失注こそチャンス? 契約前後で自分の武器を見つける3つのポイント

失注こそチャンス? 契約前後で自分の武器を見つける3つのポイント
どんな仕事にもつきものな"失注"。失注すると落ち込むことが多いですが、逆にチャンスとして利用する方法があります。今回ブロガーとして、フリーランスについてのエントリで注目を集めるwebデザイナーのたけ氏に寄稿して頂きました。
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“失注”から、うまく仕事をリカバリーするには……。

どうも、LUNA SEAがお好きなたけでございます。前回の記事後半で『「LUNA SEAお好きなんですねー」と相手が話しかけやすくなります』と書いたら、それが局所的に一部で妙にバズってしまい、やたらとからかわれました。

ああ恥ずかしい! 自分でも「話しかけてくる奴はいないだろー、もうちょっと別の書き方があったんじゃね?」といろいろ迷ったのですが、訂正しないでよかったのか悪かったのか……。

普段からTwitterでもいじられがちなのですが、天然のつもりはないものの、思わぬツッコミ所があるので、いろいろな方からかわいがって頂けているのかもしれません。

グダグダ自己弁護しててもしかたがないので、本題に入ります! 仕事のご相談がくるのは、フリーランス稼業の楽しみのひとつだと思います。

どんな内容だろう、予算は、納期は、どんな担当者だろう。いろいろ気になりますが、打ち合わせで好感触でも、残念ながら失注となってしまうことも。ガックリきますが、実はそこからの楽しみ方・・・というとアレですが、失注から始まる「仕事」があります。
打ち合わせから失注以降で、気をつけたい3つのポイントをご紹介します。

1.打ち合わせで聞きたい「自分の強味」

打ち合わせで、お仕事の内容や目的などを伺うのは当然ですが、ある程度話が煮詰まってきたら、

  • 予算はどのくらいか
  • 何社くらいに見積をとっているのか
  • 他社はどのくらいの見積を出しているか
  • 何に期待をしてうちを選んだか

と少々突っ込んだ質問をするようにしています。

もちろん「何社か見積を頂いてまして」とか、「できるだけ安く」とぼかした言い方になることは多いのですが、最後の「こちらに何を求めているか」はかなり重要です。

それがお客さんから見た、自分の強味になるからです。ポートフォリオを見てお問い合わせ頂いた場合は、「デザインがよかった」とか「実績数が多くて安心した」など仰って頂けることがあります。

いくら自己分析や競合他社との比較しても、「その相手からみた強味」は、選んでくれたお客さんしか答えを知りません。それは価格かもしれないし、スキルかもしれないし、対応の早さかもしれない。

自分では当たり前と思っていたことが、お客さんにとってはよいセールスポイントになっていることもあります。お客さんから見た強味=メリットを確認することで、よりその武器を意識してブラッシュアップしていくことができます。

冒頭の挨拶でも触れましたが、読者の反応から改めて自分のヌケてる(けれどもウケる)所を確認できるなど、相手の反応を知るのは非常に勉強になります。でも僕は天然振り?をブラッシュアップするつもりはありませんのであしからず!

2.見積提出時に聞きたい「失注の理由」

見積を出す際には、いつ頃までにお返事を頂けるかを確認しておきます。一週間なのか、それとも一ヶ月くらいかかってしまうのか。それにより自分のスケジュールの都合がつけやすくなります。

また、何故ご発注を頂けなかったかの理由をお伝え頂けるようお願いしておくと、勉強になりますし、精神衛生上良いです。特にお願いしなくても、失注のご連絡を頂く際に何かしら理由を伝えて頂ける場合がありますが、一言添えておくと、より教えて頂ける確率があがるでしょう。

単純に「他社にした」というだけであったり、「予算があわない」程度かもしれませんが、それでも今後のヒントになります。業界の相場と、自分のスキルと価格のバランスであったり、お客さんがリアルに求めているものが見えてきます。

「デザインはたけさんの方がよかったけど、他社の方が安かったので」となかなか悔しい断られ方をされたこともありました。

お客さんは、必ずしも最高のクオリティを求めているわけではありません。豊潤な予算があって最高のクオリティを求めているお客さんばかりではなく、そこそこのもので充分なので、1円でも安く求めているお客さんもいます。

お客さんの業界や会社の規模によっても、予算が異なってくるでしょうから、そういった予算感がわかれば、「これくらいの予算ならこれくらいの内容で」と提案もしやすくなります。

3.実際の成果物で確認したい「他社のクオリティ」

で、ここからが本番。失注した時の最大の楽しみです。頃合いを見計らって、成果物を確認します。ホームページの場合、そのまま公開されているので、簡単に確認ができるのが、ありがたい所です。

成果物を見て、打ち合わせ時に自分がイメージした内容との差を確認します。ホームページであれば、デザインはどうか、ソースは綺麗か、内容はどうか。自分と比べてどれだけクオリティが高いのか。

とあるリニューアル案件で、いろいろ調べたら以前のホームページは、僕の知人の腕のいいフリーランスの方が作っていました。プレッシャーを感じつつ見積を出したものの失注。

その後調べたら、前のサイトの方が良かったんじゃない?ということもありました。一度高いクオリティのものを見て、次も同じレベルを求められるかというと、そうでもないようです。

僕のようなフリーランスではなく、会社でもクオリティには差があります。正直、「これなら僕が作った方が・・・」という時もありました。

悪く言えば下を見て安心している状態ではありますが、もちろん僕より安い金額でクオリティの高いものを作っている会社さんもあったので、なかなかドキドキします。自分にはない発想や見せ方をしている場合もあり、大変勉強になります。

「業界の流れを見る」というマクロな視点というよりは、「自分の所にくる仕事は、どんな物を求められているのか」というミクロな視点を持つための作業です。

動きの速いWeb業界とはいえ、僕なんかは傍流にいるので、あまり最先端の技術を求められることはないのですが、そのゆっくりとした流れのなかでも、お客さんのニーズがどう変わってきているのかを意識しておくことで、今後の身の振り方を考えさせられます。

目の前に表れたお客さんに対して、他社と比較して自分がどんな武器を持っていて、どんな立ち位置にいるのかがわかれば、今後の方向性も見えてくるのではないでしょうか。

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