プロポーズと同時にシンガポールへ! 海外生活の孤独を乗り越えた専業主婦
婚約者に海外赴任の辞令。結婚と共に海外生活がスタート
2013年2月。それまでシンガポールで長期出張をしていた夫が日本に一時帰国をし、「4月からシンガポールに赴任になるから一緒に来てほしい」とプロポーズ。
そのとき夫には12歳になる娘がいて、結婚と同時に私は母親にもなりました。それが私の海外生活の始まりでした。愛する人とならきっと大丈夫! と、当時25歳だった私は若さゆえか楽観的すぎたかもしれません。ですが、現実はとても厳しいものでした。
度重なる夫の長期不在に、迫り来る言葉の壁 | 異文化生活のストレス
シンガポールを拠点として、毎月半分以上が出張で留守の夫。加えて、娘の身の回りの世話もしなければならないこともあって、絵に描いたような甘い新婚生活とは無縁な日々を過ごしていました。
最初のうちは新たな環境に新鮮さを感じて、笑顔で過ごせていました。しかし、刺激的な環境にすっかり慣れてからは、苦悩の日々が訪れだしました。
シンガポールは様々な国の人々が暮らしています。英語、中国語、ヒンディー語にマレー語。家から一歩外に出ると、聞き慣れない異国の言葉たちが縦横無尽に飛び交い、実に耳障りでした。
知っている英語のフレーズが伝わらない、自分の思いを言葉で相手に伝えられない。コミュニケーションがとれないもどかしさと羞恥心を何度も味わいました。
話を聞いてほしい、誰かに寄り添ってほしいと思うときに限って夫は留守。ストレスは溜まっていき、広い寝室で1人過ごす夜は涙で枕を濡らしていました。
3ヶ月を迎える頃になってストレス性の胃炎を患ってしまい、その苦しさに「どうしてこうなってしまったのだろう」と幸せを求めてやってきたはずのシンガポールから逃げ出したい思いにかられました。
特に仕事をしていたわけでもないのに、疲労感が募る毎日。最低限の家事をしたらテレビを観たり、昼寝したりとどこか気力がなく、その日暮らしの日々を過ごしていました。
海外生活3年目。家族により豊かな生活をもたらしたいと考える
苦悩と葛藤だらけだった海外生活の幕開けですが、少しずつ心開いてくれた娘とのかかわりを通じて私も変わらなければと思い、妻として母親としてしっかりと役割を果たしていきたいと思えるようになりました。
その頃から毎日の過ごし方も変わっていき、家族とのコミュニケーションが円滑に。現地の人とのやりとりも「言葉が出なくてもなんとかなる」と完璧さを求めなくなり、気持ちが楽になって異国の人との関わりを楽しめるようになりました。 シンガポールで2年生活したのちはお隣のマレーシアへ引っ越すことになり、現在も過ごしています。新天地では、海外で自分の力を発揮したい、ビジネスを成功させたい、豊かな暮らしを送りたいなど、夢や目標を掲げて充実した日々を過ごしていく人たちとの出会いに恵まれました。 私もそのパワーに触れて、一度きりの人生を充実したものにしたい、お金を稼げるようになって家族がよりよい生活を送れるようにしたいと思うようになりました。 マレーシアで仕事。それはなかなか狭き門でした。私は決して英語が流暢でもなく、保育園での勤務しか経験がないため、秀でたスキルもありません。 仮に働けるような求人があっても薄給で拘束時間も長いものばかり。しかも、1歳にも満たない子どもも抱えていたので、こんなに小さい我が子を保育所に預けてまで働きたいのか? と考えたとき、その答えはノーでした。 家族と過ごす時間を大事にしたい。最初のうち、仕事は短い時間で構わないと思っていた私は家で何かできることがないかと思い、そんな中でランサーズを見つけました。 膨大な種類の仕事内容に驚きました。プログラミングやWebデザイン、動画編集にシナリオライティング……私とは別世界の業界の仕事がずらっと並んでいるのを見て、場違いかなという思いになったこともありました。 しかしそれと同時に、世の中にこんなに仕事があることに驚き、私にもきっとできることがあるはずという思いで、多くのクライアントに提案していきました。 ブログをしていることもあって、文章を書くこと、料理の写真を撮影することが好きなので、ライティングやレシピ提案などの料理関係の依頼を出しているクライアントに積極的に提案をしていきました。 次女が寝ている時間に作業をしようと決めていたので、それまでのだらだらしたテレビの時間はなくなり、脳と手を動かして仕事をする時間ができ、終われば家事と子どもたちの世話もあって、1日があっという間に感じるようになりました。 子どもたちと一緒に大好きな日本食レストランで、好きなものをたくさん食べて過ごしたときの長女の笑顔。年齢にあった新しいおもちゃで無邪気に遊ぶ次女の姿。 記念日にはいつももらってばかりで、何もお返しができていなかった主人へ贈り物ができる喜び。家族に健康で美味しいものを食べてもらうためにと、こだわりの食材や調味料を選べるようになったこと。 仕事の報酬のおかげで、私自身の力で私含め家族の生活が豊かになっていると感じられたことがとても嬉しくて、その実感が今も仕事を続けていく原動力となっています。 また、自分がどれだけ仕事をしたいかを決めることができるので、ワークライフバランスのとりやすさが精神的にゆとりのある日々をもたらしてくれています。 現在は仕事の案件を増やし、勉強を重ねながらよりよいものを提供できるように努力に励んでおります。最近始めたオンライン秘書業務では、まったく取り扱ったことのないパワーポイントや経理の仕事も出てきていますが、新しい世界に触れられることがとても面白く、報酬を得ながら勉強させていただけていると感じています。 また、プライベートでは料理サークルを立ち上げ、仲間とともに大好きな料理の腕をあげていく活動もしています。 海外でのんびりと日々を過ごすことも、特権を活かせているのでいいことだと思います。ですが、私の場合は与えられた自由の時間を未来へ反映できる投資の時間にあてたいと思い、今しかできないことを全力でやりたいと思っています。 子どもが2人いて、特に下の子は乳児で手がかかりますが、子どもを理由に自分のやりたいことを犠牲にするのは実にもったいないことだと思います。 1日の時間は限られているから、どれだけの時間を割くことができるか、ほんの少しの時間でもいいから、実現したいものへ時間を割いてみることから始めるだけでも自分の世界が変わると思います。 ランサーズでの仕事は自分で仕事量を調整することができるので、ワークライフバランスを安定させることができると実感しています。 それに加え、仕事を通じて自分に自信をもてるようにもなり、今では起業したいという夢も抱くようになりました。現在でも海外生活ならではの壁や困難はあります。 けれども、それは自分のステップアップとなる試練だと思って乗り越えていきたいと思っています。妻、母親という立場でありながらも私という個人をもっと輝かせていきたい気持ちでこれからも生活を営んでいく思いです。前職保育士。しかも産後1年経たず。こんな私が海外で働けるのか
2児の母親、海外在中フリーランサーとして目標と夢がある日々へ