自社を認知してもらうことは、企業にとって1つの課題です。なぜなら、多くの人に認知してもらうことは、市場開拓だけでなく、ブランディング構築にもつながるからです。
では、効率的に自社を認知してもらうためには何が必要になるのでしょう?その1つが分かりやすさです。分かりやすさという部分で、動画は大きな力を発揮します。視覚情報として多くの情報を一度にアピールできるうえに、視聴者側の労力が少なくなるからです。
しかし、動画作成は簡単ではありません。当然、外注すれば費用がかかります。そこで、理解しておかなければいけないのが相場です。本記事では、企業紹介動画の費用相場と依頼先の選択肢について解説します。
企業紹介動画の作成を検討しているけれど、相場が分からないとお悩みの際は、ぜひご一読ください。

目次
企業紹介動画の費用相場
企業紹介動画の作成を依頼する前に知っておかなければいけないのが、費用相場です。しかし、動画作成の相場は分かりづらい部分があります。なぜなら、動画作成の費用は長さやクオリティによって変わってくるからです。
また、作成する動画の種類によっても費用は変わってきます。動画と一括りにしても、インタビュー動画やセミナー動画、企業紹介動画といったように、種類豊富です。そして、種類が違えば費用も変わってきます。これも、動画作成費用の相場が分かりづらい原因の1つです。
さまざまな動画のなかでも、企業紹介動画は企業の魅力をアピールする台本や音響などが必要になるので、動画作成のなかでも費用が膨らむ傾向にあります。ただし、依頼先によって相場に違いがあるので注意が必要です。
動画作成の依頼先は、制作会社とフリーランスの2つに分けることができ、それぞれの相場には違いがあるので下記の相場を1つの目安として覚えておきましょう。
依頼先 | 費用 |
制作会社 | 50万円~80万円程度 |
フリーランス | 20万円~50万円程度 |
企業紹介動画を作成するまでに必要な工程
企業紹介動画を作成するまでの工程は3つに分けることができます。
- 企画構成・ディレクション
- 台本作成
- 撮影と編集
工程のなかには、企画構成などのように自社で対応できるものもあります。費用を抑えたい場合は、社内対応を検討するのも1つの方法です。
1.企画構成・ディレクション
企画構成とは、どのような動画を作成するのかを決めることです。企画構成は、受注者側が発注者側にヒアリングすることで進められます。動画を作成する目的や、作成した動画でどのような効果を得たいのかをヒアリングして、動画の方向性を決めていくのです。
この企画構成によって、どのような動画を作成していくのかが決定するので、ヒアリング前には動画作成の目的を明確にしておきましょう。
ディレクションは動画作成に必要なロケ地やタレントの手配、スケジュール管理といった動画作成の環境を用意する工程です。費用を抑えたい場合は、企画構成とディレクションを自社対応することで、費用を半額程度に抑えられる可能性もあります。
工程 | 費用相場 | 全体に占める費用割合 |
企画構成 | 3万円から15万円 | 19%程度 |
ディレクション | 5万円から25万円 | 31%程度 |
2.台本作成
動画において、台本は重要です。企画構成で決定した動画の方向性や伝えたいメッセージを視聴者に分かりやすく伝えていけるかどうかは、台本にかかっているといっても過言ではありません。
- どのような順序で情報を伝えていくのか?
- どのような言葉で伝えていくのか?
- どのような映像を使うのか?
