就職氷河期に転勤族の夫、子育て。それでも働く活路を見出したフリーランス・ライター

ランサーズに登録して、自分らしい働き方を体現している人たち=「ランサー」。たくさんのランサーの中から、活躍目覚ましいランサーを表彰するのが『Lancers of the Year』です。6回目を数える2020年の『Lancers of the Year2020』は、新型コロナウイルス対策のために初のオンライン開催となりました。盛況のうちに幕を閉じたオンライン開催を記念し、受賞ノミネートをされた中からオンラインやメールで取材協力をいただいたランサーの皆さんの軌跡を紹介します。第3弾はフリーランスのライターとしてご活躍の森野ミヤ子さんです。
LANCER SCORE
1

Lancersに出会って――自宅で子育てしながら年収アップ。好きな仕事に出会えた森野さん

Webや求人広告、タウン誌――。さまざまなメディアで記事を執筆するライターの森野ミヤ子さんは、家事や育児とライター業を両立させて、多忙な中でも充実した毎日を送っています。

そんな森野さんは、これまでにブラックな職場で働いたり、家庭の事情で何度も転職を繰り返したりするなど、働き続けるために苦労を重ねてきました。就職したくてもできなかった、いわゆる就職氷河期世代の一人だった森野さん。ランサーズとの出会いで働くことがどう変わったのか。お話を伺いました。

ファミレスに事務職。努力して働き続けてきた氷河期世代

――さまざまなメディアで記事を執筆し、ライターとして大活躍の森野さん。もともと編集やライターなど、メディアにかかわる仕事をしてきたのですか。

森野:いえ、メディアとは縁のない分野でずっと働いてきました。フリーランス・ライターとして収入を得るなんて、以前は想像もしていなかったんです。

――そうだったんですね。就職氷河期世代だと伺いましたが、森野さんはどんなキャリアを歩んできたのでしょうか。

森野:もともと教員になりたかったので、大学受験をするつもりでした。ところが高三の秋に家庭の事情で大学に行けなくなり、受験勉強がすべて無駄に。結局恩師の勧めでエアライン系の専門学校を卒業したのですが、当時は就職氷河期の真っただ中。航空会社はもちろん、一般的な企業の求人もなくアルバイト先だったファミリーレストランでなし崩し的に契約社員となったのが、私の社会人のスタートでした。

その職場は月の総労働時間が300時間を超える、いわゆるブラックな環境で、ろくに休みもとれない働き方を4年続けました。

事情があって親に頼れず早くから一人暮らしをしていたので、働かなければ生活できません。こんな働き方は長くは続けられないと思いながらもブラックな職場から抜け出すことができなかったんです。

そんな私を恩師が見かねて援けてくれて、なんとか転職することができました。そのあとは派遣社員や正社員として、英文事務やメーカー事務などとして働いていました。

ようやくまともな普通の人間らしい生活ができるようになったので、時間にも金銭的にも少し余裕ができました。教員にはなれないかもしれないけど、やっぱり大学に行きたい!と思って事務職として働く傍ら、通信制大学を卒業して、中学・高校の英語科教員免許を取ることもできたんです。

育児しながら働き続けたくて始めたWebライターの仕事

――働きながら大学を卒業されたとは……!大変な努力をされたんですね。では免許をとったあと、学校の先生になったのでしょうか。

森野:いえ、その後結婚したので、結果的に学校の先生になることはできませんでした。

結婚後も派遣として働いていたんですが、妊娠したとたんに派遣切りに合ってしまって……。でも元気な妊婦だったのと運よく派遣の仕事を紹介してもらえたので妊娠中は短期で大学事務の仕事をしていました。

一方で出産後や育児中でも働けるようにと、クラウドソーシングやWebライターの仕事に登録し始めたんです。

――いくつか登録したサービスの一つとして、ランサーズも利用し始めたのでしょうか。

森野:ランサーズを利用し始めたのは2016年からです。実は夫が転勤族なので、同じ職場で長く勤めるのが難しいという事情があるんです。そんな中、次男も生まれてさらに外で働くことと家庭のバランスが取りにくくなって……。

