自社の商品やサービスのPRには、時間やコストが発生します。スピーディかつ幅広い層への効果的なPRの施策として選択肢となるのが、PR動画です。
PR動画の自社制作が難しい場合は外注することになりますが、依頼する作業の内容や依頼先によって費用は大きく異なります。PR動画の費用対効果を得るためには、PR動画制作の費用相場を把握し、適切な依頼先を選ぶことが重要です。
本記事では、PR動画の費用の作業別内訳、依頼先別の費用相場、費用を抑えるコツ、依頼先の選び方を解説します。

目次
PR動画とは
PR動画のPRとは”Public Relations”の略で、公衆との良い関係を築くための広報や認知のための活動を指します。PR動画は動画を通じて視聴者とコミュニケーションを取ることで、以下の目的を達成するために活用されます。
- 製品や商品、サービスの認知度向上
- ブランディング
- 既存顧客のファン化
PRと似ている言葉に「プロモーション」があります。プロモーションとは、消費者の購買意欲を促す活動全般のことです。つまりPRはプロモーションの一部であり、PR動画はプロモーション動画のひとつに該当します。
PR動画制作費用の作業別内訳
PR動画の自社での制作が難しい場合には、外注することになります。PR動画の制作費用は、以下の作業工程ごとに発生する仕組みです。
- 企画・ディレクション
- 撮影
- 編集
- 音響・ナレーション
それぞれの作業工程別の費用の内訳を解説します。
企画・ディレクションで発生する作業と費用の内訳
企画・ディレクションとは、動画のテーマ作成から完成までのプロジェクト全体の進行をする工程です。企画・ディレクションでは以下の作業が発生します。
- 動画のテーマの設定
- 動画構成の作成
- 動画シナリオの作成
- 動画の完成イメージの立ち上げ
- 撮影や編集の計画の作成
- 実際の作業計画の進行
企画・ディレクションで発生する作業別の費用の内訳は以下の通りです。
費用項目 | 費用の相場 |
プロデューサー費用 | 5~10万円 |
ディレクター費用 | 5~25万円 |
構成台本作成費用 | 3~15万円 |
企画で発生する費用合計の相場 | 5~50万円 |
撮影で発生する作業と費用の内訳
動画として配信する映像を撮影する工程です。企画で決めたテーマやシナリオ、内容に沿って撮影し動画を制作していきます。撮影場所や日数、キャスティングの有無によって、撮影で発生する費用は変動するのが特徴です。
撮影で発生する費用の内訳は以下の通りとなっています。
費用項目 | 費用の相場 |
撮影費用 | 5~35万円 |
機材費用 | 5~50万円 |
ロケハン費用 | 2~10万円 |
キャスティング費用 | 5~50万円 |
スタジオ費用 | 5~40万円 |
諸経費(宿泊費、交通費、車両費など) | 6~30万円 |
撮影で発生する費用合計の相場 | 10~100万円 |
編集で発生する作業と費用の内訳
編集とは、撮影した映像を編集する工程です。編集で発生する作業は以下の通りとなっています。
- 映像のカットをつなぐ
- 企業のロゴやテロップなどを挿入する
- エフェクト(視覚効果)を入れる
- 3DCGやアニメーションを入れる
編集で発生する費用の内訳を以下にまとめました。動画の内容や入れたい効果によって費用が変動します。
費用項目 | 費用の相場 |
動画編集費用 | 5~50万円 |
グラフィック費用 | 3~50万円 |
編集で発生する費用合計の相場 | 10~100万円 |
音響・ナレーションで発生する作業と費用の内訳
音響・ナレーションとは編集した動画と音声を同期させる工程です。発生する作業を以下にまとめました。
- 音声を別録りする
- 動画に音声やナレーションを追加する
- 必要に応じてメディアに出力する
音響・ナレーションで発生する費用の内訳は以下の通りです。音源やナレーションを入れるか、動画をDVDなどのメディアへ出力するかによって費用が変動します。
費用項目 | 費用の相場 |
音響効果、ナレーション費用 | 3~20万円 |
メディア出力費用 | 5千円~3万円 |
音響・ナレーションで発生する費用合計の相場 | 5~15万円 |
PR動画制作の依頼先別の特徴と費用相場
PR動画の制作を依頼する場合、依頼先によって費用が異なります。おもな依頼先は以下の通りです。
- フリーランス(個人)
- 制作会社
依頼先別の特徴と費用の相場を解説します。
