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アニメーションMVの作り方とは?制作におすすめのソフト5選を紹介

簡易な作り方もできる「アニメーションMV(ミュージックビデオ)」は、ミュージシャンの楽曲や企業イメージを表現するコンテンツとして注目されています。特にYouTubeなどのSNSでは、さまざまなアニメーションMVが見られるようになりました。

実際「新曲にアニメーションをつけて発表したい」「自作のイラストを使用してMVを作りたい」という方は少なくありません。ブランドの認知度をあげる手段として、アニメーションを活用したい企業担当者もいるでしょう。とはいえ、制作イメージがしにくい方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、アニメーションMVの制作に関する基礎を押さえ、制作手順やおすすめのソフトを紹介します。

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アニメーションMVとは?

アニメーション制作ツール

アニメーションMV(Music Video)とは、楽曲の中にあるイメージや世界観を、動きのあるイラストや文字で視覚的に表現した動画や映像のことです。

昨今、アニメーションMVはミュージシャンの楽曲を表現する手段として活用されるだけでなく、個人のクリエイターがYouTubeやTikTokなどで自作のMVを投稿するケースが増えています。アニメーションMVに関するトレンドや手法などについてみてみましょう。

MVとPVの違い

MVと混同されやすい言葉として、PV(Promotion Video)があります。MVとPVはそれぞれ動画や映像を意味しますが、目的が異なります。MVの目的は楽曲のイメージを伝えることですが、PVの目的は商品やサービスなどの販売促進です。

しかしながら、楽曲の魅力を伝えるMVが話題になれば多くの人に認知され、販売促進につながることも少なくありません。これが、MVとPVが同一視されやすい一因と言えるでしょう。

アニメーションMVが注目されている理由

アニメーションMVをリリースしているミュージシャンや企業、個人のクリエイターは多いです。その前提として、動画をメインとしたSNSや動画配信サービスの市場が拡大していることが挙げられます。

総務省「令和4年 情報通信に関する現状報告の概要」によると、日本の動画配信市場は2020年から21年にかけて19.0%拡大しました。また、NTTドコモ「モバイル利用トレンド2022-2023」によると、YouTubeの認知率は9割以上で、月1回以上の利用率は6割を超えています。

追い風に乗るように、人物撮影が要らないアニメーションが注目されるようになりました。意外に感じる方もいますが、実写の動画よりも手軽に制作できるためです。

実写動画のように撮影機材や出演者のスケジュール調整が不要で、表現手法によっては手間やコストを大幅に抑えられます。また、制作ソフトの種類や機能が多様化していることも作りやすくなった原因と言えるでしょう。

アニメーションMVに多い表現手法

手軽になったとはいえ、質の高い動画を制作するにはアニメーションMVの表現手法を理解する必要があります。主な表現手法を3つピックアップして参考になる事例を紹介します。

表現手法概要
キャラクターアニメーションキャラクターやマスコットに動きをつけた動画
モーショングラフィックス本来動かない絵や写真、図形などに動きをつけた動画
タイポグラフィアニメーションサウンドに合わせて文字に多様な動きをつけた動画

「キャラクターアニメーション」は主人公のキャラクターを設定し、動画でイメージや世界観を伝える手法です。例えば、日本ハムの定番商品「シャウエッセン」のCMは、青春恋愛物語風の世界観が漂っています。

「空白ごっこ – シャウりータイム(シャウエッセン full ver)」のMVを確認する

「モーショングラフィックス」は、楽曲に合わせて図形などをテンポよく動かす手法です。例えば、ロックバンド「ハイスイノナサ」の楽曲「地下鉄の動態」のMVは、点や長方形などの図形をリズミカルに漂わせ、インパクトのある空間を演出しています。

「ハイスイノナサ / 地下鉄の動態」のMVを確認する

「タイポグラフィアニメーション」は、文字の色を変えたり動きをつけたりしてインパクトのあるMVを制作できます。歌声合成技術の「ボーカロイド」との相性がよいです。事例として、ヤマハの音声合成ソフト「初音ミク」のMVがあります。

「DECO*27 – ヴァンパイア feat. 初音ミク」のMVを確認する

アニメーションMVの作り方の5ステップ

Youtuberの部屋イラスト

アニメーションMVの表現手法についてみてきましたが、実際にMVを制作するにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、アニメーションMVの作り方をステップ形式で解説します。

  • ステップ1.目的・コンセプトを決める
  • ステップ2.使用する楽曲を選ぶ
  • ステップ3.流れ・ストーリーを考える
  • ステップ4.イラストや素材を作成・収集する
  • ステップ5.専用ソフトでMVを編集する

