2020年までに2,950億円。クラウドソーシングの市場規模

右肩上がりで増え続ける、クラウドソーシング市場
株式会社矢野経済研究所の統計によると、2016年度の国内BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)は3.8兆円規模というデータが発表されました。IT関係に限定すれば年平均3.1%というペースで成長しています。
なかでもクラウドソーシングはテレワークという働き方が注目されて以降、急速に成長している産業です。ここでは、これらの市場規模や今後の展望について考えてみることにしましょう。
950億円規模の産業に成長
クラウドソーシングの市場規模は2013年度の215億円から2016年度の950億円と、3年間で4.4倍に成長しています。前年度比145%以上の速度で進んでいる背景には、事業者各社が大手企業向けのサービスを開始していることに加え、将来的に電子契約が浸透し、大手企業が懸念するコンプライアンスへの不安が解消されると見込まれるからと考えられています。。
企業側のメリットとしては、専門性の高いスキルをスピーディに調達できることが挙げられます。また、案件ごとに業務委託をするため、ランニングコストを削減することができるだけでなく、国内国外を問わずにプロフェッショナルを発掘できるのです。クラウドソーシングの市場規模が拡大し、テレワーカーを探しやすくなることが見込まれています。
労働者側にも利点の多いビジネスモデル
労働者にとってもさまざまなメリットがあります。このような形態の市場が拡大していることから、今後も多くの企業がオンライン上で仕事を発注すると考えられます。そのため、ワーカー側としては地域や場所、時間帯を問わずに作業ができるようになります。
自身のスキルが高ければ仕事がしやすくなりますが、必ずしも専門性を持っている必要はありません。簡単なアンケート回答やデータ入力業務からスタートし、次第に高いレベルを目指すのが良いでしょう。
今後の市場展開に関する予測
BPO全体が加速的に成長していますが、クラウドソーシングの市場規模は今後さらに拡大すると考えられています。現状では2020年までに2,950億円規模になると見通しが立てられており、在宅・テレワーカーというスタイルは普及するものと見て間違いありません。特にIT系に関しては顕著に現れる傾向だと言えるでしょう。
オンラインサービスを活用することで仕事のスピードはより速い展開になるでしょう。性質上、不特定多数のフリーランス・SOHOが連携してひとつのプロジェクトに参加するため、企業は案件ごとの業務としてコストを抑えながら、受託者側は好きな業務を適正な報酬で受けられるようになります。クラウドソーシングは両者のマッチングによってビジネスが進むシステムであり、今後ますます求められるべきサービスと言えます。