広告として活用できるアニメーションは種類が豊富なため、どのアニメーションが自社のPRに合っているのか悩んでいる担当者は多いでしょう。
特に、サービス開始直後など重要な役割を持つ広告ほど慎重になってしまい、使用するアニメーションの種類が決められなくなることもありますよね。
本記事では、アニメーションの種類ごとに、特徴や広告に適したサービス、アニメーションを広告に用いるメリットなどを解説していくので、ぜひアニメーション広告づくりの参考にしてください。

アニメーションとは
アニメーションとは、静止画であるイラストや絵に動きを持たせた動画を指します。動きに合わせて少しずつ変化させたイラストを複数作成し、出来上がったイラストをつなげて再生させることで、滑らかな動画を作り出します。日本のアニメーションでは、1秒間に8枚のイラストを用いる手法がベースとなっていますが、より詳細な表現にするために、1秒間に12枚や24枚のイラストを用いる手法が使われることもあります。
また、近年では3Dアニメーションなど、アニメーションの種類や手法が増えています。中には、文字や図形を動かすアニメーションなど、キャラクターを動かす以外のアニメーションもあるのです。そのため、伝えたい情報などに合わせてアニメーションの手法を選び、より視聴者に伝わるアニメーション動画の作成が求められています。
アニメーションの種類と特徴
アニメーションの種類は時代とともに増えており、幅広い表現が可能です。そこで、アニメーションの種類を3つのカテゴリーに分け、それぞれのカテゴリーごとに代表的なアニメーションの特徴を解説します。
- 平面アニメーション
- 立体アニメーション
- 文字を使ったアニメーション
1. 平面アニメーション
最初に解説するのは、イラストなどを動かす「平面アニメーション」です。同じように見えても表現内容などが異なるため、各アニメーションの違いをきちんと理解しておきましょう。
- セルアニメーション
- キャラクターアニメーション
- イラストアニメーション
1. セルアニメーション
アニメーションの中でも、私たちの生活に馴染みのあるアニメーションが「セルアニメーション」です。セルという背景とは異なる透明なシートにキャラクターを描き、セルを動かすことでキャラクターに動きを与えるアニメーションを指します。TVや映画などで放送されるアニメーションは、基本的にこのセルアニメーションの手法が使われており、デジタル化が進んだ今でも昔ながらの手法で制作されているアニメもあります。
セルアニメーションは、表情や動きなど細かな表現をしやすく、背景なども自由に作成できます。そのため、利用者視点のサービスの紹介、事業への思いなどを伝える広告に向いているアニメーションです。
2. キャラクターアニメーション
「キャラクターアニメーション」は、特定のキャラクターを動かして作られるアニメーションのことです。キャラクターの存在自体が広告となるため、動きはシンプルでも視聴者の目を引きやすく、効率よく情報を伝えることが可能です。特に、親しみやすいキャラクターを採用することで、幅広い世代の人から見てもらえる可能性が高まります。
また、自社のオリジナルキャラクターを使用したアニメーションを作成することで、動画を通して企業の認知度を高める広告との相性が良いです。一度作成したキャラクターを何度でも使えるため、初めてアニメーション動画を作成する場合は、キャラクターアニメーションから広告動画の作成に挑むのも良いでしょう。
3. イラストアニメーション
「イラストアニメーション」とは、手を上げ下げするだけなど、元々のイラストに簡単な動きを加えたアニメーションのことです。キャラクターの向きを変えることで動きを表現するなど、数枚のイラストを用いたアニメーションでも魅力的な動画を作ることができます。
また、有名絵画の口だけを動かす、社員が制作した手描きイラストを用いるなど、少しの工夫で幅広い表現が可能です。キャラクターの動きは最低限となるため、事業やサービスの解説などに集中して欲しい広告には、シンプルな動きのイラストアニメーションが適しています。
2. 立体アニメーション
次に取り上げるのは、より現実に近い表現を加えた「立体アニメーション」です。新しい世界を映し出したアニメーションや、現実の一部分を切り取ったアニメーションなど、立体ならではのアニメーションの手法を解説します。
