フリーランスの請求書作成で使えるテンプレートをご紹介

フリーランスにとっての請求書とは?
会社員として働いていたとき、請求書の作成は経理部門がやってくれましたよね。でもフリーランスとして独立すると、成果物を正確に納品するだけでなく、請求書を作成・送付して、期日の入金チェックまで、すべて自分ですることになります。
独立当初に税理士さんを雇う人は少ないでしょうから、まずは独学で勉強して実践していきましょう。請求書は法人(株式会社等)であれば7年、個人事業主であれば5年間の保管義務がある大切な書類です。
税務調査が入ったときには、取引履歴を裏付ける証拠となるため、定められた期間は大切に保管しておきましょう。家計簿で例えるのであれば、旦那さんのレシートでチェックした金額と手元の残高が合わないとき、奥さんから「あなた、何か内緒で買ったんじゃないの?」と疑われてしまうことでしょう。税務署も同様に、取引履歴とお金の動きに不審な点があれば、徹底的に調査するのです。
請求書に記載しておきたいこと
意外かもしれませんが、請求書に決まったテンプレートはありません。会社の経理部門が使っている請求書は決まった書式で印刷されますが、それは請求書発行のプリンターを販売する会社がデザインした書式であって、全国共通のものではないのです。
しかし国税庁の「請求書等の記載事項や発行のしかた」で調べてみると、請求書を発行する際に明記しておきたい項目が書いてありました。
1、書類作成者の氏名又は名称
2、取引年月日
3、取引内容
4、取引金額(税込み)
5、書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
この項目が網羅されていれば、どのようなフォーマットで作成しても自由です。請求方法は、成果物の納品ごとに請求する「都度請求方式」か、毎月20日・月末等の締日に合わせてまとめて請求する「掛売請求方式」かで分かれますので、取引先と事前に相談してください。
請求書作成で気をつけたいポイント
請求書を作成する際に、正確に記載するために気をつけたいポイントが3点あります。
1、源泉徴収
2、振込手数料
3、消費税
「源泉徴収」については、自分の仕事が該当するのかを調べておく必要があります。一般的に「原稿料」「デザイン費用」「講演料」「モデル費用」「弁護士・司法書士・税理士への報酬」などが該当するため、フリーライターやデザイナーの方はとくに注意が必要です。
もし該当するのであれば、あらかじめ計算した金額を請求書に明記しましょう。「振込手数料」は、クライアントと「どちらが負担するのか?」を事前に決めておきましょう。
一般的には「お金を受け取る人」が負担する場合が多く、請求額から振込手数料が差し引かれた金額が入金されます。取引がはじまる段階で忘れずに取り決めしておきましょう。
意外と見落としがちなのが「消費税」。「内税」「外税」の扱いを決めていなかったばかりに「微妙に金額が帳簿と合わない……」ことになってしまいます。
消費税の取り扱いに正解はなく、あくまでも会社と事業主の方針によるものです。こちらも取引が始まるときに取り決めしましょう。
フリーランスのライターが気をつけるべき注意点
私はフリーランスのライターで、クライアントへの請求書は「原稿料」という項目で発行しています。その他に取材経費がある場合は、「交通費」「宿泊費」と項目別に明記し、前述した「源泉徴収税」を明記します。計算方法は以下の通りです。
◼︎ 100万円以下の場合:源泉徴収税額=支払金額×10.21%
◼︎ 100万円を超える場合:源泉徴収税額 =(支払金額–100万円)×20.42%+102,100円
源泉徴収税は、基本的に消費税を含む支払った金額すべてを対象に計算しますが、請求書で報酬金額と消費税が明確に分かれている場合には、報酬額だけを対象に計算することができます。
無料で使える請求書テンプレート
エクセルファイルで請求書のフォーマットを1からつくるのは面倒ですよね。そんな方に朗報! インターネット上には請求書フォーマットを無料ダウンロードできる便利なサイトがありますよ。そのうちから、何点かご紹介したいと思います。
1、MFクラウド 請求書テンプレート
2、みんエク! みんなのExcelテンプレート
3、「書式の王様」
4、請求書作成サービス「Misoca」無料テンプレート
様々なデザインのフォーマットを無料ダウンロードできますので、好みのものを選んでください。請求書は「堅いデザイン」が多いので、かわいい、おしゃれ、さわやかなフォーマットを選ぶだけでも、クライアントに自分のことを印象づけることになります。
もちろん仕事のスキルと成果物のクオリティが大切ですが、自分の名刺代わりにお気に入りのテンプレートをチョイスしてください!