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長野のお花屋さんが進めるDX!「採用の新しい選択肢」として外部人材を積極的に活用


外部人材は「人手不足」「スキル不足」の企業が活用するものと思っていませんか?確かにそういう理由でランサーズを使う企業は少なくありませんが「成長のため」という企業もあるんです。

長野県で生花店を展開する株式会社ヌボー生花店は人材は不足していないものの、店舗のスタッフにもっと接客に集中してもらえるように外部人材を活用しています。社内にはリモートワークのチームもあり、ランサーズも活用しながら接客強化による企業成長を目指しています。

具体的にどのように活用をしているのか、どういった点に気をつけて依頼をすればいいのか、代表取締役社長の山﨑年起さんに伺いました。

【インタビュイー概要】
株式会社ヌボー生花店
代表取締役社長 山﨑 年起さん
ホームページ:『https://nubow.co.jp/

デザイン・開発・動画編集・SNS運用など、経験豊富なプロに直接頼める!

デザイン業務の9割を任せられる優秀な人材とマッチング!伝言ゲームにならないため依頼意図が伝わりやすく、進行も早い


――事業内容を簡単に教えてください。

「ヌボー生花店」という生花店を営んでいます。1974年に開業し、現在は長野市内に4店舗(1店舗はカフェ併設)を構え、年商は約2億5千万円です。社内体制は正社員、パートなど合わせて25人ほどですね。

――ランサーズはいつごろから、どういった経緯で使い始めましたか?

最初の発注は2012年ですね。もともと店で使うチラシを制作してくれるデザイナーを探していたところ、たまたまランサーズのことを知りました。調べてみるとデザインのほかにもプログラミングなどさまざまな分野の仕事が頼めるとわかり、まずはデータ入力など簡単な業務を発注してみました。その後少し単価の高い案件も頼むようになり、今は主にデザインやホームページ制作、プログラミング関連の業務をお願いしています。

――最初にデザイナーを探した際、地域の人材や制作会社もご検討されたのですか?

もちろん先に地域で探しました。弊社のお客様の大半は地域の方や企業さまです。まず地域で依頼先を探し、できるだけ地域にお金を落として経済に貢献したいという強い思いを持っています。ただその当時、地域では求めている人材や企業に出会えなくて……。というのも弊社ではチラシ制作を頼む際、テクニックや価格よりも感性が合うかどうかを重視しているんです。そこがカチッとハマるデザイナーが見つかりませんでした。

――ランサーズでは感性がカチッとハマるデザイナーは見つかりましたか?

はい。6年ほど前に北海道の女性デザイナーさんと出会えました。2、3回お仕事をお願いしたところ、感性がすごく合うことを確信しました。そこからは弊社のチラシデザインの9割ほどをお任せしています。社内SNSにも入っていただいていて、感覚的にはもう弊社のスタッフです。ただ名前と性別以外の情報はいただいていないので、顔も年齢もわからないんですけどね(笑)。

――10年ほどランサーズを活用していて、どのようなメリットがあると感じますか?

大きなメリットは「仕事が早い」「意図が伝わりやすい」「プロの仕事をしてもらえる」という点ですね。地域の企業に頼む場合、大体のケースでまず営業担当者に話をします。そして営業担当者がデザイナーなどに内容を伝えます。伝言ゲーム状態ですね。ただデザイン系やプログラミング系の仕事は、微妙なニュアンスや感覚値が相手に伝わっているかどうかが、完成物の出来を左右します。きちんと伝わらなければ行き違いも起こりかねないため、直接やりとりできないのはネックになっていました。

一方でランサーズの場合、企業アカウントでない限り、基本的にはデザイナーなど仕事をする本人と直接連絡が取れます。こちらの意図が伝わりやすく、無駄なコミュニケーションも生じません。それにみなさん仕事が早い!ランサーズ上で納期も設定できるので、特に急ぎの仕事の場合には重宝しています。

またみなさんプロの仕事をしてくれます。地域の企業へ仕事を発注すると、なれ合いが起こり易く、納期や品質の面で納得がいかない結果になることもあります。我々花屋のようなBtoCの商売の場合、サービスに満足いただけなければすぐに顧客は離れてしまいます…。それに比べてランサーさんたちは継続発注につなげるためにも、納期を守って高いクオリティで納品してくれますし、問題があれば指摘もし易いシステムになっていて、仕事がやり易いですね。

スタッフに接客に集中してもらうために、事務作業はリモートワークチームと外部人材が担う

――どういう基準で社内で処理するもの、外部人材に依頼するものを切り分けているのですか?

「デザイン系はすべて出す」など、明確な基準があるわけではありません。まず店舗が担ってきた接客以外の事務作業などを本部で巻き取ります。本部でも対応できない仕事やキャパシティオーバーしてしまった部分を外部人材に依頼しています。

――店舗の事務作業の負担を軽減することには、どういった目的があるのですか?

