最近流行りのノマドを語源から考えてみる

最近流行りのノマドを語源から考えてみる
ここ数年で、ノマドという言葉をよく聞くようになりました。ノマドとは何を指して言うのでしょうか。その言葉の語源を知ることは、意味を正しく把握するための助けとなるため、ノマドの語源や、その語源から派生する言葉などを考えてみます。
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最近流行りのノマドを考える

『THE LANCER』を見ているような人は、おそらくノマドという言葉を知っていることでしょう。また、言葉の持つイメージを的確にとらえている人も多いかと思います。私は、つい最近(1ヶ月ほど前)まで、ノマドという言葉を知りませんでした。

『THE LANCER』を見てノマドという言葉の存在を知りましたが、興味がなかったため深く知ろうともせず、今回色々と調べてみるまでは「ノマド→ノー(No)窓 → 公園などの窓がないところでも仕事ができる(場所を選ばず仕事ができる)人」などと考えていました。

しかし、語源を調べてみるとそのようなことではなく、きちんとした意味もあるようです。語源を見ることは、言葉を正しく把握するための一助となることが多いため、しっかりと確認してみましょう。

ノマドの語源は遊牧民・放浪者

ノマドの語源は、英語の「nomad」あるいはフランス語の「nomade」にあり、遊牧民や放浪者を意味する言葉です。このことから、特定のオフィスを持たずに仕事をする人を、定住する家を持たない遊牧民に例えることでノマドというようになりました。

漠然としたイメージとしては、スタバやホテルのラウンジなどのネット環境がある施設で、ノートパソコンやスマホを用いて仕事をする人というイメージをもたれますが、現時点ではこのイメージで大体は間違いないでしょう。

もっとも、これは日本におけるノマドのイメージであり、アメリカのノマドワーカーなどはデジタル機器を利用して働けることを強みとして、海外にロングステイして働く人というイメージが強いようです。

ノマドから派生した言葉「超ノマド」

上記の通り、ノマドという言葉の語源は遊牧民であり、そこにビジネス的解釈を加えて「場所にとらわれず働く人」のことをノマドと言います。この言葉が派生したものとして、「超ノマド」という言葉も存在します。

この言葉は、デジタル機器を使うことで場所にとらわれない働き方をするということ以上に、地域や国といった枠組みにとらわれず、世界中で自由に働くという「グローバル化した個人」の意味合いが強くなっています。

海外で仕事をするというならばアメリカにおけるノマドとあまり変わらないのでは、と思うかもしれませんが、アメリカにおけるノマドはあくまでもアメリカという国に依存しつつ海外で働く形であるため、超ノマドとは異なります。

もう一つの派生「ハイパーボヘミアン」

ノマドの語源からの別の派生として、「ハイパーボヘミアン」という言葉もあります。「ノマド」の「ノ」の字もないため、もはやなんだかよくわからない感がありますが、これはノマドが主に働き方の変革に力点を置いているのに対し、それに加えてライフスタイル変革を含めた生き方を指す言葉です。

ノマドは主に場所の自由を求めていますが、ハイパーボヘミアンは徹底的に自由を追求しています。多少極端な解釈になってしまうかもしれませんが、「働くのはやめよう」という考え方にも似ています。

自分にとって必要なお金を最小限の労働によって稼ぐことを推奨していますが、それだけではなく嫌なことはやらずに好きなことだけをやるというところに力点があります。

ノマドとフリーランスの違いとは?

ノマド的な働き方をしている人が増えていますが、その人がノマドか、超ノマドか、ハイパーボヘミアンか、フリーランスか、そういったことがよく論じられます。

私の例で考えてみれば、カフェや公園で仕事をしたことはほとんどなく、自宅が決まった仕事場となっているため、ノマドではないでしょう。場所の自由などほとんど考えたこともありません。国境を越えていないので超ノマドでもありません。

基本的に好きなことばかりするように心がけていますが、自動で収入を得られるビジネスを所有するわけでもなく、時には興味のない文章も書くのでハイパーボヘミアンでもありません。単にフリーランスというのが適当でしょう。ノマドは場所に依存しないということに力点があるのに対し、フリーランスは組織からの自由に力点があるからです。

しかし、自分の働き方をなんと呼ぶのかということにはとんと興味がなく、語源を知ることを楽しいとは思いつつも、ノマドとか、フリーランスとか、何とかといった呼び分けに何の意味があるのだろうと思っています。

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