行政書士って、実はフリーライターに向いていた|士業とランサー、二足のわらじ

行政書士って、実はフリーライターに向いていた|士業とランサー、二足のわらじ
神戸の地で行政書士として開業から7年。宅建士、FP、知財管理士等の資格を保有し、日々、顧客のために奔走する田頼さん。行政書士として働く傍ら、フリーライターとしてネーミングや記事作成にも取り組んでいる。本人いわく「行政書士の仕事は、ライターに通ずる」そうだ。士業という肩書をもちながら、二足目のわらじとしてフリーランサーとしても活躍中。行政書士とライターが相性の良い理由とは?
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行政書士の日常業務、文章作成はセンスがいる

午前中は外回り、午後からは事務所で書類作りこれが自身で決めた通常の平日スケジュールだ。平成20年に開業してからほぼ毎日このような生活をしている。先に平日スケジュールと書いたが、クライアントありきの仕事では毎日が平日だ。

仕事の一例として内容証明の作成業務がある。最近、アパートを解約した賃借人からの依頼で敷金返還請求の内容証明を作成した。通常、敷金からは色々なものが引かれて、賃借人が思うような金額は返却されない。もちろん賃貸人にも正当な言い分がある。それを覆さなければならないのだ。

文章作成のポイントは簡単に言うと「優しく厳しく急所を突いて」。それがなかなか難しい。優しく丁寧な言葉を使いながら、相手のミスを理論立てて追及し、だから「返してください!」と言わなければならない。もちろんミスのない相手もいる。そんな相手には、相手の良心に「しつこく」訴えかけるように文章を展開させる。

これが成功しないと賃貸人からクライアントへ返金されない。失敗である。そしてそれは自身の「おまんまの食い上げ」につながることになるのである。

仕事と仕事の間を埋めるためにはどうしたらいい?

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と、まあこんな具合に毎日毎日仕事をしているわけですが、アポイントの合間に1~2時間の空き時間ができてしまうことがあります。「この空き時間を仕事(収入)に結び付けることができないだろうか」。ある日、文章を捻り出すべく、ネットで様々な資料を読み漁っていると、「ランサーズ」という見慣れない文字が。何気なくクリックしてみると・・・「おおこれは!」全身に電流が走りました。

少しオーバーかもしれないが、それくらいの衝撃がはありました。ネットを通じて、クライアントの要求項目を満足させるものを提案する。これはまさに「空き時間を埋める仕事」に最適だと。クリックしてからここまでおよそ5秒。即決でした。

フリーランサーとしての苦悩の日々と思いがけない成長

現在は「ネーミング」をメインに1日10提案を目標に活動しています。しかしながら、これが難しいこと難しいこと。自分自身ではベストネーミングだと思っていてもなかなか当選しない。

当選した作品を見ては、「おお!ナイスセンス」と思いつつ、クライアントの希望や意図を読み切れていない自分の浅はかさに打ちのめされる毎日です。ただこの仕事を始めてから気づいたことがあります。それはこれまで出なかった言葉が使えるようになったこと。これは獲得報酬以上の収穫でした。

クライアントをトータルで満足させられるランサーを目指して

学生の頃、詩や俳句、短歌といった短いけど宇宙的広がりをもった作品が大好きで、自分でもよく作っていました。ネーミングにはそれに通じるものがあります。

クライアントを唸らせ、笑顔にできるような作品を産み出したい。「空き時間を埋める仕事」という少し不純な動機を持ってスタートしましたが、今ではすっかりハマりきっています。

言ってみれば、趣味と実益を兼ねているということでしょうか。そして現在は新たな日常業務が加わりました。それは提案予定の依頼文をコピーして持ち出すことです。とにかく時間が空いた時には依頼文とにらめっこをしています。クライアントをとびきり満足させられるような作品を産み出すために。

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