大事なのは覚悟? 個人事業を開業する際に必要な心構え

このまま開業しても大丈夫!? 個人事業開業前にセルフチェック
法人を設立せずに個人で事業を行なう「個人事業」。フリーランスとして独立する際や、会社を辞めて自営業を営むといった場合には、個人事業の開業が必要となります。
そんな個人事業の開業についてネットで検索すると、まず出てくるのが独立開業の仕方や開業に必要な手続きについて。開業のノウハウや手順をしっかり理解しておくことも確かに大事なのですが、忘れてはいけないのが、個人事業主としてやっていくことへの覚悟や開業後のビジョンを再確認すること。
「個人事業主は会社に縛られることなく自由」というイメージを持つ人も多いかもしれませんが、決して楽しいことばかりではありません。苦境に追い込まれた時に立ち向かっていけるだけの覚悟はありますか? 開業する前にもう一度真剣に自分自身に問いかけてみましょう!
個人事業主として開業したいと思ったきっかけや理由は?
まずは、開業を目指すと決めたきっかけや理由を改めてはっきりさせましょう。「今の仕事が面白くないから開業して独立したい……」「もっと自由な時間がほしいから開業しよう……」「うまくいけば儲けられるし、とりあえずやってみるか……」このような理由で開業を決断するのは非常に危険です。
営業から受注、取引先との打ち合わせに支払いまで、仕事に関する全てを自身で管理する個人事業主。さまざまな困難や思わぬトラブルにも全部自分で対応していかなくてはなりません。
また、仕事が得られない時期が続くと、収入が全くないという事態に陥る可能性もあります。「こんなに大変だったとは」「こんなはずではなかった」と後悔する前に、何があっても揺るがない開業への覚悟があるか、しっかり確認しておくことが必要です。
個人事業の内容は? 開業したらどんなことをしたいの?
個人事業主になると決めたら、何をしたいのか、どんなことを実現していきたいのか、明確なビジョンを持っておくことが大切です。起業だ! 独立だ! フリーランスだ! と勢いで開業してしまうと、戦略不足や努力不足で仕事がなかなか得られず、軌道に乗る前に資金が尽きてしまうということにもなりかねません。
「これだけは他の人に負けない」というスキルや経験はありますか? 自分にしかない長所を最大限に生かして、他の人との差別化を図りましょう! 事業を始める前に、準備しておかないといけないものはありますか? 仕事内容によっては多くの資金が必要なので、手元に資金がない場合は開業資金の調達が必要です。
購入するものの優先順位を決めて、初期費用はできるだけ抑えておきたいですね! 事業の内容を明らかにすることによって、資格取得やスキルアップ、貯金など開業までの準備期間にすべきことも変わってきます。効率よく開業準備をしていく為にも、明確なビジョンを持つようにしましょう。
そもそも個人事業を開業するということは、どういうこと?
目的とビジョンを再認識できたら、個人事業主になるとはどういうことなのか、改めて確認しておきましょう。
自由に仕事ができるという魅力がありながらも、仕事への責任の大きさと収入の不安定さという大きなリスクを伴う個人事業主。個人事業開業の手続き自体は難しいことはなく、開業届を提出するだけで簡単に開業できます。
個人事業主になるメリットは、最大65万円の特別控除が受けられるなど節税効果の高い青色申告が可能になるということです。また、青色申告をすることで、赤字になった時は3年繰り越せるという利点もあります。
お店や個人事務所の名前を指す「屋号」を用いてビジネスを展開できることも大きな魅力です。登録した屋号の入った、ビジネス用銀行口座を開設することもできるようになります。
一方、個人事業主になるデメリットですが、経理が面倒で確定申告の義務が生じるこということが挙げられます。失業保険が出ないのも痛いところです。
個人事業開業のメリットとデメリット、両方を理解した上で個人事業主の道を選んでいますか? 個人事業を開業するということはどういうことなのか、開業前にしっかりと見直しておきましょう!
開業しようと決めたらその想いを書き綴っておこう
なぜ開業しようと思ったのか、開業してどのようなことをしていきたいのか、何を目指すのかといった開業の動機やこれからのビジョンは、文字に起こして残しておきましょう!
もちろん目の前の手帳などに書き留めて、自分の中だけで消化するのもいいのですが、開業に向けての「志」や開業するまでの奮闘・意気込みは、自身のホームページやブログなどに綴っておくのがオススメ。
書くという作業の中には、頭の中を整理するというプロセスが含まれています。想いを綴ることで、自分の中にある新たな気持ちにも発見できるかもしれません。
また、公開された場に決意表明することで、自分の意識が高まるという効果も得られます。さらに見る側からしてみれば、開業と同時にいきなり「今日から個人事業主としてがんばります!」と言われるより、それまでの経緯やストーリーが見える方が、より関心が高まり応援したくなります。
個人事業主としての将来設計を再確認して覚悟を決めたら、その熱い想いをぜひ共有してみてください。見ていてくれる誰かが、あなたの心強い支援者になってくれるかもしれません!