フリーランスの3DCGデザイナーを目指すために

フリーランスの3DCGデザイナーを目指すために
3DCG制作会社にいた私は、多くの3DCGデザイナーの方と接しましたが、全ての人に共通していたのは"創ることが好きだ"という熱意でした。技術は関係がありません。3DCGに対してのこだわりを持つことがクリエイターとしての第一歩だと思います。
LANCER SCORE
2

フリーランスが必要とされるほど3DCGデザイナーの仕事は増えている

高性能パソコンが普及した今は、ロングムービーのレンダリング出力は時間がかかるかもしれませんが、家庭でも十分に3DCG制作が行なえるようになりましたね。

スマホアプリを含めて3DCGを必要とするエンターテイメントが多様化している背景もあり、3DCGデザイナーの需要も増加しています。

志す全員が3DCGデザイナーになれるほど甘くはありませんが、数年前と比べてフリーランスで働きやすくなったのは間違いないでしょう。

3Dプリンタの普及に合わせて、今後も3DCGの需要は増えていくと思います。3DCGデザイナーでもつぶしが効く時代になったと言っていいのではないでしょうか

フリーランスの3DCGデザイナーになるために必要なスキル

一口に3DCGデザイナーと言っても大きく3つの作業があり、それぞれに最低限必要なスキルがあります。

まずは1つ目の作業はモデリング。これは非常にわかりやすく、3Dモデル自体を作る作業です。3DCGは2DCGと異なり奥行きがありますから、上や横から見た時の事も考えて制作を進めなければなりません。そのためデッサンのスキルや知識が必要になるでしょう。

2つ目の作業はアニメーション。これは作った3Dモデルを動かす作業ですね。制作した3Dモデルにボーンと呼ばれる基礎構造を与え、歩かせたりジャンプさせたり動きを表現します。モデリング・アニメーション共に解剖学の知識も必要ですし、実際に映像に落とし込むにあたってはカメラやライティングのスキルも必要となります。

3つ目の作業はテクスチャ作成です。これを作業として分類するか迷いどころですが、意外と意識していない人も多いようなのであげてみました。いわゆる3DCG映像の地面や肌、鎧などの質感や表面の凹凸感は、実際に画像として質感を描いています。3Dモデルを平面図に展開しそれに合わせて描いていくため、2DCG制作スキルも必要となります。

3DCGデザインの流れは、フリーランスでも変わらない

3DCGデザインの流れは基本的には変わりません。例えば3DCGでキャラクターをモデリングをするのであれば、まずはどういったデザインでこんなキャラクターでこういう特徴があって…といった設定とデザインの細部を決めます。

そしてそのデザインと設定を元にモデリングをしていく。大まかに言えばこれだけの流れです。もちろん複数のデザイナーで効率よく制作を進める場合は分担を決め、認識に齟齬がないように細かくすり合わせなければなりません。

そして大事なのは、完成形をきちんと頭の中でイメージしながら進めることだと思います。完成形という方向性がなければ、たとえ一人で作業していても右往左往して完成すらしないかもしれません。

フリーランスの3DCGデザイナーになるためのオススメソフト

仕事の依頼主から要望がない限りにおいては、書籍やプラグインの充実している有料ソフトがいいかもしれませんが、3DCGソフトは他のクリエイティブ関連のソフトと比べても高価です。

7、8年前と比べればかなり安くなりましたが、それでも主要なソフトは数十万程度と手が出しにくい価格です。入門には十分…どころか高価なソフトに匹敵するレベルの無料ソフトで「Blender」というものがありますので、まずはこのソフトで3DCGデザイナーを目指しましょう。

実際に制作に取り掛かると実感すると思いますが、作業ははっきり言ってかなり難しく、地味な作業の連続です。ある程度できるようになるか必要に迫られない限り、初めは無料ソフトで十分だと思います。

フリーランスの3DCGデザイナーとして大成するために

冒頭でも触れましたが、一番重要なのは「熱意」です。私がお会いした3DCGデザイナーの方は皆、3DCGを作りたくて作ってる方ばかりでした。嫌々続けられるほど簡単なものでもありませんし、はっきり言ってそれほど甘い業界でもありません。ちょっとしたテクニックで誰でも素晴しい3DCGが作れる!ということもありません。

色々なものからノウハウを吸収し、地道な作業を続けて初めて成果が出る業種です。「3DCGムービーってかっこいい!ああいうの作れたらな~」と理想と憧れを抱いて挑戦しても、仕事として続けることすら難しい業界でもあるのです。

しかし、「そんなの関係ない。作るんだ。」という意思を持って挑み、3DCGを作り上げた時の充実感はひとしおです。大変だからこそ得られるものがある、そう思います。

フリーランスの3DCGデザイナーとして充実したワークライフを過ごすために、自己満足だけで終わらないプロ意識を持った「熱意」を持ってチャレンジする皆さんを、業界経験者として心から応援しています。

RECOMMEND
関連記事