ランサーズに登録したのも、ちょうど次の転勤が決まったタイミングです。それまでは副業としてやっていたWebライターを、本業として取り組んでいくことを決意して、ランサーズの利用を始めました。

パソコンとネット環境さえあれば、Webライターならいつでもどこでも働ける。夫が転勤しても、乳幼児を育てていても働ける。

出産のタイミングで退職を余儀なくされ、せっかく就職できても夫の転勤で泣く泣く退職してきた私にとって、働き続けられるWebライターの仕事はまさに自分にぴったりだと思いました。

オンラインの仕事で年収アップ

よく使い込まれた森野さんの愛用ノートパソコン

――たしかにランサーズの仕事なら、パソコンとネット環境があればいつでもどこでも働けます。ランサーズを通して仕事をするようになって、生活に変化はありましたか。

森野:オンラインの仕事なので通勤時間もなく、家事と育児のバランスが取りやすくなりました。子どもの病気や行事に自分の裁量で対応できますし、働けるときは仕事を思いっきり受けることもできます。

自分で働いた分がしっかり反映されるので、普通に働いていた頃よりも年収がアップしました。19年の秋には新車を一括払いで購入して、家族でドライブを楽しんでいます。

ランサーズの仕事を通して、自宅のリビングに居ながらにして日本全国のクライアントと知り合えるのが、とてもうれしいですね。それから、ライティングをするためにさまざまな情報に接したり調べたりと、仕事をするほど幅広い知識が得られるので知識欲が満たされてたのしいです。

唯一の問題は、ローテーブルでノートパソコンに向かっているので、がんばると首や腰に負担がかかってしまうことでしょうか(笑)。今では整骨院に通うのが癒しになっています。

――ランサーズを通して、森野さんはどんな仕事をされているのでしょうか。

森野:Webメディア記事のほか、企業の求人広告やカタログなどを執筆しています。子育てや教員免許取得の経験を生かして、教育や育児、妊娠・出産といったジャンル、ほかにもメーカーや外食勤務経験を活かして、車両や装備といったニッチなジャンルの記事を執筆することもあります。エアライン系専門学校で得た知識や資格は、ビジネスマナー系の執筆に活かせています。

今ではプラットフォーム上からの直接依頼や、継続依頼いただいている仕事が大半です。他のジャンルへの挑戦や、新たなご縁のために、公開プロジェクトへ提案することもたまにあります。

社会から切り離されてしまっても、PCとネットさえあれば働ける

――ランサーズを通してフリーランスのWebライターとして働く今、働くことをどんな風に感じていて、これからどんなことを実現していきたいと思いますか。

森野:就職氷河期世代であり、実家にも頼れずに転勤族の夫や子どもと暮らす私は、進学や正規雇用など当たり前に得たかったものを得られずに生きてきました。

私も含めて同世代は、挫折や失敗を経験するたびに社会や周りから「お前の努力が足りない」と言われ続けてきたように思います。氷河期や家族の事情なんて、自分ひとりががんばってもどうにもならないことなんですけどね。

派遣社員だった頃は、自分よりも仕事が遅い正社員が残業代を稼げることに理不尽さを感じました。子どもを妊娠したときは、出産後に復帰できる職場のある人が、とてもうらやましかった。

新しい土地で始めた仕事も、楽しくなってきたら次の転勤。仕事のスキルも人間関係もリセットされます。私のような事情に限らず、例えば家族の介護をしなければならなかったり、病気を患っていたりと、さまざまな理由で社会から切り離されてしまった人は、たくさんいるでしょう。

そんな人でも、パソコンとネット環境さえあればいつでも働ける。事実、私はそうやって、今では仕事で充実した毎日を送っています。あのとき大学に行けていれば、きちんとした就職先があれば、と思うことは多くありました。けれども不本意だった立場で経験したことは、結果的に現在執筆に活かせています。それを考えれば、人生に無駄なんてひとつもないと前向きにとらえられるようにもなりました。

組織に属することなく、時間や場所にとらわれない働き方でも普通に収入が得られる。これからも私は、そうした働き方・稼ぎ方を体現していきたいと思っています。

RECOMMEND
関連記事