弊社ではお店での接客を特に大事にしています。コロナ禍で非接触が当たり前になり、店頭での接客の機会は減りました。ですがどれだけオンラインでのショッピングが広がっても、店頭でのスタッフによる接客を求めているお客さんは一定数います。コロナ禍の今は、そのニーズに対応できていない店が多いと感じます。それをチャンスと考えて、接客強化に努めているんです。

そこで店舗のスタッフに目の前のお客さんとのやりとりやクリエイティブな仕事に集中してもらえるように、細かな事務作業はできるだけ本部でやるようにしました。数年前に店舗併設のカフェもオープンしたのですが、これはスタッフのアイディアから生まれたものです。

――店舗での接客を強化する一方、リモートワークも積極的に取り入れていらっしゃいますね。お花屋さんでは珍しいと思いますが、その経緯を教えていただけますか。

きっかけは社員の一人が旦那さんの転勤に伴い、退職を申し出てきたことです。事務系の仕事をしていたとても優秀な社員で、どうしても辞めてほしくなかった。どうにかして引っ越しても仕事を続けてもらえないかと考え、たどり着いたのがリモートワークでした。そこでリモートワークできる環境を整え、リモートワークで出来る仕事を徐々に増やしていき、今では「支援事業部」という独立した部署として成り立っています。

支援事業部には現在4人が在籍していて、全員リモートワークです。居住地は長野県内が2人、石川県が1人、海外が1人です。海外にいる人材は、ランサーズ経由で出会いました。店舗が抱える事務作業などのサポートはこちらの部署が行っています。

――家族の仕事の事情などで、仕事を辞める女性は少なくありません。そういった方にとってリモートワークという選択肢があるのは嬉しいですね。

弊社は女性が働きやすい職場を目指しています。共働き世帯は増えていますが、どうしても女性の方が家族の転勤などで仕事に影響を受けがちです。そういったときに、社内に何かしら働き方の選択肢があるというのは、働き続けてもらうためには大事な要素です。ランサーズを利用してきたことも、女性スタッフにとって多様な働き方があり、自分でそれを選択できることを知るいい機会になっていると感じます。

実は個人的に社員向けのニュース配信も行っているんです。若手スタッフは新聞やニュースに触れない人が多く、お客さんとの間に情報のギャップが生まれやすい。そこで接客の際に会話のネタにしてもらおうと週に3回、新聞やテレビのニュースについて解説した動画を作り、社内にリリースしています。この取り組みは接客のレベルアップはもちろんですが、スタッフの人間力を育てることで彼女たちの将来の活躍や幸せな生活にもつながればいいなという願いも込めています。

発注依頼文の作成には時間をかける。仕事内容を明確にしてトラブルを防止


――御社は約10年にわたりランサーズを活用されています。希望する人材とマッチし、仕事をスムーズに進めるためのコツがあれば教えてください。

一番大事なのは、依頼内容とゴールを明確にすることだと思います。漠然とした内容で依頼をすると、まずうまくいきません。対面であれば曖昧でも伝わることも、リモートでは難しい。それにそもそも、空気でこちらの意図を察してもらうような仕事の頼み方は、後々トラブルが起きたときに責任問題にもなりかねません。1から10まで説明する必要はありませんが、頼みたい業務の範囲と内容をしっかりと明示して依頼することが、リモートでも対面でも大事だと思います。だからランサーズの発注依頼文は、実はかなりの時間をかけて書いているんです(笑)。

――確かに、依頼内容をしっかりと伝えることは社内のやりとりでも必須ですね。ランサーズの活用をしたくても、情報漏えいなどの不安を持っている企業もあると思いますが、御社ではどのような対策をとっていますか?

まず個人情報については、社内でもランサーズを利用する際でも、取り扱いはかなり厳しくしています。一方でほかの社内情報については、漏えいは特に心配していないですね。というのも、個人情報以外は社外に情報が漏れて困るのは私だけですから。だから社員を信用して、売上などの情報は社内の誰もが見られるようにしています。

地方の中小企業にとって、外部人材活用は採用の一つの選択肢。経営上の安心材料にもなる


(ヌボー生花店ホームページ https://nubow.co.jp/

――地方の企業が外部人材を活用することには、どういったメリットがあると思いますか?

多様な人材に出会えるというのは大きなメリットだと思います。地域で探すのもいいのですが、どうしても人材が限られているため、スキルや勤務時間などの条件が合う人が見つからないことも珍しくありません。ランサーズを使って地域の壁をとっばらい全国から探せば、条件にマッチした人材が見つかる可能性があります。

特に中小企業は、少ない労力・経営資源をどこに使うかが経営上のカギとなります。弊社は人手不足だったわけではありませんが、会社の成長のためにどの仕事にどの程度の時間と人手をかけるべきかを考えたとき、さまざまな業務を頼める外部人材を活用した方が、結果的にプラスになると判断しました。

――どういった企業にランサーズの活用が向いていると考えますか?

地方の中小企業、特に人手不足の企業にとって解決策の一つであることは間違いないと思います。社内のリソースでは対応できないものの人を雇うほどの業務量ではないといった場合に、ランサーズの活用は向いていると思います。

地方では地域の企業や個人に頼む場合、仕事ぶりや成果に納得できなくても、相手との関係性で頼み続けるしかなかったり、改善を求めにくかったりすることがあります。そういった場合に、ランサーズという選択肢があることを覚えておくだけでも、安心材料になるはずです。

初めて利用する場合には不安もあると思いますが、何事も失敗を経験しながら上手になっていくものだと思うので、まずは「うまくいかなくても勉強になるだろう」という小さな業務から試してみることをおすすめします。

取材・文:ひろみね
https://www.lancers.jp/profile/Merry5
報道記者、大学職員を経てフリーライターに。インタビューやコラムなどを多数執筆している。

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