営業リソースが限られている中、商談数や売り上げを向上させるためにテレアポ業務を外注したいとお考えの企業も多いでしょう。実際に、テレアポ代行は高度なスキルと経験を持ち合わせており、新規顧客の開拓につながったケースは多くあります。
テレアポ業界には数多くの代行業者が存在することから需要があるわけですが、依頼になかなか踏み切れない企業も多いはずです。
そこで本記事では、 テレアポ代行サービスの選び方や成果報酬型の料金相場などについて解説します。

目次
テレアポ代行(営業代行)の7つの選び方
ここでは、営業代行・テレアポ代行会社選びで失敗しないために、次のとおり7つの選び方をご紹介します。
- 自社のビジネスモデルに合った料金形態
- 対応実績やリピート率に裏付けされたノウハウ
- ターゲットリストやトークスクリプト作成への対応
- アポインターのレベルを均一化する工夫
- アポの質を高めるための柔軟な対応力
- 通話音声データの開示や報告レポート提出への対応
- 秘密保持への取り組み
ではそれぞれについて、見ていきましょう。
1. 自社のビジネスモデルに合った料金形態
テレアポ代行の料金形態には、「月額固定型」「成果報酬型」「コール課金型」の3つがあります。
毎月の経費が明確な月額固定型か、成功時のみ報酬が発生する成果報酬型か、1コールごとに費用が発生するコール課金型か、自社のビジネスモデルに合った料金形態を選ぶようにしましょう。
2. 対応実績やリピート率に裏付けされたノウハウ
業務委託を始める前にサービスの品質を把握することは難しいものですが、公式サイトで公開中の対応実績やリピート率が参考になるでしょう。
また特定の業界・地域への強みや特化サービスの有無も、どの程度のノウハウを蓄積しているのかを判断する材料になります。
3. ターゲットリストやトークスクリプト作成への対応
代行会社の独自のノウハウを元に、営業リストやトークスクリプトを用意してくれるかどうかもチェックしてみてください。
自社でノウハウがなく、ターゲットリストおよびトークスクリプトづくりで悩んでいる場合に役立ちます。
4. アポインターのレベルを均一化する工夫
実際にテレアポ現場で業務に携わるアポインターの交渉テクニックも、重要なチェック項目です。
テレアポを熟知した経験豊富なスタッフが在籍しているか、ノウハウの引き継ぎに取り組んでいるか、自社に専任スタッフがつくかが肝心です。テレアポ代行会社がアポインターのレベルを均一にするために、どのような工夫をしているかチェックしてみてください。
5. アポの質を高めるための柔軟な対応力
成約を達成するためには、テレアポで獲得するアポの精度を高める必要があります。全く需要のないお客様とのアポ獲得や、訪問準備ができないほど中身のないアポ獲得といったトラブルを防ぐために大事です。
自社のニーズに柔軟に対応してくれるかどうか、アポ獲得率が上がらないときに改善に向けアクションするのかなど、テレアポ代行業者の対応力を確認しておきましょう。
6. 通話音声データの開示や報告レポート提出への対応
業務委託を始めてから、随時、通話音声データの開示や報告レポートを提出してもらえるかチェックしてください。
通話音声データの開示や報告レポートから、次のような検討材料を入手できます。
- 実際に電話をかけて適切な営業活動をしているか
- 顧客はアポインターにどのような反応を見せているのか
- トークスクリプトに改善すべき点はあるか
7. 秘密保持への取り組み
テレアポ代行業者を利用する際は、営業活動に役立てるために自社の社外秘の情報や顧客情報を渡すケースもあります。
そこで秘密保持契約書(NDA)を交わすことはもちろんのこと、テレアポ代行会社が次のような取り組みをしているかも重要なチェック項目になります。
- 個人情報保護研修などを行っている
- プライバシーマークを取得している
テレアポ代行前に知っておきたい獲得アポイントメントの特徴と性質
テレアポ代行会社を通じて獲得できるアポイントメントには、次のような特徴と性質があります。
- 自社サービスとアポイントの企業属性のマッチングが可能
- BANT条件の不一致により確度の高いリードを獲得しづらい
- テレアポ代行業界の実情として稼働後のアポ獲得率は低い
確度の高いリード獲得のためには、上記の点を踏まえて対策しつつ柔軟な対応ができるテレアポ代行業者に依頼することが大事です。ではそれぞれについて、見ていきましょう。
自社サービスとアポイント属性のマッチングが可能
ターゲット属性の精度を高めれば、自社が提供する製品やサービスにマッチさせることが可能です。
テレアポ代行では、ターゲットリストを用意してから架電をしていきます。そのため獲得するアポイントメントの質を高めるためには、ターゲット属性の精度を高めれば良いわけです。
ただし会社規模など公開済みの情報を元にした属性ではなく、お客様に直接ヒアリングする必要のある属性は含められません。そのため属性のマッチングは、ある程度の精度となります。
BANT条件の不一致により確度の高いリードを獲得しづらい
