業務委託を受けている会社の名刺を持つのはアリ? ナシ?

業務委託元の会社の名刺を持つのは避けたほうが良い
会社に所属・雇用されているわけではないがパートナーとして一部の業務を受託するのが業務委託です。契約をしているといっても業務の遂行以外は比較的自由であり、営業時間や働く場所などは個人で選ぶことができる場合がほとんどです。
そのため、業務委託を受けながら他のお仕事も平行してこなす方が多く、安定した収入を見込めることからフリーランスの方に人気の働き方です。
時には依託元と一緒に、または代行で第三者に会うこともあります。初対面の場合にまず行なうのが名刺交換ですが、業務委託を受けている場合でもその会社に属しているわけではないため、名前や肩書きだけが異なる同じ名刺を使用することはできません。
一緒に仕事をしているのだからいいのでは、と考えてしまいそうですが、業務を委託されているだけであってその企業の従業員ではないため避けるべきです。業務上はチームであっても組織としてはまったく別であることを忘れないようにしましょう。
会社の名刺を使用すると偽装委託になってしまうことも
その企業の従業員ではないのに同じ名刺を使用するということは、見方によっては「偽装委託」と受け取られてしまうこともあります。故意ではなかったとしても、実態が雇用(労働)契約であれば「偽造業務委託」と認識されてしまうのです。
業務委託でも会社の名刺を持つことに何の違和感も持たないという人もいますが、コンプライアンスに関わると考える人もいます。
名刺を持つということはその会社の顔になるということです。名刺を持たせる会社にも、名刺を持つ個人にも責任があります。信用が大切な企業にとって問題が起きてからでは遅いものです。
もし業務委託をすることになって会社から名刺を持つことを提案された場合でも、きちんと話し合ってお互いにトラブルを避けるようにしましょう。
別の名刺を用意し、業務委託先である旨を明記するのがベター
しかし業務委託を受けて仕事をする上では、その会社の名前が記載された名刺を用いて自己紹介をするほうがいい場面も多くあります。
その際に委託元の会社との関係性がまったくわからない名刺を使っていては相手を不安にさせてしまうかもしれません。委託している業務に関わる打ち合わせなどがありそうな場合には前もって専用の名刺を用意しておくといいでしょう。
名刺には「○○株式会社 パートナー」や「○○株式会社 提携先」などと明記すると信頼度が上がります。もちろんそういった名刺を作る際には必ず委託元の会社の了承を得てからにしましょう。
業務委託されている企業が複数ある場合
業務委託を受けている会社がひとつだけの場合は、その企業の名前を名刺に記載すればいいですが、それでは他にも委託されている場合はどうすればいいでしょうか?
提携先として記載されている会社と別の会社から委託された仕事をする場合にはやはりその会社名が入った名刺を使うことが望ましいです。
この場合、特に決まりはなく、一枚の名刺内に複数の会社名を「提携企業」として列記しても問題ありません。それだと委託されている会社からの印象が気になる、という場合はさらに別の名刺を持つという方法もあります。
複数の名刺を持つ場合は使い分けて持ち歩くことはもちろん、交換をした相手の名刺もそれぞれで分けて管理する必要があるため注意しましょう。
フリーランスとして働く上で名刺は必要?
フリーランスで働いている方の中には名刺を持っていない、特に必要と感じていないという方も多いでしょう。会社員だとしても役職に就いていたり営業に関わっていたりしないとあまり名刺を使わないことも珍しくありません。
名刺の役割は、渡した相手に対しての視覚的な自己紹介です。名前や職種・肩書き、所属している会社とその業務内容、連絡先などを記載することでわかりやすく認知してもらうことができます。
日本は世界の中でも名刺をとても大切にする文化を持っています。名刺交換のマナーや相手からもらった名刺の扱い方など、ここまで徹底している国は珍しいようです。
クラウドソーシングを中心にお仕事をしているフリーランスの場合は、なかなか名刺を交換する機会がないので持たないという方も多いですが、普段のなにげない生活の中でせっかくビジネスになりそうな出会いがあったのに名刺交換ができずにチャンスを逃してしまった、とならないためにも用意しておくといいかもしれません。