- 3Dアニメーション
- ストップモーション・アニメーション
- クレイアニメーション
1. 3Dアニメーション
CGを駆使して奥行きまでも作り上げたアニメーションが「3Dアニメーション」です。イラストや絵では表現しにくいリアルな質感を加えたり、架空の街や機械が実際にあるもののように描いたりできます。そのため、建設後のマンションの姿、新しい形の自動車など、まだ実現していない商品の広告に適しています。
また、実写動画と組み合わせたときに違和感が出ないのも、3Dアニメーションの魅力です。実際に撮影ができない場所を3Dアニメーションで作成し後から合成するなど、他にはない表現の動画を作ることもできます。
2. ストップモーション・アニメーション
人やものを少しずつ動かして撮影した写真を利用して作成した、アナログなアニメーションが「ストップモーション・アニメーション」です。滑らかな動きではなく、あえてカクついたアニメーションにすることで、独特な雰囲気や面白さを演出し、印象に残る動画に仕上げます。
また、実際に製造した商品を用いてアニメーションを制作できるため、パッケージの認知度を高める広告にも活用可能です。調味料や食材、お菓子を味とは違った目線からPRするなど、手間はかかるものの、工夫次第でどんな表現も実現できます。
3. クレイアニメーション
ストップモーション・アニメーションのジャンルの中でも、代表的なアニメーションにあたるのが「クレイアニメーション」です。「粘土」で制作したキャラクターや背景を動かしていることが特徴で、あらゆる部分にハンドメイドの温かみが感じられるアニメーションに仕上がります。
また、粘土であることを活かし、キャラクターや小物が粘土から作られる様子をあえて見せるなど、クレイアニメーションならではの表現も人気です。特に、自社キャラクターとクレイアニメーションの相性が良いので、キャラクターアニメーションのように、自社の知名度アップに有効的なアニメーションといえるでしょう。
3. 文字を使ったアニメーション
最後に紹介するのは、「文字を使ったアニメーション」です。文字を動かすなど、今までのアニメーションとは違った表現方法が使われているので、声での説明をメインにしたシンプルなアニメーション動画を作りたい人は、ぜひ参考にしてください。
- ホワイトボード・アニメーション
- モーショングラフィックス
- タイポグラフィアニメーション
1. ホワイトボード・アニメーション
「ホワイトボード・アニメーション」とは、名前の通りホワイトボードに図や文字を書き込んでいる様子をアニメーション化したものです。ボードの書き込みだけを写した動画だけでなく、ペンを握った手をアニメーションに取り込み、視聴者へホワイトボードを使って解説しているように見せる動画もあります。
そのため、ホワイトボード・アニメーションが適しているのは、商品やサービス、料金プランなどの説明を行う広告です。声の説明を補足するように、図や文字がボードに加えられていくので、視聴者が情報の整理がしやすく、1~2分の動画でもしっかりと内容を理解してもらえます。
2. モーショングラフィックス
写真や文字、ロゴなどに動きを付けたアニメーションを「モーショングラフィックス」と言います。主に静止画文字をそのまま動かすため、複雑な動きを表現することは少なく、アニメーションとしてはシンプルなのが特徴です。さらに、動きに合わせて音を加えると伝えたい箇所を強調でき、動きがシンプルでも飽きずに最後まで見られる動画に仕上がります。
モーショングラフィックスは、サービスや企業の説明動画などに適しています。モーショングラフィックスは、声での説明内容を、アニメーションで可視化し伝えるので、サービスなどのプレゼンテーションやプロモーションとの相性が良いのです。
3. タイポグラフィアニメーション
「タイポグラフィアニメーション」は、文字表現のデザインや処理の技法である「タイポグラフィ」とアニメーションを合わせた、文字そのものを動かすアニメーションのことです。右から左へ文章が流れたり、縮小・拡大したりすることで、情報を分かりやすく視聴者へ伝えます。さらに、声のトーンや効果音に合わせてフォントやサイズを変えることで、文字だけでも豊かな表現が可能になり、印象に残る動画に仕上がります。