「BANT条件」の不一致によりタイミングが合わない未来の顧客であっても、テレアポ代行会社は強引にアポをとる可能性があります。
営業活動で成約に必要な要素を分析するために活用されるBANT条件とは、次のとおりです。
- Budget(予算)
- Authority(決裁権)
- Needs(必要性)
- Timeframe(導入時期)
テレアポ代行会社が獲得してきたアポイントメントは、BANT条件の不一致が多く見られます。属性が一致していても、BANT条件の不一致があれば成約に繋がらないことが多いのです。
なおテレアポ代行会社の中には、決裁者へのアプローチが得意な企業があるので探す際に注目してみましょう。
テレアポ代行業界の実情として稼働後のアポ獲得率は低い
営業経験のある人なら「テレアポはそもそも断られる」ことを知っているはずです。これはテレアポ代行会社においても同じなので、稼働後のアポ獲得率は低いという認識を持っておきましょう。
「結果を出すためには、稼働後に調整する必要がある」ことを理解した上で、依頼することが大切です。
テレアポ代行先に共有すべき情報
テレアポ代行先に依頼する際には、精度の高いアポイント獲得のためにも稼働前に次のような情報を共有しておく必要があります。
テレアポ代行先と稼働前に共有しておくべき情報は、次のとおりです。
- 自社の課題やテレアポを利用する目的の共有
- 自社商材やサービスの内容
- テレアポ代行(営業代行)に任せる範囲
- 依頼する期間と達成すべきKPI(重要業績評価指標)
- KPI達成の明確な評価基準
ではそれぞれについて、見ていきましょう。
自社の課題やテレアポを利用する目的の共有
テレアポ代行先に、自社の抱える課題を元にテレアポを利用する目的を共有しましょう。例えば、次のような課題や目的です。
- テレアポに回す営業のリソースが足りない
- テレアポで戦える営業スタッフの育成にまで手が回らない
- 新製品・サービスのテストマーケティングをしたい
- 新規獲得をスピードアップしたい
自社商材やサービスの内容
テレアポ代行とは、自社の商品やサービスの営業を代行しアポイントを獲得してもらうことです。そこでテレアポ代行先には、顧客に対して自社商材やサービスの内容を正しく伝えてもらう必要があります。
テレアポ代行先から質問された際に答えられるよう、少なくとも次のような点を事前にまとめておくのがおすすめです。
- 自社の商品やサービスの仕様についてのメリット・デメリット
- 自社商材やサービスでなければいけない理由(競合他社との違い)
- プロモーションや販促キャンペーンの詳細
テレアポ代行(営業代行)に任せる範囲
営業代行先は幅広い業務に対応しているので、稼働中はアポイント獲得プロセスのどこからどこまでを任せるのか決めておきましょう。
できるだけ具体的に業務委託契約書に業務の内容を盛り込んでおくと、後々のトラブルを防げます。
依頼する期間と達成すべき成果
テレアポ代行を依頼する際には、依頼する期限と達成すべき成果を具体的に示せるよう準備しておきましょう。
テレアポ業務を依頼する期間や成果の内容によって、自社の依頼に最適な報酬形態も変わってきます。
KPI達成の明確な評価基準
テレアポ代行先と業務委託契約書を交わす前に、KPIを決めておく必要があります。KPIとは、重要業績評価指標と呼ばれる目標の達成度合いを計測・監視するための指標です。
報酬の発生にかかわる評価に認識のズレが発生しないよう、明確な評価基準(KPI)を決めておきましょう。評価基準が曖昧だと、成果を達成できたか否かの判断ができません。第三者が見ても、同じように評価できる数値基準を設けておくことが大事です。
月額固定型を選ぶ場合でも、テレアポ代行導入がもたらした成果を把握できるようにKPIを工夫しましょう。
テレアポ代行費用形態の基本は成果報酬型
テレアポ代行費用形態の基本は、成果報酬型です。原則、アポが取れなければ費用は一切発生しない点が、成果報酬型の大きなメリットといえるでしょう。アポイント獲得に特化したプロのアポインターが、自社に代わり営業を代行してくれます。
アポ獲得の件数に応じて支払いたいケースにおすすめです。ただしアポインターにとってはアポを獲得しないと報酬に繋がらないため、強引なセールスになることがあります。
次のような課題やニーズを抱えているなら、成果報酬型のテレアポ代行はソリューションとして検討の余地があるでしょう。
- リピート率は高いが、新規顧客を開拓できていない
- リード客の母集団をとにかく増やしたい
- オンライン資料請求につながるようWeb広告費用をかけているがCVが少ない
成果報酬型のテレアポ料金相場一覧は、次のとおりです。
テレアポ代行会社 | アポ単価 (アポイントメント1件あたりの単価) |
代行会社A | 1万円〜 |
代行会社B | 3,000円〜(初回稼働費用が別途かかる) |
代行会社C | 1万5,000円〜 |
代行会社D | 1万〜8万円 |
代行会社E | 5,000円〜 |
