ノマド論争からみるノマドワークのまとめ

ノマド論争からみるノマドワークのまとめ
正規雇用の減少・リストラなど、組織で働く事の安心感が薄れつつある現代。インターネットを通じ、個人の能力を活かした、新しい働き方を選択する人達が増えています。その中のひとつが「ノマド」。ノマドにまつわる論争=「ノマド論争」を通じ、ノマドのメリット・デメリット・資質についてまとめてみたいと思います。
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ノマド論争の今

インターネットを駆使し、カフェなどを転々としながら働くノマドは、世間の注目を集める存在です。従来のオフィスワークとあまりに違うワークスタイルが、「自由でかっこ良い」「そんな働き方で良いのか」など賛否両論の意見を生んでいます。

これらの論争は、安藤美冬氏、立花岳志氏らをはじめとするノマドワーカー達の活躍、ジャーナリスト達の書籍などと共に話題になり、ソーシャルメディアでは会社員VSフリーランスの攻撃的な論議も繰り広げられました。

現在、論争は「ノマド論争のまとめ」的記事や「ノマドを○年間やってみて」など総括的な内容に移行しつつあります。

ノマド論争にみるノマドのメリット

総括的な記事が出始めるなか、論争の中で語られたノマドのメリットを改めて見直すと、下記のようなものがあります。

・仕事場を自分で選べる=居心地の良さを重視して仕事場を変えられる
・外で仕事をすると気分が変わってアイデアが浮かびやすい
・外に居るので急な打ち合わせの時に移動しやすい
・空いた時間などを利用して仕事を進められる
・経費の削減(オフィスの賃貸料、スーツ代、通勤費など)

論争賛成派の意見をまとめると、「自分に合ったやり方で仕事ができる」というところがノマドの魅力のようです。また、論争がブームになった頃よりも、ネット環境はさらに良くなり、ノマドワークができる場所は増えました。

ノマド論争にみるノマドのデメリット

論争で語られていたノマドのデメリットも見てみましょう。

・団体行動がとれないように見える
・管理者がいないので仕事のスピードが個人の裁量によって変わる
・組織で分担していた経理、営業、総務などの仕事も全て自分でこなさなければならない
・オン・オフの切り替えが難しい
・会社というバックアップがないので社会的な信用を得られにくい

論争でノマドに批判的意見を挙げている人達の中には、「ノマドはそんなに甘くないよ」と警鐘の意味を込めて意見している場合があります。「自分もやってみたいけど出来ない」人が嫉妬心から批判をしている場合もあります。注目すべきは、実際にノマドワーカーになってみたけれど「孤独になった」「失敗した」という意見があることです。

いずれにせよ論争反対派の意見は、「社会的にも能力的にも簡単な働き方ではない」という意見が圧倒的です。

ノマド論争にみるノマドの素質

ノマドワーカーにはどんな素質が求められるのでしょう。

現在、活躍しているノマドワーカーに共通しているのは、どの方もノマドに必要な機材を持ち、知識と心構えがしっかりしているという事。

機材とはPCやスマートホン。知識とは、それまでに培った職業のノウハウ、経営などの知識になります。これらを持ち合わせていることはノマドの大前提。最も資質を問われるのは心構えの部分にあると考えられます。

組織に縛られず自由な独り身だからこそ、すべてを自分で引き受ける覚悟と責任、心構えが求められるのです。自分で決めた選択、行動に対する成功と失敗は、すべて仕事の結果として自分に返ってくることになります。

そこにやりがいを感じられるかどうかがノマドワーカーの素質と言えるのではないでしょうか。

以上、ノマド論争の中で語られる、ノマドワークについてまとめてみました。結局、ノマド論争とは働くという事への価値観のぶつけ合いで、どの意見も正解ではないように思います。

論争の中から見えてくることは、働き方に対する価値観や選択肢に多様性が出てきたということ。そして、日本の社会構造が大きく変わろうとしていること。10年後を見据え、いまから独りでもやっていける能力を身につけておく事は大切な事かもしれません。

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