ステップ1.目的・コンセプトを決める

まずは、アニメーションMVを制作する目的とコンセプトを決めます。どのようなイメージのMVを作るのか、基礎になる部分です。MVのメッセージと世界観を決めるコンセプトは、制作過程でブレることがないように深堀りしましょう。

このとき、MVをリリースする場所も明確にしておくと便利です。例えばYouTubeやTikTokなどの場合、それぞれのプラットフォームに特徴があります。演出や動画の長さによって再生率が変わるため、企画時点から閲覧されやすいMVを目指しましょう。

ステップ2.使用する楽曲を選ぶ

コンセプトにそってイメージにあう楽曲を選びます。音楽クリエイターやミュージシャンで、先に楽曲がある人は、どのような表現手法を使用するか検討しましょう。

例えば、自作の楽曲にボーカロイドをつけて投稿するなら、イメージに合ったキャラクターを考えたり、タイポグラフィックアニメーションで歌詞を入れたりするなどの方法があります。演奏する自身の実写とアニメーションを組み合わせることも可能です。

ステップ3.流れ・ストーリーを考える

アニメーションMVのストーリーを決める工程です。大体の流れを作り、それにそって構成を考えます。具体的には「絵コンテ」を作成し、どのようなイラストをどのタイミングで動かすのかを決めます。離脱されないMVを制作するためにも、コンセプトにあった興味深いストーリーを考えましょう。

また、撮り直しに手間がかかる実写動画と違って、アニメーションは制作や編集の段階である程度調整できます。しかし本筋の変更は負担になるため、この時点で内容を詰めておくと安心です。

ステップ4.イラストや素材を作成・収集する

表現手法と絵コンテが確定したら、いよいよアニメーションMVに使用するイラストや素材探しです。まず、動画編集ソフトやネットで利用できる有料・無料の素材集を使用する方法があります。

オリジナルのキャラクターを使用するなら、イラストの作成が必要です。自作が難しい場合は、キャラクターデザインを外注する方法も検討しましょう。

ステップ5.専用ソフトでMVを編集する

イラストや素材が集まったら、アニメーションが作れるソフトで動画を加工します。絵コンテを元に、素材を1つずつ組み合わせるイメージです。使用するソフトの機能にもよりますが、フィルターや効果をつけたり、キャラクターにテンポのよい動きをさせたりして、インパクトのあるMVに編集します。

ただし、ソフトによっては思い通りに編集することが難しいこともあります。そのようなことにならないよう、ソフトを導入する際には、MV作りにどのような処理が必要になるか事前に把握しておくとよいでしょう。

アニメーションMVの制作におすすめのソフト5選

3DCGを制作する人

アニメーションMVを作る流れを把握しても、やはり難関なのがソフト選びではないでしょうか。アニメーション動画が作れるソフトは数多く存在しますが、どれを使えばよいのか分からない人が多いからです。そこで、アニメーションMVの制作におすすめのソフトを紹介します。

  1. Adobe After Effects(アフターエフェクト)
  2. Anime Effects(アニメエフェクト)
  3. AviUtil(エーブイアイユーテル)
  4. Vyond(ビヨンド)
  5. Moho Pro(モーホープロ)

1. Adobe After Effects(アフターエフェクト)

Adobe After Effects(アフターエフェクト)は、デザインツールで有名なアドビシステムズのソフトの1つです。キャラクターなどを動かしたり、文字を入れたり、CGで画面を合成したりなどさまざまな機能があります。

アニメーション制作では、通常、動きに合わせて「中割り」というイラストが複数必要になります。しかしAdobe After Effectsなら、シンプルな動きについては中割りなしでもアニメーション化が可能で、自然な動きを効率的に作り出すことが可能です。楽曲に合わせて文字に効果をつける際にも便利です。

3Dアニメーションにも対応しています。アフターエフェクトは、他のアドベシステムズの製品同様サブスクリプション契約となっており、月額2,728円~で使用可能です。

Adobe After Effects 公式サイト

2. Anime Effects(アニメエフェクト)

Anime Effects(アニメエフェクト)は、日本のアニメ作品で最も一般的な「2Dアニメーション」に対応したソフトです。イラスト1枚からでもシンプルな動画が完成します。

キャラクターの手足や口、髪の毛などを部分的に動かせるのはもちろん、全体に大きな動きをつけるなど基礎的な効果をつけられます。まばたきさせることも可能です。

しかも初期費用や利用料もなく、完全無料な点も魅力です。ペンタブレットの回転に対応しており、絵を描くように制作を始められます。

AnimeEffects 公式サイト

3. AviUtl(エーブイアイユーテル)

「AviUtl(エーブイアイユーテル)」は、イラストや動画に動きなどの効果をつけて編集できるフリーソフトです。動画のリサイズやカット、音声や文字の挿入などができます。本格的なアニメーション制作には適していませんが、効果をつけるなどの編集は可能です。また、機能を拡張することでできることが広がります。