アポ単価は、アポイントメント獲得の難易度により異なるため、査定および見積もりをして決定されることが多いでしょう。
テレアポ代行を依頼するメリット
テレアポ代行を依頼すると、主に4つのメリットがあります。
- 商談に専念でき営業活動を効率化できる
- 新規開拓のスピードを上げられる
- 人件費・設備費などのコスト削減に役立つ
- プロのアポインターのスキルを活用できる
ここではそれぞれについて、見ていきましょう。
商談に専念でき営業活動を効率化できる
自社の限られた営業リソースでテレアポから成約までを担うと、商談に向けて営業リソースを最大化しづらいでしょう。一方、テレアポ代行にアポ獲得を依頼すれば、商談に集中して営業活動を効率化できます。
営業担当者はテレアポ業務で疲弊することなく、既存顧客へのフォローにも取り組めます。
アポ獲得は営業活動のプロセスの1つであり、終着点ではありません。成約につなげるためには、アポ獲得後の商談こそが重要です。
新規開拓のスピードを上げられる
知名度の低い企業やサービスは、テレアポ代行に依頼すれば新規開拓のスピードを向上できます。オンラインだけで新規開拓や集客をするのは、効率がいい方法とはいえません。
企業名やサービス名の認知度が低い場合は、検索されないためです。Web広告に費用をかけて出稿しても、潜在顧客の目に留まらない可能性も高いでしょう。
一方、テレアポなら架電を通じてターゲット層へ積極的にアプローチできるので、チャンスをつかみやすくなります。
人件費・設備費などのコスト削減に役立つ
テレアポ代行へ外注すると、自社スタッフの採用と育成にかかる人件費、電話・PCの設備費に代表される経費を抑えられます。
また将来的にテレアポ代行への依頼をやめる場合には、業務委託契約を解除するだけで済みます。
プロのアポインターのスキルを活用できる
テレアポは架電してトークスクリプトを話すだけではなく、経験に裏付けされたノウハウやスキルが必要な業務です。テレアポ代行に業務委託すれば、テレアポに特化したプロが業務にあたります。
そのため架電数の向上やアポ獲得数など、自社が定めたKPIをより効率的に達成させられるでしょう。
テレアポ代行を依頼するデメリット
テレアポ代行を依頼する前に知っておきたいデメリットは、大きく次の3つです。
- 代行業者によってアポの質に差がでる
- 成果の有無に関わらす費用が発生する場合がある
- 情報漏えいのリスクがゼロではない
ではそれぞれについて、見ていきましょう。
代行業者によってアポの質に差がでる
テレアポ代行を利用して獲得できるアポイントメントには質があり、代行業者選びによって差がうまれます。差が出る要因は、テレアポ代行会社ごとに蓄積しているノウハウや登録しているアポインターのスキルが異なるからです。
得意とする業界なども異なるため、実績が豊富だとうたっていても自社のケースで必ずしもうまくいくとは限りません。
成果の有無に関わらす費用が発生する場合がある
成果報酬型のテレアポ代行であっても、レポート作成費用や初回稼働費用がかかるケースがあります。どのようなサービスの提供に対して、成果の有無に関わらず費用が発生するのか、稼働前に確認しておきましょう。
コール課金型は、架電ごとに課金されますのでアポを獲得できなくても費用が発生することに留意してください。
情報漏えいのリスクがゼロではない
テレアポ代行の選び方でもお伝えしましたが、自社の顧客情報などを共有することがあるので情報漏えいのリスクがあります。
秘密保持契約書(NDA)を交わしても、情報漏えいのリスクをゼロにはできないことを理解しておきましょう。
テレアポ代行の依頼先は?代行業者とフリーランス(個人)を比較
テレアポ代行先には、フリーランスとテレアポ代行会社の2種類があります。ここでは、それぞれの特徴をメリット・デメリットから比較してみましょう。
テレアポ代行先 | メリット | デメリット |
フリーランス | ・実績を積んだスキルの高いアポインターに出会える ・アポインターと直接連絡できるので、タイムリーかつスピーディーで柔軟な対応が可能 ・中間マージン不要なので、代行会社より費用を抑えられる | ・たとえ優秀なアポインターでもリソースは1人分しかない ・依頼するフリーランスによって、スキル・知識や対応の力量に大きな差が出る |
代行会社 | ・十分なリソースを確保しているので、豊富なリソースを活かした大規模な営業活動が可能 ・会社自体に、さまざまな対応実績から幅広いノウハウが管理・蓄積されている | ・アポインターのサービス提供時のルールが規定されており、対応時の柔軟性に乏しい ・フリーランス(個人)に依頼するよりも管理費がかかっている分、代行費用がかさむ |
まとめ:営業のプロ集団であるテレアポ代行を上手に活用しよう
テレアポを任せられる営業リソースの不足やテレアポ担当者の退職が続いているなら、テレアポ代行の利用を検討しましょう。
営業のプロ集団から支援を受けて商談数を増やせば、事業拡大のスピードをアップできます。稼働後に細かな調整をしながら、テレアポ代行とパートナーシップを構築し営業活動をすすめるのが成功のコツです。
