確定申告をe-Taxで行なうことのメリット・デメリット・注意点

確定申告をe-Taxで行なうことのメリット・デメリット・注意点
確定申告を行なう方法は大きく3つあります。「税務署で申請する」「郵送で申請する」…… そして「e-Taxで申請する」方法です。e-Taxとはインターネットを利用した電子申告システムのこと。24時間いつでも申請可能で、忙しいフリーランスにもってこいのツールです。しかし、メリットもあればデメリットもあるe-Tax。e-Taxの概要を正しく理解し、時間のかかる確定申告をスピーディーに終わらせましょう!
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まず『e-Tax』とは何なのか | その仕組みと制度を理解しましょう!

そもそも『e-Tax』とは何でしょうか。これは正式名称を『国税電子申告・納税システム』と呼ばれるインターネットを利用した電子申告システムです。

e-Taxでは酒税や消費税等の手続きも行なうことができますが、個人事業主の場合、主な用途は当然、所得税の確定申告となるでしょう。確定申告を行なう人の4割以上が利用しているというデータもあり、今や確定申告を行なうためには知っておいて損はないツールの1つと言えるでしょう。

当然、対人対応では無いため確定申告の時期は24時間受付可能であり、時間に不規則なフリーランサーでも空いている時間を利用して確定申告が行なえるのが大きな特徴の1つです。

なお、確定申告後の納税もオンラインで行なうことができるため、税務署へ1度も足を運ぶことなく確定申告が完了することができる非常にありがたいツールであるといえます。

e-Taxを利用して確定申告を行なうために必要な事前準備とは

ストレッチをする女性

では、e-Taxを利用するためにはどうすればよいでしょうか。確定申告というのは非常に取扱いに注意を要する情報であり、個人情報満載という点で機密性の高い情報でもあります。従って、事前準備にかなり多くの手順を踏む必要があります。

1、住民基本台帳カードの取得

まずは住民基本台帳カード(以下:住基カード)を取得する必要があります。住基カードは住所を管轄している役所の窓口で作成することができます。

ただし、詳しくは後述いたしますがマイナンバー制度の導入に伴い、住基カードは平成28年1月で廃止され個人番号カードに変わります。新たに発行手続きを行なう方は、その点にご注意ください。

2、公的個人認証サービスの申請

住基カードを取得したら次は公的個人認証サービスの申請です。これはインターネット上での本人確認に必要な電子証明書を役所で発行してもらうことですが、住基カードの発行申請と同時に行なうことも可能です。

3、ネット環境の整備

次にネット環境ですが、e-Taxのwebページに明記されている必要スペックを満たしたパソコンがあれば大丈夫です。また、住基カードに埋め込まれたICチップを読み取るためのICカードリーダーも必要です。事前に漏れ無きよう準備しておきましょう。

e-Taxを利用して確定申告を行なうメリットは大きく3つ

さて、このようにやや煩雑な手続きを経た後に利用可能となるe-Taxですが、利用するとどのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリットとしては、まず税務署に1度も足を運ぶことなく確定申告を終えることができるということが挙げられます。

ビジネスにおいては「時は金なり」です。何ら利益を生み出すことのない確定申告手続きにかかる時間を大幅に短縮できるというのは、メリットが大きいと言えるでしょう。

当然、ネット申告なので時間を気にせず24時間申告可能であることも大きなメリットといえます。

また、仮に還付金がある場合、e-Taxでの申告だと2〜3週間で還付が行なわれます。金額の過多に関わらず、キャッシュフローの観点から考えるとメリットはあると言えます。

同様に医療費の領収書や源泉徴収票等は、その記載内容を入力するだけで済み、書類の提出を省略することができるというメリットもあります。

e-Taxを利用して確定申告するデメリットももちろんあります

バンカーに落ち込む老人

では逆にe-Tax利用のデメリットを見ていきましょう。まず何といっても準備の煩雑さは特筆すべきものがあります。確かにセンシティブな情報を取り扱う確定申告ですので、セキュリティ対策には万全を期す必要があります。

しかし、Java・Adobe Reader・公的個人認証、住基カード、ICカードリーダー等、利用者がすべてを1から準備するにはかなりの時間と手間を要します。

国税庁が「簡単に申告できる」と宣伝しているようですが、決して簡単ではないところがデメリットとして挙げられます。

また、インターネットやパソコンに詳しくない納税者にはサポート体制を敷いているのですが、このサポートが体制不十分のため結果的に手薄となり、かえって時間がかかったりすることもあります。

マイナンバーの導入により確定申告もe-Taxも変わっていく

さて、ここで気になるマイナンバー制度がe-Taxへ与える影響を見ていきましょう。前述の通り住基カードは廃止され、段階的にマイナンバー制度に基づく個人番号カードへと移行していく予定です。

マイナンバー制度が導入されればすべての公的書類はマイナンバーに紐づけされ、当然、確定申告の場においても手続きの簡素化が進むとみられています。

そしてe-Taxにおいてもマイナンバーを活用することとなるでしょう。ひょっとするとマイナンバーを画面に入力するだけですべての所得計算及び確定申告作業が瞬時に行なわれ、あとは承認ボタンを押すだけ、といった具合になるかもしれません。

マイナンバーが実際に導入されるのは平成28年の所得分からとなっています。28年のe-Taxは、現時点よりももっと操作性が高く手続きの簡素化が進んでいればよいですね。

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