在宅ワークと内職の違い、あなたはきちんと答えられますか!?

在宅ワークと内職、そもそも何が違うの?
実は、在宅ワークと内職とでは、仕事をするうえでの立場がまったく異なります。内職をする人は「自宅で自分の好きな時間を利用して作業をしている」という点では個人事業主に近いのですが、製造業者などから支給された原材料を加工して納品することで工賃を得る「労働者」と定義されています。
お金のやりとりについても、発注者へ請求行為を行うことはなく、納品すると1か月以内に伝票などに基づき工賃が支払われます。これに対して、在宅ワーカーは仕事を請け負う「個人事業主」という定義です。
在宅ワーカーは、請負契約に基づき報酬を得るために成果物を作成(サービスを提供)し、納品後に在宅ワーカーから発注者へ請求行為を行ないます。
在宅ワークと内職、守られているのはどっち?
在宅ワークと内職ともう1つの違いに、法律によって守られているか否かということがあります。さて、法律に守られているのはどちらだと思いますか?正解は「内職」。
内職は「家内労働法」という法律によって工賃の最低額、安全、衛生面の最低基準が決められ、法によって労働環境が守られています。(あくまで名目上ではありますが)それに対して比較的新しい働き方である在宅ワークは、厚生労働省発行のガイドラインはあるものの法律はまだありません。
仕事を探す場合も、内職は自治体の担当窓口であっせん業者を紹介してもらうこともできますが、在宅ワークにはそういった自治体によるサービスはありません。「自分のことは自分で管理してくださいね」というのが在宅ワーカーの現状なのです。
在宅ワークと内職、まさに「似て非なるもの」
さあ、在宅ワークと内職の違いがいろいろみえてきました。そうなると、2つを区別するもっとわかりやすい基準はないのか、気になるところです。今度はそれぞれの業務内容をみてみましょう。
在宅ワークは「パソコンや電話などの情報機器を使って行う」業務とされています。具体的には、データ入力、ホームページ制作、翻訳、イラスト、デザイン、CAD、テープ起し、プログラミング、システム開発などが該当します。
一方、内職の業務は家内労働法によって「製造又は販売業者から委託を受けて物品の製造加工を行なう」と定義されています。例えば、部品や土産物の組み立て、珍味の袋詰め、ダイレクトメールののり付けや裁縫など、手作業で行なうものがほとんどです。
この通り、在宅ワークと内職の業務内容は、意外にもきっちり分類されているのです。2つを区別する一番わかりやすい基準かもしれませんね。
在宅ワークと内職、収入面はどうなの?
では収入面はどうでしょう。比べてみるとそこにも大きな違いがありました。違いとは、内職は就業時間に対し工賃が比例していくのに対し、在宅ワークは作業時間はまったく関係なく、個人のスキル、裁量により報酬額が変化するという点です。
内職は一般的に単純作業が多いので、1つの単価がとても安く設定されています。1時間当たりの平均工賃額(必要経費を除く)は477円という厚生労働省のデータ(平成18年)もあります。
もちろん、在宅ワークにおいても1時間あたりで考えると内職に近い報酬額もありますが、専門性の高い仕事で、かつ実績があれば高収入も見込めるのが大きな特徴。本気で収入を得たいと思うなら、在宅ワークを選択する方がベターといえるでしょう。
在宅ワーカーとしてより高みを目指すなら……
ランサーズに登録している方、またこのページを読まれている方は圧倒的に在宅ワーカーやフリーランスの方が多いと思います。となると、在宅ワーカーの平均的な月収というのも気になるところですよね。
厚生労働省のデータ(平成24年)によると、在宅ワークの平均的な月収(1ヵ月あたりの手取り)は、「5万円以下」が 最も多く全体の27.7%。「9万円以下」が45.7%と全体の約半数を占めます。
一方、「40~69万円」が10.0%、「70~99万円」と「100万円以上」という強者もそれぞれ1.8%います。数字をどう見るか。おそらくこのクラスの人達は、在宅ワーカーというよりフリーランスといわれる人達でしょう。
エンジニアやデザイナーなど専門性の高い職種であれば、不可能な数字ではありません。その場合、家事や育児の合間に……という働き方とは決別することになるでしょう。
どんな働き方にもメリット・デメリットがあります。いろいろな働き方が選べる時代だからこそ、現在の自分の環境や能力を見極めていく力がより必要となってくるでしょう。