも含め多くの国を訪れました。

2000年春にスペインを初めて訪れて気に入り、こちらに住み始めたのが50歳の時です。アメリカの格言に「本当の人生は40から始まる」とありますが、私の場合は50からのスタートでした。会社勤めでなく、フリーランスで生きていくライフスタイルを選んだのです。

スペイン生活の魅力は、人々のライフスタイルとゆったりした時間の流れ

空に浮かぶ虹

スペイン生活の一番の魅力は、何といっても人々の生活スタイルです。スペイン人は15世紀にコロンブスがアメリカ大陸を発見して以来、海外遠征をして長期にわたり南米の多くの国を制覇してきました。

スペインは元来ヨーロッパにおけるラテンの国だと私は認識しています。国民性を見るともちろん南米のラテンの人々とは違いますけれど、それでもラテン民族の気質は根本に持っていると思うのです。

基本的に陽気で急がない生活スタイルが私が気に入った点です。アンダルシアの常套句で「Hasta Mañana」これは「また明日ね」という意味ですが、すべてが今日でなくそんなに急がなくて明日でいいじゃない、ということにもなります。

律儀な日本人からしたら、いい加減と言えないこともないですけれど、私自身はそんな生活スタイルが気に入っています。良くも悪くも時間にあくせくしていない、ということが言えるかと思います。

面白い例ではスペイン人同士集まって解散するときに誰かに「アディオス」と別れの挨拶をして、そこから30分くらい会話が続くのは当たり前の光景なのです。そんな環境下でフリーランスとしてものを書いていく働き方は、私にとても合っていると思っています。

フリーランスだからこそできる、こだわりの日焼け

肌の黒い女性と子供

私がこちらに来て一番最初に驚いたのはビーチの光景です。日本で夏のビーチといえば若者たちのナンパのメッカとなりますが、こちらのビーチは中高年者で溢れています。

豊満すぎる肉体を惜しげもなく披露するおばさま方、スペインでは中年過ぎるとだいたい太ってきますので、ビール腹のおじさま方などが朝から大勢でわいわい言いながらビーチを楽しんでいます。

私は日本にいたときから夏は何とか黒くなりたいと思っていたのですが、ホテルのプールは高くて行けないし、まして平日は会社勤務で時間も縛られていたので、日焼けはあきらめていました。

それがこちらでは毎日大手を振ってビーチに出て日焼けができて、もう私にとって天国です。この10数年というもの毎年4月からビーチに出始め、9月末まで毎日その間は1日2時間太陽の下で身体を焼いています。

それが出来るのはビーチが近いという環境もありますが、定時に縛られないフリーランスという働き方を手にしていることが一番の理由です。

スペイン生活の一番の楽しみはダンス

こちらに来て最初に付き合ったイギリス人男性の勧めで、2人でセビジャーナスとラテンダンスを習い始め、彼と別れた後も私1人で続け、今ではダンスなしの人生は考えられなくなっています。

基本的にダンスは若い時からソウルミュージックが大好きで、黒人が出入りするディスコには親の目を盗んでよく行っていたのです。でも年を重ねるにつれ、日本では行かれるところがなくなって悔しい思いをしておりました。

それがこちらは大違い、ビーチと同様年配者が楽しめるディスコがたくさんあるのです。中には60代以上専用と思われるようなディスコもあってびっくりですが、中高年過ぎても楽しめる環境がたくさんあるのは本当に素晴らしいことだと思います。

このラテンダンスに関しては、もっと早くからやっておけばよかったという後悔はあります。そんな私もこちらでのダンス歴10年、今ではゲイのダンスパートナーと共に新しい人たちに教えています。このまま人生最後の日まで踊っていかれたら本望です。

私にとってフリーランスで書いていくこと

こちらでの私の本職は指圧マッサージ師です。開業して6年くらいはこちらもバブルでしたし、十分すぎるほどお客様に恵まれていましたが、スペインの経済状況が悪化してからというもの、継続は難しくなっています。

文章を書くこと自体は元々好きだったので、最初はMixi から始め2009年アメーバブログに移行。それ以来、1年半のブランクを除き、こちらでの生活やスペイン情報を記事にしてほぼ毎日投稿してきました。

2010年に日本にいた娘がこちらで住み始め、その後2011年と2015年に孫娘が生まれました。それで彼女たちが大きくなったときに、YaYa(スペイン語でおばあちゃん)が歩んだ人生や感じたことなどを知ってもらいたく、ブログ記事から抜粋して「SPAIN YaYaの面白エッセイ」をシリーズ化して電子書籍の作成も始めました。

まだ他にも作成したいテーマがあり、電子書籍作成は私にとってはライフワークとなりつつあります。それとは別にプロとして活動したくて、昨年暮れから本格的にフリーランスとして書き始めました。

幸い自宅でお客様を待つことも仕事なので、使える時間は沢山あります。時間の配分さえうまくできれば、自宅で書く作業はこの上なく私にあっていると思うのです。

フリーランスとして、自分が好きな書くことで報酬がいただける、それは素晴らしいことだと思います。ダンス同様年に関係なく、人生最後の日まで書いていきたいと願っています。

今は孫たちの近く、海岸沿いのホテルに1人住まいをしています。フリーランスで書くのにもってこいの住環境と今の生活スタイルにも満足しています。私はスペインの地を、『終の棲家』と決めているのです。

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