私の居住地は「地球」職業は「自由人・フリーランサー」

私の居住地は「地球」職業は「自由人・フリーランサー」
以前は海外でプロジェクト責任者として、バリバリ働くキャリアウーマン。しかし、突然のプロジェクト解散でやむなく、退職することになったROSAさん。これからどう働いていこうか……迷う彼女が選んだのがフリーランスという働き方でした。Global Relocater(地球規模の引越人)というニックネームのように、世界を気ままに旅する彼女の歩みをご紹介します。
LANCER SCORE
56

友達から付けられたあだ名は「Global Relocater」

私の長所を聞かれた時に、自分からも友人達からも最初に出てくる言葉は「どこの国でも生きていける強さ」です。

子供の頃から海外で生活する事への憧れが強く、ワーキングホリデーでオーストラリアにて生活したのを皮切りに、現在までに20カ国以上を旅し、6カ国での生活経験があります。

「好きな国に住むこと」が私にとっては若い頃からの情熱でした。友人が私に付けたあだ名は「Global(地球規模) Relocater(引っ越す人)」次から次へと自分が住みたい国へ引越していく私の姿をみて、ある友人が作った造語です。

「自由で羨ましい」等と言う友人がいる一方で「いつまで自由人やるの?」という厳しい批判もあります。また、住みたい国を渡り歩くには、就職面での厳しい挑戦も沢山ありました。

思いがけない失業から、私らしく生きる道へ

数ヶ月前まで、私はタイの日系企業に勤務していました。新規プロジェクトの責任者として、充実した日々を送っていました。

「好きな国に住む」という願望は叶っていましたが、それと仕事が結びつかなかった私は、海外で会社員として働き、日本で会社員をしていた時と変わらない「組織に貢献してお給料を頂き、成果を出して昇給、賞与を頂く」という価値観しかありませんでした。

そんな中、タイ経済の不況の煽りを受け、プロジェクトと所属していた部署が解散、チームは別の部署に移動か辞職という事態に見舞われました。

何ヶ月もの間プロジェクトの計画を練り、会社で朝・昼・晩と食事を取るような忙しい日々を送っていましたが、それらの努力が全て水の泡に。

そして悔しさ、新しい部署への不安、不景気でまた仕事がなくなるかもという不信感でいっぱいでした。結局、仕事に対する自分の価値感に疑問を持ち「組織に属さず自分自身の責任で歩いていく」という道を選択しました。

面接中に言われた「自由人ですね。」の言葉

会社を離れてみたものの、すぐに色々な不安が出てきました。「やっぱり会社員として生きた方がいいんじゃないか、自分に何が出来るだろう。今さらこの年で好きな事なんて仕事にできるわけがない。家賃はどうやって払おう……。」

私は再度、会社員になるべく就職活動を始めますが、不安を抱いたまま行動しても何をやってもうまくいきません。

そしてますます不安になる。この悪循環に自分を貶めていました。ある時、面接中に先方の社長より「将来的にどんなキャリアを目指したいのか全く見えてこないですね? このままだとただの “自由人” ですね。」と胸に突き刺さる厳しいお言葉を頂きました。

その瞬間私の中で何かがパチっと弾けたのです。「そうだ、私には目指したいキャリアなんてなかった。このまま就職して “安心” を手に入れても、今までと何も変わらない。」その面接を最後に、私は徹底的に「自分の心をのぞく」事に決めました。

人が目指す道と私の道は全く違ってもいい。自由人でいてもいい

海外の景色2

それからの私は「生活の為」や「好きな国に住む為」に行う就職活動を辞め、今まで培ってきた「私」と「望む事」を追求しました。

自分と向き合い考えあぐねいていた時、偶然『THE LANCER』に出会ったのです。「私が出会ってきた人や文化、経験は記事を書く際の大きな武器になる。自分の好きな場所、新しい文化や人達と出会う事が仕事になる! 年齢、性別、居住地に関係なく “自分力” が試せる仕事がここに詰まっている。」と目の前にある未知の領域に足を踏み出してみたのです。