フリーランス(個人)への依頼の特徴と相場
動画制作を行っているフリーランスに依頼する方法です。フリーランスは個人で仕事を請け負っていることから、複数で作業を行う制作会社よりも人件費がかかりません。そのため、一般的に制作会社よりも依頼費用が安い傾向にあります。
フリーランスへPR動画制作を依頼した場合の費用の相場は以下の通りです。フリーランスの実績や作業内容によって、提示される費用は異なります。
費用項目 | 費用の相場 |
簡易的なPR動画 | 15万円~ |
インタビューや製品紹介込みのPR動画 | 30万円~ |
特殊機材や3DCGなどの技術を取り入れたPR動画 | 20~50万円前後 |
フリーランスはひとりで依頼内容をすべてこなすため、工程数によって費用を設定していることが多いです。動画制作のスキルや技術は、フリーランスによってばらつきがあります。依頼前にサンプル動画や実績を良く確認するようにしましょう。
制作会社への依頼の特徴と相場
動画制作を行う制作会社は、多くの人員や機材を動画制作に取り入れています。そのため人件費や必要経費が発生することから、制作会社への依頼はフリーランスへの依頼よりも費用が高くなることが多いです。相場は動画の長さや編集内容などにより以下のように異なります。
費用項目 | 費用の相場 |
簡易的なPR動画 | 20~35万円前後 |
インタビューや製品紹介込みのPR動画 | 40~80万円前後 |
特殊機材や3DCGなどの技術を取り入れたPR動画 | 60~100万円前後 |
制作費用は高くなるものの、動画制作に関するすべての作業をお任せすることも可能です。
PR動画制作の費用を抑える7つの方法
効果的なPR動画制作を依頼したいと思っていても、使用できる予算は限られている場合も多いでしょう。費用はさまざまな工夫によって抑えられる場合があります。
PR動画の費用を抑える方法として、おもに以下7つの方法があります。
- 使用できる予算を決める
- 動画の内容を精査する
- 撮影で発生する作業を抑える
- 動画の尺を短くする
- 作業や工程ごとに依頼する
- 複数の依頼先候補から見積もりを取る
- フリーランスに依頼する
それぞれの詳細を解説します。
1. 使用できる予算を決める
PR動画制作に使える予算をあらかじめ決めておきましょう。予算におさまる範囲で依頼できるフリーランスや制作会社を探せば、予算オーバーの心配もありません。
予算枠の中で、PR動画制作に関する優先順位を明確にしておくのも重要です。たとえばPR動画の内容を重視するなら、納期を譲歩することで予算を抑えられます。逆に期日までのPR動画制作を依頼する代わりに、内容や質を必要に応じて少し下げる、といったこともできます。
2. 動画の内容を精査する
PR動画の内容が複雑になると尺も長くなります。その分PR動画作成に必要な作業や工程が増えるため、費用も高額になってしまうでしょう。PR動画でもっとも伝えたいことなどを絞り込み、内容を精査しておくのがおすすめです。
PR動画の内容を精査することで制作費用が抑えられるほか、視聴者にもピンポイントで内容を伝えやすくなるメリットもあります。
3. 撮影で発生する作業を抑える
撮影で発生する作業数が少ない動画制作を依頼することで、費用を抑える方法です。具体的には以下のような選択肢があります。
- 遠方など追加費用のかかるロケは行わない
- 撮影に使用するカメラの台数を絞る
- 自社の従業員をキャスティングする
- 照明の必要性が薄い屋外を利用する
- 静止画メインの動画にする
宿泊費や機材費、人件費などの経費を抑えることで、全体的な依頼費用のコストダウンにつながります。
4. 動画の尺を短くする
PR動画の尺が長ければ長いほど費用は高くなります。以下のような方法で尺を短くすることでも、費用は抑えられます。
- 早送りを活用する
- ジャンプカットを使う
依頼を検討しているフリーランスや制作会社に、早送りやジャンプカットを活用した動画制作は可能かを確認しておきましょう。
5. 作業や工程ごとに依頼する
PR動画制作で発生する作業をすべて依頼するのではなく、部分的に依頼することで費用を抑えられます。動画作成の工程ごとに、自社で対応できるものは自社で行うことも有効です。具体的には以下のような対応方法があります。
- 編集や撮影のみ依頼し、企画は自社で行う
- 構成案や絵コンテを自社で用意する
