動画職人から鍼灸師まで同居する、カオスな職能実験空間|Co-Labo 多治見

動画職人から鍼灸師まで同居する、カオスな職能実験空間|Co-Labo 多治見
多治見駅より徒歩15分、住宅地のなかにひっそりと存在する「Co-Labo多治見」(コラボたじみ)。建物に足を一歩踏み入れると、元・町工場とは思えないスタイリッシュな空間が広がります。岐阜県内でも数少ないコワーキングスペースのひとつ。本格的フォトスタジオなど充実した設備を併設し、東濃地区のフリーランサーを支えています。Co-Labo多治見の運営者である女性税理士、林千代子さんと、広報担当の伊藤さんが迎えてくださいました。
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多種多様な「Co」の交差点。地域密着型ビジネスラボラトリー。

多治見駅から土岐川を越えて南東へ。新羅神社からすこし入った住宅街の突き当たりに、なつかしい佇まいのグレーの建物が見えてきます。以前は町工場として使われていたその場所はいま、近隣の起業家やフリーランスが集まるシェアードワークスペースとして生まれ変わり、多様なビジネスが交差する東濃地区の新たな拠点となっています。

いつのまにか様々な分野のスペシャリストが揃ったという、まさに実験室のような空間。鍼灸師からIT職人まで懐深くコラボする、運営者の林さんにお話を伺いました。

コ・ラボ多治見』ワークスペース情報
■場所:岐阜県多治見市三笠町4-41-2(多治見駅より徒歩15分)
■料金:レギュラー会員 / 1day 500円(登録料1,000円、月会費500円)
    ビジター会員 / 1day 1,000円(登録料1,000円、月会費なし)
    オフィス会員 / 月額1,836円/m² ※広さによって異なります
    (登録料なし、保証金80,000円〜、自治会費3,240円/月)
     フリーブース(セミナールーム) / 12名収容、会員のみ利用可(500円/h、要予約)
     フォトスタジオのみどなたでもご利用可能(1,500円/h、要予約)
■営業時間:月〜土 9:00〜18:00(日祝休)※オフィス会員は365日24時間利用可
■席数:コワーキングスペース10席、レンタルオフィス7室
■電源:◯  ■Wi-Fi:◯
■特徴:自販機、無料ウォーターサーバー、駐車場完備

市のビジネス・インキュベータと連携。地元の起業家、フリーランスが集う場所。

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- ”コラボ”の名のとおり、さまざまな会員さんが利用されているようですね。

Co-Labo(コ・ラボ)という名前は、共同を意味する「Co」と、実験室を意味する「Labo」を組み合わせた造語です。Coは他にCommerce(商業)、Communication(通信)、Contents(コンテンツ)、Comfort(快適)などの意味も含んでいます。いろいろな種類のコラボが生まれる、新しいビジネスの実験空間になれればという想いをこめて。開設から1年が過ぎ、当初目指していた状況に近づきつつあるところです。

地場産業が衰退し、盛り上がらない状態が続くなかで、地域の多くのフリーランサーたちは日々頑張って活動しています。一人で仕事している仲間とつながってさらに大きく展開してもらうことを目指した、どちらかといえば地域密着型のコワーキングスペースです。それぞれ個人的なネットワークも広いですから、多治見周辺でプロフェッショナルを探したいときは、ここに来ていただければきっと見つかると思います。

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また多治見市の起業支援センター(ビジネス・インキュベータ)と密に連携していることもあり、そこでビジネスをスタートした起業家さんも多くいらっしゃっています。創業者や若い人、小規模事業者の方がここを拠点に情報を発信したり、新しい輪がつくられていって、地元が元気に盛り上がってくれればと思います。多治見に新たな拠点をつくりたい他地域の方ももちろん歓迎です。

外観からは予測不能。町工場に秘められたスタイリッシュなワークスペース。

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- エントランスや会議室など、グラフィカルな壁紙が美しくて目を引きますね。

内装に使われている個性的な壁紙は、私がデザインを選び、顧問先の印刷会社で特別にプリントしてもらいました。建物は私の両親が製造業を営んでいたとき工場として使っていた場所で、2階へ上がる無骨な階段は当時のまま残っています。

事業をやめて10年ほど空いていたので、私が税理士として独立したのを機に事務所として使わせてもらっていました。でも、自分一人で仕事するにはちょっと広すぎて(笑)。

なにか活用できる方法はないかと考え、人が集まれるコワーキングスペースにしようと、思いきって改装しました。ちょうど創業補助金を募集していた時期だったので、法人を設立して補助金の申請をしたところ採択されて、2014年9月無事オープンしました。

— ここでは会員の皆さんはどのように交流されていますか。

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コワーキングスペースのほかに固定のレンタルオフィスを7室併設し、コピーライター、カメラマン、行政書士、鍼灸師など多彩なメンバーが入居中です。いま空いている部屋には建築設計士、ピラティス講師が近日入居予定。思いがけず幅広い業界の方が集まりました。

オフィス入居者は「自治会」という名で毎月集まり、さまざまな話し合いや入居希望者の審査を行なうなど、運営にも積極的に関わってもらっています。教えていただくことも多いので、本当に皆さんに助けられながらやっています。

会員はいつも同じメンバーで固まるのでなく、それぞれ自立していて、必要な場面に応じてつながる感じです。一緒にセミナーを企画したり、自分ではできない仕事を補い合ったりという部分で、名前のとおりコラボレーションの機会が増えています。

フォトスタジオのみ、会員でなくても時間単位で利用できます(要予約)。背景スクリーンや照明など機材が一式揃った本格的なスタジオで、カメラさえ持ってきてもらえればすぐに良い環境で撮影が可能。ネットショップの商品写真撮影などに便利に使っていただいています。

フリーランスだけでなく、そのお客様をもつなぐHub(ハブ)のような場に。

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私自身、会社勤めのサラリーマンから独立して、お客さんを自力で獲得していった経験があります。フリーランスならではの悩みと言えば、やはり「営業」じゃないでしょうか。サラリーマンであれば社内や既存のお客さんとの関係のなかで仕事をやっていればよかったですが、独立していざ自分で仕事を始めると、自分から人とつながる努力を本当にやっていく必要があります。

多治見の人々は義理人情に厚く、すでに取引のある相手を大切に考えます。そのため、新しい人が入り込むのは難しい部分も正直あります。しかし関係性が一度できてしまえば、長く安定して仕事を続けていけるところでもある。だからこそ実際に「会う」という行為を重ねることが、お客様との信頼関係を築くためには大切なんです。

とはいえ、頭ではわかっていても、一人ですべてをこなしつつ、営業まで行なうのはなかなか難しいもの。会員の方からもよく同じ話を耳にします。

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なので、我々はCo-Laboに集まるフリーランサーたちの、営業活動を担えるような存在になりたい。それが今の目標です。今後は広告宣伝の手段やツールを整備して、Co-Laboで発信すれば何かしら反応が集まるというような状態にまで育て、少しでも地元を盛り上げていければと思っています。

お陰さまでレンタルオフィスは残り1室となりましたが、コワーキングスペース会員はまだ余裕があります。多治見にぜひ新しい風を吹き込みに来ていただければ嬉しいです。

(おわり)

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