タイポグラフィアニメーションは、文字が画面全体に現れる性質上、サービスの開始日やイベントの場所といった告知広告に使いやすいアニメーションです。特に、画面上の文字で説明が完結しているので、YouTubeなどの動画サイトでよく用いられる5秒程度の短い動画でも情報が伝わりやすい傾向があります。伝えたい情報がシンプルな広告ほど使いやすいアニメーションといえるでしょう。
広告にアニメーションを用いる4つのメリット
アニメーション動画は、実写の動画よりも手間がかかるため、どうして広告動画などに使われるのか疑問に思う人も多いですよね。そこで、最後に広告動画にアニメーションが最適な理由を、4つのメリットから解説します。
- 表現の自由度が高い
- 修正が容易で長期的に使える
- 短時間で情報を伝えられる
- 事前に動画内容を共有しやすい
1. 表現の自由度が高い
基本的にアニメーションで表現できないものはありません。どのような表現でも実現できるのがアニメーションを用いるメリットの1つです。建物の崩壊や今はない街並みを写したり、自社キャラクターが踊ったりと、実写では表現できない動画も、アニメーションなら表現できます。
アニメーション広告に用いると、実写動画では地味に映る商品やサービスを派手な演出で描き、商品やサービスを魅力的に見せることが可能です。逆に、表現をマイルドにすることで、ネガティブなイメージを打ち消し訴求を上げるなど、今まで諦めていた広告動画が実現できます。
2. 修正が容易で長期的に使える
アニメーションは動画と声を別に作成するため、新しい情報を加えたり、誤った内容を修正したりするのが比較的簡単です。例えば、セールの開始日を伝える動画なら、声で具体的な日程を説明していなければ、アニメーション内の日程を変えるだけで、何度でも同じ広告動画を使うことができます。
また、1からアニメーションを作り直す必要がないので、内容変更に伴いアニメーションの制作コストを抑えることも可能です。つまり、初期費用が高額でも長期的に使えることを考えると、結果的に実写動画よりも安く広告動画を作成できることが、アニメーションのメリットといえるでしょう。
3. 短時間で情報を伝えられる
アニメーション動画は、登場する人物や表示される情報などのサイズや色味を自由に変化させられます。そのため、伝えたい情報は色やサイズを変えて強調し、視覚の邪魔にならないよう風景やキャラクターを簡略化することで、視聴者の理解度を高めることが可能です。
また、ホワイトボード・アニメーションやモーショングラフィックスでは、説明の補助としてアニメーションを用いるため、複雑なサービスでも短時間で理解しやすくなります。視覚効果を巧みに扱い、どんなことでも分かりやすく表現できるのがアニメーション動画の強みです。
4. 事前に動画内容を共有しやすい
CMや広告動画を作成するときには、実写動画でもアニメーション動画でも絵コンテなどを用いて、動画の方向性や表現内容の打ち合わせを行います。しかし、実写動画だと企画側と制作側の認識がズレることがあり、撮り直しなどの手戻りが発生することがあります。
アニメーション動画の場合は、通常前もってキャラクターやイラストが制作され、絵コンテなどを元に動画が作成されます。そのため、企画側と制作側の認識が一致しやすく、企画から大きくズレた動画になるリスクが少ないのです。再撮影などで必要以上のコストや時間が発生しにくいのも、アニメーション動画のメリットです。
戦略に合った種類のアニメーションで事業をPRしよう!
一言でアニメーションといっても、動かす対象や表現方法などの違いによって幅広い種類があります。さらに、アニメーションの種類によって得意な表現が異なるので、伝えたい内容に適したアニメーションの手法を選ぶ必要があります。
そのため、アニメーション動画で事業やサービスをPRする場合には、アニメーションの種類ごとの特徴をきちんと把握することから始めましょう。また、ランサーズではアニメーション動画の制作を専門にしているフリーランスが多数在籍しています。そこで、下記のURLから制作したいアニメーションの種類に合わせたフリーランスを見つけ、ぜひアニメーションの制作を依頼してくださいね。