- 動画の目的や要望を明文化し、ディレクションの負担を少なくする
- 動画に使用する静止画や素材を自社で用意する
自社のリソースを上手に活用することで、費用を抑えられると同時にPR動画制作のノウハウも自社に蓄積しやすくなります。将来的にPR動画の内製化を進めたいときにも向いている方法です。
6. 複数の依頼先候補から見積もりを取る
依頼先によってPR動画の制作にかかる費用は異なります。依頼先の候補を複数に絞ったら、見積もりを請求して費用を比較し、検討しましょう。ただ費用の額面だけを見るのではなく、内訳が明確か確認するのも重要です。
7. フリーランスに依頼する
フリーランスは制作会社よりもPR動画の制作費用が安い傾向にあります。人件費が発生しないことに加えて、下請けをしていないことも、フリーランスの方が費用が抑えられる理由のひとつです。
個人の予定や作業範囲の中なら、スケジュールや作業範囲の変更にも柔軟に対応できます。実績の高いフリーランスに依頼することで、費用対効果の高いPR動画制作につなげられるでしょう。
PR動画制作の依頼先を選ぶ5つのポイント
PR動画制作の費用のみを重視して依頼先を選んでしまうと、納品物の質が低い、納期が大幅にオーバーしたなどの予想外のトラブルが発生することがあります。PR動画制作の依頼先を選ぶ際は、費用以外にも以下のポイントを踏まえておきましょう。
- 得意分野を確認する
- 依頼できる作業を確認する
- 実績を確認する
- 内製しているかを確認する
- プラスアルファの依頼ができるか確認する
それぞれのポイントについて順に解説していきます。
1. 得意分野を確認する
フリーランスや制作会社によって、特定の業種や内容のPR動画制作を得意としていることが多いです。自社の商材や業種にマッチした分野を得意としている依頼先を選ぶことで、品質の高いPR動画制作が期待できます。
2. 依頼できる作業を確認する
将来的にPR動画制作の内製化を目指したいときや、特定の作業のみを依頼して費用を抑えたいときには、依頼できる作業の内容を確認しましょう。作業数や工程に対して柔軟に対応できる依頼先を選ぶのがおすすめです。
3. 実績を確認する
今まで制作した動画のサンプルや作成した企業動画の事例などを公開している場合には、忘れずに確認しましょう。制作を希望する自社のPR動画のテーマやイメージをあらかじめ決めておき、テーマやイメージと近い動画制作の実績を持つ依頼先を選べば、納得のいく動画制作につながります。
4. 内製しているかを確認する
依頼先がPR動画を内製しているかを確認しましょう。下請けをしているときには中間マージンが発生している可能性が高いです。費用が相場や作業内容よりも高くなってしまうことが多いため、あらかじめ確認しておきましょう。
5. プラスアルファの依頼ができるか確認する
PR動画はただ制作、配信するだけではプロモーションの効果は得られません。動画を広く認知させるための広報活動や、配信後の運用、改善を行うことで効果を最大化できます。
依頼先によっては、動画制作だけでなく以下のようなアフターサポートをプラスアルファで依頼できる場合があります。
- PR動画のSNSや動画共有サイトでの運用
- PR動画の分析と改善
- PR動画の認知のための活動
PR動画制作後の運用も依頼したいときには、対応できるかどうかも確認しておきましょう。
PR動画制作の実績が高いフリーランスを見つける方法
実績が高い、または自社の業種やテーマに合う動画制作を得意とするフリーランスに依頼をすれば、費用対効果の高いPR動画制作につながるでしょう。とはいえ、フリーランスは個々の技術や実績にばらつきがあります。自社のPR動画制作を安心して依頼できるフリーランスを探すのに、おすすめなのがランサーズです。
ランサーズではPR動画制作を得意とする多くのフリーランスが登録しています。個人のプロフィールページで得意分野や今までの動画制作の実績、事例も紹介されています。PR動画制作に関するパッケージを出品しているフリーランスの検索もでき、検索結果から実績や評価の確認も可能です。
PR動画制作の費用対効果の高い依頼先を見つけよう
PR動画の作業や依頼先別の費用の相場、費用を抑えるポイントやコツを解説しました。費用感とPR動画の仕上がり両方で納得できる依頼先を見つけるには、費用の内訳や今までの実績を確認するのが重要です。自社の商品やサービスの広い認知やブランディングにつながるPR動画制作をぜひ実現させてください。