日本の普通や常識を知らない海外の友人達に「ライターに挑戦してみたい! 」と興奮気味に話すと「いいね! 挑戦しても失う物は何もないよね! 絶対挑戦するべき! もし英語や言語で助けられることがあれば教えて。手伝うから! 」と口を揃えて応援してくれました。

「私のオリジナルな生き方は、オリジナルの記事になる! 私にはほんのささいな日常のひとコマが、他の誰かにとってはビックリするような出来事、それを記事にするなんてこんなにワクワクする事はない! 」と新たな挑戦を始めました。

徹底的にのぞいて見ると見えた世界

私が自分の心をのぞいたのは、社会人になってかなりの年数が経ってからでした。「自分の心をのぞいてみる」簡単そうに聞こえますが、かなり勇気がいりました。

全く人とは違う価値感や自分が見え、それと同時にそんな自分への疑問や不安も出てきました。あの時もし失業していなければ、もし簡単に次の就職先が決まっていたら、自分の心を一切かえり見る事無く、今までと変わらない生活を送っていた事でしょう。

ただ単に色々な世界を見て、色々な人達と出会い、もっともっと色々なことに触れたい。いつも自分の好きな国を選び、自由人でいい。人と違っていい。

周りからは理解しがたい道、私だけのオリジナルの人生でいい。私を生きていい。そう決めてからの日々は今までとは違う新しい毎日でした。

好きな場所に行き、見たい物を見て生きる、自由でいられる事の素晴らしさ、色々な人種のオリジナルで個性あふれる美しさ。そして彼らが話すそれぞれの国の言語の美しさ。

私の夢は地球規模で生きていくこと。感動すること。それだけでした。そしてそれらを文章にしたいと思ったのです。

皆それぞれの「オリジナル」がある社会

海外の景色1

「近い将来消える職業、なくなる仕事」があると言われており、今後世の中はどんどん機械化されていくようです。そんな中、これからは個人個人のオリジナリティや、機械的ではない部分が試される時代になるのではないかと思います。

そしてそれは、自分が眠らせてきた心の声を聞く勇気さえあれば、いくつであっても、いくつになっても見つける事が可能だと思います。

それぞれのオリジナルとは、周りにとって理解し難い事かもしれないし、周りが進む道とは違うかもしれない。歌を歌いたい、会社勤めをしたい、主婦・主夫がいい、お店を開きたい、等私達の人生はそれぞれ皆オリジナル、皆やりたい事が違うからおもしろいんです。

私は自分の進みたい道を見つけるのに時間が掛かりましたが、若いうちから真剣に自分のやりたい事を探せる環境・社会となるよう願っています。

そして私自身も自分の経験を「書く」事によって、自分の進むべき道に迷っていたり、見えなくなったりしている方達のお手伝いや後押しに貢献できればと思っています。

Global Relocaterという宝物

私はここタイとタイの文化が大好きです。高層ビルが立ち並び、最先端の電話を片手に颯爽と歩く人で溢れかえるビジネス街かと思えば、一歩路地裏に入ると10年20年前と変わらないタイの情緒もある、最先端と古き良き時代が混合した国。

仏教の教えを重んじる心優しい人もいれば、ずるくてどうしようもない人もいる、穏やかな人もいれば、気性の荒い人もいる、平均や普通というのがこの国にはありません。

それぞれの個性があって、それは否定されずそのままでいいのです。こんな沢山のオリジナルが入り混じったおもしろさは日本には無い部分です。今後このオリジナルはどんな風に、タイを変えてくのか考えるとワクワクします。

私にとってGlobal Relocaterは「未知の世界を知る事へのワクワク感、旅行では見えない生活して初めてわかるその国の文化や現地の人の人間性、優しさ、言葉の美しさ、海外で生活してみて気づく日本の素晴らしさ、美しさ、新発見」という人生においての宝物です。

「私」というオリジナルを後押ししてくれる「THE LANCER」という心強い味方がいてくれる限り、その宝を地球上のどこかから発信していければと思っています。

RECOMMEND
関連記事