上記のことも台本で決めます。そのため、台本によって動画作成に必要な素材が変わってきます。つまり、台本によって費用が変わる可能性もあるのです。必要な素材を自社で用意すると、費用を抑えられる可能性があるので、台本が完成したら必要な素材を確認して、自社対応できるものがないかを確認するのも、費用を抑えるうえで効果的です。
また、動画の効果を高めるためには、共感が大切になります。共感してもらえる動画になるかどうかは、台本にかかっているので、目的を達成するためにも、非常に重要です。
なお、台本作成の相場と費用総額に占める割合は下記のようになっています。
工程 | 費用相場 | 全体に占める費用割合 |
台本作成 | 5万円から10万円 | 13%程度 |
3.撮影と編集
続いての工程が撮影と編集です。企業紹介動画は、使用する素材を撮影して、編集しながら組み合わせていくことで作成されます。
ここでの注意点は、凝り過ぎないということです。動画のクオリティを高めるためにも、編集は欠かせません。しかし、編集に凝り過ぎると費用も膨らんでいきます。動画を作成するときには、予算内に収めることも大切です。企業紹介動画の作成は、クオリティを高めることだけでなく、予算内に収めることもミッションの1つと意識しましょう。
なお、撮影と編集の相場、費用総額に占める割合は下記の通りです。
工程 | 費用相場 | 全体に占める費用割合 |
撮影と編集 | 5万円から30万円 | 37%程度 |
動画作成をスムーズに進める3つの準備
動画作成をスムーズに進めるためにも、事前準備は重要になります。特に以下の3つの準備をしておくことで、ヒアリングをスムーズに進めることができるので、スピード感をもった作業が可能です。
- 依頼先の実績を確認する
- 動画を作成する目的を明確にする
- 伝えたい情報を絞り込む
また、上記の準備をしていくことで、発注者側の思考や情報を整理できるのもメリットです。動画作成を依頼する前は、社内でしっかりと準備をしておきましょう。
1.過去の実績を確認しておく
依頼先を決めるときは、過去の実績を確認する必要があります。特に、依頼先が同じ種類の動画を作成していた場合は、クオリティの確認につながるので必ず見せてもらいましょう。
動画制作と一括りにしても、クオリティや得意なジャンルには違いがあります。企業紹介動画を多く制作しているところに依頼すれば多くの経験とノウハウを手に入れることが可能です。依頼先を決める前には必ず過去の実績を確認しましょう。
2.動画作成の目的を明確にする
目的を明確にすると、効果を高める方法を絞り込むことができます。これは、動画作成においても同じです。動画作成の目的を明確にすることで、誰に向けての動画なのかがハッキリします。つまり、ターゲットに合わせた情報の伝え方ができるということです。
さらに、目的とターゲットが定まれば伝える情報の取捨選択も簡単になります。目的を明確にするのは、効果を高めるうえでも重要な要素となるので、目的は一言で説明できるくらい分かりやすいものにしましょう。
3.伝えたい情報を絞り込む
動画を作成するうえで、大切になるのが情報を絞り込むことです。動画を作成するときには、多くの情報を入れ込みたいと考える人もいますが、これは逆効果になる危険性があります。なぜなら、情報が多過ぎると、一番伝えたい情報が埋もれてしまったり、薄まってしまう可能性があるからです。
伝えたい情報を絞り込むと、情報過多になることを防げるうえに、情報が埋もれてしまう危険性がなくなります。伝えたい情報を絞り込むことで必要な素材が絞り込めるので、スケジュール調整が簡単になるのもメリットです。
動画のなかで伝える情報は、目的に合わせて絞り込んでおきましょう。
企業紹介動画の外注先ごとのメリット・デメリット
企業紹介動画の外注先は、大きく分けると制作会社とフリーランスの2つがあります。ここからは、それぞれに依頼するメリットとデメリットについて解説していきます。メリットとデメリットを理解したうえで、自社の状況に合う依頼先を決めましょう。
制作会社に依頼
制作会社に依頼するメリットとデメリットは下記の通りです。
依頼先 | メリット | デメリット |
制作会社 | ・知識と経験の豊富なケースが多い ・クオリティの高い動画が作成できる可能性も高い | ・費用が高額になるケースが多い ・融通がきかない ・人気のある企業の場合は着手までに待たされる可能性がある |
なお、制作会社に依頼する場合は、スケジュールに注意してください。特に、人気のある企業の場合は着手するまでに時間がかかるケースが多くなっています。動画の使用日時が決まっている場合は、あらかじめ、希望する納期を伝えて対応可能かどうかを確認しておきましょう。
