職業は、役者・ナレーター・インタビュアー | パラレルワークで実現した私の働き方

職業は、役者・ナレーター・インタビュアー | パラレルワークで実現した私の働き方
「本当に自分がやりたいこととは何か?」と自問自答した末に、出てきた答えは「俳優」という仕事でした。とはいえ、険しい芸能の道。俳優としてさらに表現の幅を広げ、ステップアップしていくには、自分の可能性にフタをせず、様々なことにチャレンジしていく必要がありました。軸である役者業はもちろん、ナレーターやインタビュアー、スチール撮影のカメラマンなどパラレルワークを実践するフリーランス・石川 裕太さんをご紹介します!
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退職後に感じた不安と役者への第一歩

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私は高校を卒業してすぐに就職しました。会社は少林拳という武道団体。技に魅力があり、たくさんの門下生を指導する、とてもやりがいのある仕事でした。

しかし、3年目を迎える頃から「本当に自分がやりたい事は何か?」と考えるようになりました。その中で浮かんだものが『俳優』という今まで経験のない職業でした。

俳優という厳しき道を選んだ理由の一つは、会社に属さず個人の力で稼ぎたいと思ったからです。おそらく、父が自営業(電気工事士)を営んでおり、幼い頃から働く姿を見てきたからだと思います。

個人で仕事の受注を行ない、こだわりを持って仕事をする姿がかっこよかったのです。私も俳優として個人の力で働いてみたいと思いました。

では俳優のキャリアはどうしたらスタートできるのか? 仕事にするにはどうしたらいいのか? 休日は一日中パソコンで調べました。その中で生まれた不安材料は、一般企業からフリーランスとして起業する方と変わらない問題だと思います。

問題点は、今までと違って不安定な収入になることや、始めてみないと仕事の向き不向きがわからないこと、将来性があるかわからないこと、謎の多い世界、コネが全くない、賛同者がいないなど。

不安材料が頭の中をグルグル回りました。キャリアのスタートは下北沢の小劇場を拠点に古くから活動する劇団でしたが、不安材料であった不安定な収入以外はおおよそ解消されました。

「芝居が楽しい!」と思う気持ちが不安材料を消していき、多くの舞台出演につなげてくれたのです。芝居が未来を明るく作ってくれた気がします。

クラウドソーシングとの出会い

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「役者だけでは食べていけない。役者の技術にプラス α するならITがいいんじゃないか?」そう提案してくれたのはお世話になっているクリエイターさんでした。そこで紹介してもらったことが、クラウドソーシングとの最初の出会いです。

クラウドソーシングで何ができるか? 何度もサイトを見て考えた結果が、ナレーション制作の仕事でした。役者としてもっとスキルアップしたいと考えていた私は、声を自由自在に操らなければいけないナレーションの仕事を経験することで、役者の技術向上に還元できると考えたのです。

また、自宅で録音編集をして納品まで完了できるナレーション制作は拘束時間がなく、空いた時間に自由に仕事ができます。これは役者を続ける上で大切な条件です。

なぜなら突然、撮影やオーディションが入るからです。このナレーション制作は、そんな役者に優しく手を差し伸べてくれるようでした。

「結局職業は何?」と言われた現在の働き方

役者の仕事は孤独だと感じます。作品の度に新しい出会いがあり、必ず別れがあります。これは本当に悲しいことです。作っては壊し、作っては壊しの連続。言ってしまえば、役者には継続した仕事も、人との繋がりもないということです。だからこそ役者の皆さんは与えられた現場を大切にします。

私も寂しさや虚しさを知って、はじめて現場を大切にするようになりました。それからは不思議と出会った方や、思いもよらぬところから仕事を頼まれるようになったのです。

内容は様々ですが舞台の裏方、受付のスタッフ、ご当地キャラのアテンド、イベントのMC、舞台本番の動画撮影、役者のスチール撮影、ナレーション、インタビュアーなど、役者業から派生しています。

常にやりたいことに挑戦できる環境にいる

暗転した舞台

私は本業である俳優業はもちろんの事、新規の依頼は業種関係なしに必ず受けたいと考えています。新規の依頼には、新しい出会いや発見があり、そして経験できることは役作りに大きく役立つからです。

そのために必要になってくる仕事は、ナレーション制作やライティングや動画の編集です。これらは自宅やカフェでもできます。私は旅先でも働きます。仕事はパソコンさえあれば、空いた時間にできる素晴らしいものなのです。

主な受注先はクラウドソーシングや映像制作会社、チームで活動する仲間たち。スケジュールを自由に調整することで本業と重ならないことに成功しています。また、個人で受注することが今までの働きかたと違い責任感ややりがいを生み、夢中になれるのです。

役者としての未来の働き方

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俳優の世界で生き残ることは至難の技です。俳優としての未来を築く方法は一つ、人から必要とされる人間になることです。そのためにはインターネットの世界で活動することが必要不可欠だと思います。

ネットの力を借りて、顔や姿や声、内面まで伝えることができたら役者としての将来の可能性も増えるのではないかと思います。まずは仕事を受ける窓口として、自身のウェブサイトの充実化を図りたいと考えています。

今現在、ウェブライティングと宅録のナレーション制作の仕事があります。特に、たくさんのプロモーション映像やアプリが作られている今、宅録でのナレーション制作は重宝されているのです。

そのために自身のウェブサイトにたくさんのボイスサンプルを載せ、声色とノイズの問題がないことを聞いてもらう必要があります。また俳優としての仕事をいただくためには出演作をきちんと映像として載せ、本人の素材や表現方法や役作りの柔軟性を見てもらう必要があります。そしてコンタクトの取りやすいコンテンツを日々作っていくことが、今後は必要となってくるのだと思います。

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