駆け出しフリーランスのための確定申告書の書き方

怖がらなくて大丈夫!確定申告って意外とカンタン?
会社員だった頃は、毎月給与計算がされ、会社が税金を給与から天引きして国に治めてくれていました。しかしフリーランスになると、それらの手続きを全て自分で行わなくてはなりません。
一年間の所得を確定し、それに対する税金の額を税務署に申告する事を「確定申告」と言います。つまり、確定申告とは、所得税額を決めたり余分に支払っている分の税金を還付してもらったりできる、大切な作業になるのです。
しかし、慣れないフリーランスにとって確定申告はどうも難しくて面倒なイメージがあり、中には「大した稼ぎじゃないからやらなくていいや!」と諦めている人もいるようです。が!やらないなんて絶対もったいない。稼ぎの少ない駆け出しだからこそ、確定申告をすることで払いすぎた税金を返してもらったり、来年の所得税額を少なくしたりする必要があると思いませんか?
フリーランスの確定申告その1 | 白色申告の書き方
白色申告は「割と簡単にできるけど控除額が少ない」確定申告の方法です。駆け出しフリーランスの多くは、この白色申告をしている人が多いようです。
以前は、前年または前々年の所得が300万円を超える場合のみ帳簿への記帳と保存が義務付けられていましたが、2014年からは所得額に関係なく、全ての白色申告者に帳簿への記帳と保存が義務付けられました。ですが、複雑な複式簿記ではなく、単式簿記形式での記帳でよいので、家計簿程度の手軽さと考えてください。
例えば、売上、収入、仕入れは控えがあれば一日分をまとめて記載できる。経費は金額が少なければ一日分をまとめて記載できる。日付、内容、金額がきちんと記載されていれば法廷帳簿の書式は自由。というように、簡易な記載でOK。もちろん、証拠になる領収書などはきちんと保管しておいて下さいね。
白色申告に必要なものは・確定申告書B・確定申告書に添付する各種控除関係の書類・収支内訳書の3点で、そのうち帳簿を元に記入するのは確定申告書Bと収支内訳書です。特別控除はありませんが、面倒なことが少ないのは確かです。
フリーランスの確定申告その2 | 青色申告(65万円控除)の書き方
青色申告は、「手続きは難しいけど控除額が大きい」確定申告の方法です。そのほか、赤字を繰り越せるという嬉しい特典もついています。青色申告には2種類あって、帳簿への記帳の仕方によって控除額が変わります。ここでは、65万円控除の申告書の書き方についてご案内します。
フリーランスの場合、青色申告をする大前提として「開業届」を出し、「個人事業主」になっている必要があります。65万円の控除を受けたければ、まずここをクリアしてください。
次に、青色申告をする場合、原則として開業日から2カ月以内に、「青色申告承認申請書」を、納税地の所轄税務署長宛に提出します。その申請書の中にある簿記方式を選択する所で、必ず「複式簿記」に○を付けてください。
65万円控除の申告に必要なものは・確定申告書B・確定申告書に添付する各種控除関係の書類・所得税青色申告決算書(損益計算書・原価償却費の計算書・貸借対照表)になります。複式簿記形式での記帳は非常に細かく手がかかりますが、会計ソフトを使うことで幾分作業が楽になります。
フリーランスの確定申告その3 | 青色申告(10万円控除)の書き方
同じく青色申告で、控除額が10万円のものがあります。これは「手続きは白色申告とあまり変わらないのに白色申告よりメリットが大きい」という、気になる申告方法です。青色申告ですから、「開業届」と「青色申告承認申請書」が必要なのは65万円控除の時と同じですが、大きく違うのは「単式簿記」での記帳でOKということです。
なので、青色申告承認申請書では「簡易簿記」を選択してください。
10万円控除の確定申告に必要なものは・確定申告書B・確定申告書に添付する各種控除関係の書類・所得税青色申告決算書(損益計算書・原価償却費の計算書)なのですが、65万円控除の時にあった面倒な「貸借対照表」がありません。
複式簿記が必要なく貸借対照表も要らないとなれば、かなり白色申告に近い内容と言えます。しかも、10万円の特別控除と赤字の繰り越しができるとなれば、かなり魅力的な方法と言えそうですね。
年度末に向けて準備を始めましょう!
こうして比較してみると、それぞれにメリットデメリットがあるのが分かります。白色申告は比較的簡単だけど控除が少なく赤字も繰り越せない。青色申告(65万円控除)はかなり面倒だけど控除が大きく赤字も繰り越せる。青色申告(10万円控除)は手間はかからないけど特別控除と赤字繰り越しができる。そんな印象を受けます。
どれに魅力を感じるかは人それだと思いますが、控除があって赤字も繰り越せる方がお得なことは確かです。それでも面倒なのはちょっと…という方は、思い切って税務署に電話してみましょう。
私は昨年、分からないことだらけで何度も電話しましたが、意外なほど丁寧に教えてくれましたよ。確定申告ってどうすればいいの?と思っている駆け出しフリーランスのあなたも、まずは年度末に慌てないよう、レシートや領収書類をまとめておくことから始めてみましょう!