フリーランスに依頼
フリーランスに依頼するメリットとデメリットは下記のとおりです。
依頼先 | メリット | デメリット |
フリーランス | ・企業に依頼するより費用が抑えられる ・融通がきく | ・スキルに差がある ・対応範囲が限られている場合もある |
フリーランスに依頼するときは、過去の実績確認が大切です。なぜなら、スキルには個人差があるからです。フリーランスに依頼すれば費用対効果を高められる可能性が上がります。しかし、これは動画のクオリティに問題がないことが前提です。動画のクオリティが低くては費用を抑えられても意味がありません。そのため、過去の実績は念入りに確認しておきましょう。
企業紹介動画作成費用を抑える3つのポイント
企業紹介動画の費用を抑えるポイントは下記の3つです。
- 自社対応
- 予算決め
- フリーランスへの依頼
なかでも、自社対応の効果は小さくありません。例えば、動画内でインタビューを使いたい場合はインタビューを自社対応することで費用を抑えることが可能です。費用を抑えたいときは、自社対応できることがないのかを確認してみましょう。
1.素材を自社で準備しておく
動画で使用する素材を自社で準備しておくと費用を抑えることが可能です。動画は、さまざまな素材を組み合わせて作成します。例えば、自社商品の映像や社屋の外観、インタビューなどです。これらの素材を自社で準備すると費用を抑えることができるのですが、知っておかなければいけない注意点もあります。
それが、クオリティです。プロが撮影した映像と、素人が撮影した映像には差があります。そのため、自社商品の魅力を伝える映像や、重要な部分の撮影はプロに任せることも大切です。この辺りは、予算と相談する必要があります。
まずは、自社で準備できる素材の有無を確認しましょう。
2.予算を決めて依頼する
あらかじめ、予算を伝えて依頼することも効果的です。予算を決めて依頼すると、制作側は予算内で動画を作成してくれます。これによって、費用が膨らむのを防ぐことが可能です。
ただし、予算を決めると選択肢の数が減ってしまう点は理解しておきましょう。予算を伝えると、制作側は予算内での制作を最優先課題とします。そのため、選択肢の幅が狭まるのです。なかには、予算オーバーするという前置きをしたうえで、提案してくれる場合もありますが、基本的にはクライアントの意向を一番に考えているので、提案されない可能性もあります。
なお、予算を決めて依頼するときは、作成できる動画クオリティの確認が重要です。事前確認を通して、双方の認識にズレがないようにしておきましょう。
3.フリーランスに依頼する
費用を抑える点では、フリーランスへの依頼も効果的です。フリーランスは制作会社と比べて相場が安くなっています。ただし、フリーランスに依頼するときは、以下の2点に注意しなければいけません。
- 対応範囲が限定されているケースがある
- 個々のスキルに差がある
フリーランスのスキルには、個人差があります。そのため、依頼する前は必ず過去の実績を確認しなければいけません。また、対応範囲にも個人差があります。例えば、撮影と編集はできるけれど、企画構成やディレクションはできないといったケースがあるのです。
このような場合、複数人のフリーランスに依頼することで対応できます。ただし、複数人で進めていくには、まとめ役が必要です。まとめ役を依頼する場合は、別途費用が必要になるので注意してください。なお、まとめ役を依頼しない場合は、自社での対応が必要です。
フリーランスへの依頼が簡単にできるランサーズでは、フリーランスの対応範囲を確認することができるので、参考にしてください。
“PR動画”に強いプロのフリーランスに直接頼むと費用相場はいくら?
費用対効果を高めながら企業紹介動画を作成しよう
動画のなかでも、企業紹介動画は企業の魅力をアピールできる台本や素材、音響が必要になるので、他の動画作成よりも費用が膨らむ傾向が高くなっています。そのため、企業紹介動画を作成したいけれど予算の関係で作成に至っていないケースもあるかもしれません。そんなときは、フリーランスへの依頼も1つの方法です。
フリーランスは制作会社と比較すると費用相場が低くなっています。ただし、スキルには個人差があるので注意が必要です。フリーランスに依頼するときは、必ず過去の実績を確認しましょう。希望する動画クオリティを達成できるフリーランスを見つけることができれば、企業紹介動画作成の費用対効果を高めることができます。
