白色申告でも帳簿が必須という、フリーランスにとっての訃報を吉報に変える手法。

白色申告にも必要になった帳簿
2014年1月1日から12月31日分の確定申告では、白色申告の方も記帳が義務化されました。「帳簿への記帳」と「帳簿類の保存」です。
帳簿には収入金額や必要経費を記載した法定帳簿と、それ以外の業務に関する任意帳簿があります。前者は7年、後者は5年の保存期間があります。
さらに、請求書や領収書などの原本の保存も5年と決められました。フリーのライター、デザイナーなどの職種の場合、小売店などの個人事業と違って、売り掛け、買い掛け、仕入れなどの勘定項目がないので比較的簡単です。
記帳には、収入、支出を分けたエクセルシートで十分可能です。エクセルをある程度使える人は自分で計算シートを作成することも可能です。また、エクセルの記帳シートはネットからダウンロードできるので、そのまま使えます。
フリーランスの白色申告
白色申告の帳簿は家計簿の延長のようなもので、難しい帳簿の知識は入りません。
ただし、今まで付けていなかった人は、記帳して保存する必要があります。白色申告の記帳方法は、簡易簿記と呼ばれます。少し面倒なのは、経費を勘定科目で仕分けをすることです。
例えば、マイカーで仕事先まで出かけた時の高速代、ガソリン代は何費用とするのか。実は高速代は旅費交通費としますが、ガソリン代の場合、旅費交通費、車両費、燃料費のどれにあてても構いません。一度、「旅費交通費」としたらその後はずっと同じ費用で通します。
また、こんな方法もあります。車両関係費、とした項目を作り、ガソリン代、保険代、洗車代など車関係の支出を全部ここに入れます。駐車場代は家賃地代とします。確定申告では、車を使った年間の仕事、私用の割合を決めて、仕事分の費用を帳簿に計上します。勘定科目仕分けが決まれば、エクセルで収入金額、支出金額、勘定科目(仕分け)が分かるように簡単に計算シートを作れます。
無料のダウンロードファイルもあります。仕分けで分からないことは、税務署や税理士に相談するといいでしょう。
フリーランスの青色申告のメリット
青色申告のメリットは所得税支払い時に最大で65万円の控除ができることです。
ただし、複式簿記として残さなければなりません。これが簡易簿記であれば、10万円が控除されます。実際の例を見てみましょう。
収入から必要経費、基礎控除、健康保険料、国民年金保険料、生面保険料などの控除額を差し引いたのが312万円だったとします。白色申告の場合、税率と課税控除を差し引いて計算すると、21万4500円となります。これが白色申告者の税額です。青色申告の場合、312万円から65万円を特別控除として差し引けるので、所得税は6万5000円少ない14万9500円で済みます。
さらに青色申告の場合、奥様などの親族の給与を全額必要経費にできます。他にも、赤字が出てもその損失申告をすると、その後3年以内にでる所得から差し引くことができます。
つまり、黒字がでても赤字分を差し引けるので収める税額を減らすことができます。青色申告にはこの他のメリットもあります。これら面倒そうな簿記の作成も、エクセルだけで作成することが可能です。
青色申告をエクセルで作る
青色申告は有料の市販ソフトが販売されています。それなりの価格で、実は毎年アップデートに費用がかかったりします。
一方、ネットでは無料の青色申告用エクセルテンプレートがダウンロードできます。それでも十分、複式簿記を作成でき、同時に貸借対照表、損益計算書ができます。複式簿記の場合、仕分けと表の左右での振り分けの仕方に特徴があり、慣れた人でないとなかなか理解しにくいものです。ある程度、簿記の知識がある人ならば、無料のエクセルテンプレートでも使いこなせるでしょう。
経理や簿記はちんぷんかんぷんという人には、有料でもやさしいガイダンスがあるほうが結局使いこなせます。また、有名会計ソフトメーカーの無料クラウドサービスもあります。簿記は良く分からないけど、青色申告をしたいフリーランスに向いてます。