ソフトは無料ダウンロードが可能で完全フリーですが、ソフトのみではできることが少なく活用できません。そのため、拡張編集用のプラグインもダウンロードする必要があります。とはいえ拡張性が高く、定番の動画編集支援ソフトや加工ソフトとも連携できます。

AviUtlのお部屋 公式サイト

4. Vyond(ビヨンド)

Vyond(ビヨンド)は、主にビジネス系のアニメーション動画を効率的に制作できます。製品の解説やセミナー資料などビジネスシーンでも、アニメーションを取り入れることが増えました。Vyondには豊富な素材やテンプレートがあるため、それらを活用して簡単にアニメーションが作れます。

楽曲に合わせてテンポよくキャラクターを動かせるため、MVの制作にも活かせます。カテゴライズされた1,000以上のキャラクター素材からMVの主人公を選べて、豊富な表情・アクションパターンで躍動感をつけることが可能です。

Vyondはクラウド型ツールのため、ソフトウェアをダウンロード・インストールする必要はありません。費用は、プロフェッショナルプランの場合1ライセンス年間187,000円です。

Vyond 日本代理店サイト

5. Moho Pro(モーホープロ)

Moho Pro(モーホープロ)は、イラストの作画から2Dアニメーションにする過程を完結できるプロ仕様のソフトです。アニメーション映画の制作にも活用されており、アカデミー賞にノミネートされた作品もあります。

1枚のイラストを自由に動かすのはもちろん、まばたきや表情など使用頻度の高いアニメーションを登録して、制作工程を効率化することも可能です。Moho Proはパッケージ販売となっており、1ライセンス10,978円でダウンロードできます。

Moho Pro(国内販売元サイト)

アニメーションMVを外注する方法と費用の目安

ノートPCに映るカラフルなデザイン

高機能なソフトのお陰で、イラストを何枚も作画しなくてもアニメーションを作れるようになりましたが、それでも制作に時間はかかります。実際、作ったことがない人や多忙な人にとって制作ハードルは高いです。

アニメーションMVの自作が難しい場合は、制作を外注するのも1つの方法です。そこで、アニメーションMVを外注する2つの方法と費用について解説します。

  1. 動画制作会社に依頼
  2. フリーランスに依頼

1. 動画制作会社に依頼

動画制作会社などの専門企業は、任せやすい外注先です。制作実績とノウハウがある制作会社なら、アニメーションMVの掲載先や表現方法にあわせて、質の高い動画を制作してくれるでしょう。また、依頼者の希望や目的をヒアリングし、企画から制作までを依頼することもできます。

一方で、費用はMVの尺やクオリティによって大きく変動します。企画から制作まで依頼した場合、1分以内で20万~150万円、5分以内のもので100万~数百万円をみるとよいでしょう。オリジナルキャラクターを採用したり、動きの滑らかさにこだわったりすると、作画枚数が増えて高額になります。

2. フリーランスに依頼

予算を抑えて制作したい方や部分的な外注を行うなら、フリーランスに依頼する方法もあります。フリーランスは制作会社よりも比較的リーズナブルに外注しやすいからです。企画から制作まで対応しているフリーランスもいますが、予算に限りがある場合は部分的に依頼するのも良策です。

例えば、アニメーションMVにオリジナルのキャラクターを採用するなら、イラストの作画が必要なため、イメージにあったキャラクターが描けるフリーランスに依頼するとよいでしょう。また、企画立案と構成、絵コンテの制作まで自作し、実際のアニメーション制作のみ外注することも可能です。

フリーランスに制作を外注する際の費用目安は、20万~50万円です。しかし、フリーランスの外注費用はスキルや制作工数によっても変動します。

ちなみに、ランサーズにはアニメーション制作に特化したフリーランスが大勢所属しています。気になるクリエイターをみつけたらぜひ無料で相談しましょう。

作り方を押さえて魅力的なアニメーションMVを制作しよう

アニメーションを制作する人

アニメーションMVの基礎知識と作り方についてみてきました。作り方を把握し、自社や個人の目的に合ったアニメーションを制作してはいかがでしょうか。自作が難しい方は、部分的な外注やプロのフルサポートを依頼することも良策です。

アニメーションMVの制作に長けたプロのクリエイターをお探しなら、ぜひランサーズをご検討ください。気軽にご相談いただけます。イメージにあった作品を作れるプロをみつけてはいかがでしょうか。

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