「採用ではなく”協力してくれるプロの力を借りる”」。地方の中小企業にとって外部人材活用は変化のきっかけにもなる


「頑張れば自分たちでできる」から脱却すること。外部人材活用を進めるときに、とても大事なポイントです。

長野県で子育て情報誌を発行している株式会社サンメディックスは、単純作業や社内に専門スタッフがいない業務をランサーズ上で発注。大企業で勤務経験のある優秀な人材に出会うことができました。外部人材を活用したことで社員がメイン業務に集中できるようになったほか、残業をせずにすむようになり、ワークライフバランス確保にもつながったそうです。

ランサーズの利用を始めたきっかけやメリットなどを同社代表取締役の山口一生さんに伺いました。

【インタビュイー概要】
株式会社サンメディックス
代表取締役 山口一生さん
ホームページ:『https://www.sunmedix.jp/

40時間かかる作業が1日で完了!「自社でなんとかする」をやめて外部人材を活用


monamiホームページ https://monami-mama.com/

――事業内容を簡単に教えてください。

2013年に創業し、長野県で子育て情報誌「月刊モナミ」を発行しています。そのほかにはママイベント「ママまつり」の企画・運営、SNS運用代行など企業の広報支援も行っています。

――ランサーズで継続的に発注されていますが、主にどういった業務で外部人材を活用していますか?

単純作業で時間のかかるものやWeb上でできるもの、システム関連のものが多いですね。たとえば弊社が発行している「モナミ」設置店のデータベース化や、設置店の地図とホームページの連携作業です。連携作業は「モナミ」設置店をGoogleマップ上で探し、そのリンクを弊社ホームページに貼り付けるというもので、コピーアンドペーストですむため仕事としては簡単です。ですが800カ所もあるので1件につき3分かかるとすると合計2400分、つまり40時間もかかります。そこでランサーズを使って他県の方にお任せしたところ、1日で終わらせてもらえました。

逆に対面でお願いしたいもの、Webやシステムの知識が不要なものについては読者であるママスタッフの方たちにお願いし、地元に貢献するようにしています。金額が数十万円など高額な案件も地元企業に発注しています。


――40時間かかる作業が1日で終わるとは、まさに作業のDXですね!でも単純作業は社内でもできると気がします。どうして外部人材に依頼することにしたのですか?

確かに、社内でも頑張ればできると思います。ですが社員に長い時間をかけて作業をしてもらうよりも外部に任せてしまい、そこで浮いた時間をメイン業務に当ててほしいと思ったんです。無理に仕事を詰め込んでメイン業務のクオリティが下がれば本末転倒ですしね。

それに弊社の場合、私以外の社員は全員女性で勤務時間もそれぞれ違います。子どものお迎えがある方もいるので、残業はさせたくありません。仕事のクオリティとワークライフバランスを保つために、外部人材を活用して業務量をコントロールしているんです。

最初の発注は会社のロゴ。ランサーズのコンペなら限られた予算でも多数の提案を受けられる


monamiホームページ https://monami-mama.com/

――いつ頃から、どういう経緯で外部人材活用を始めたのですか?

ランサーズで発注し始めたのは2013年です。最初は会社のロゴ作成をお願いしました。当時は会社を立ち上げたばかりで地域での知名度もないため、コンペを開催しようとしてもデザイナーが集まらなかったと思います。とはいえデザイナーを決めてその人だけに依頼すると、上がってくるデザインはおそらく3パターン程度。少ないデザインの中から選ぶのは気が進みませんでした。

ところがランサーズで募集すると、報酬は3万5000円と高くなかったものの49件もの提案がありました。限られた予算でこれほど多くのデザインの中から選択できたのは本当にありがたかったですね。

――その後はどういった活用をしてきましたか?

たまにロゴ作成やネーミングをコンペ形式で発注していました。ですが地域の社長仲間が会社の経理などさまざまな業務を発注していると知り、何でも頼めるのだとわかりました。そこで2021年に入ってからは “ダメ元”でいろんな作業をプロジェクト形式で出しています。発注頻度は上がりましたね。

大手企業の元社員も!地域では簡単には見つからない優秀な人材に出会えた


――地方の企業が外部人材を活用することには、どういったメリットがあると思いますか?

私が考えるメリットは主に二つです。一つは自社では雇えないような優秀な人材に仕事を頼めることです。今弊社のWeb関連の仕事をしていただいている方は、長野県中部在住の元大手ITベンダーのエンジニアです。SNS運用をお任せしている方も、大企業で広報をされていた方です。二人ともリモートで仕事をしてもらっています。

同じような人材は地域にも探せばいるのかもしれません。ですがうわさ話を頼りに探したり、知り合いのツテをたどったりしなければならず、見つけるのに時間も手間もかかります。それに優秀な人材がいても、その方が仕事を探しているかどうかはわかりません。でもランサーズを使えば、想定していた以上の人材が手を挙げてくれます。

もう一つはコストです。ハローワークなどで人材を探すこともできますが、スタッフとして雇えばある程度のお金が必要ですし、仕事が常にあるわけではありません。外部人材であれば一人雇うよりも安く、しかも高いスキルを持つ人材に仕事を任せられます。

外部人材活用をきっかけに社内のデジタル化が進む。「プロの手を借りるのは一つの選択肢。地方企業が使わない理由はない」


――外部人材活用を始めて、社内には何か良い変化はありましたか?

デジタル化が進みましたね。たとえば「モナミ」の設置場所データは以前は紙で管理していて、設置店に連絡をとる際は紙を一枚一枚めくって探さなければならず大変でした。ですが今はデータベースになっているため検索すればすぐに見つかります。しかもクラウドに保管しているので、在宅ワークのときでも使えるなど、多様な働き方にマッチしています。

オフィスの電話受付も代行サービスを導入したため、面倒な営業電話の対応も不要になりました。外部人材活用を通じて社内になかった知見を得ることができ、「ここの部分はシステム化できるのではないか」と考えられるようになりました。おかげで業務効率化が進みましたね。

――地方には外部人材活用に興味を持っている企業も多いと思います。そういった企業に活用のアドバイスをお願いできますか?

ランサーズで外部人材を探す際には、発注の仕方が大事です。依頼のタイトルや文章によって、応募の数や質が大きく変わります。ほかの発注者さんの文章をいくつかチェックして、まねして書いてみるのがおすすめです。最初から高額のものを出すのは不安だと思いますので、まずは金額の低い案件を試しに出してみるのがいいのではないでしょうか。

私は外部人材にお願いするまで、仕事はすべて自分たちでやらなければいけないと思っていました。ですが外部人材に頼めば、浮いた時間を使って1本でも多く営業電話ができます。単純作業などメイン業務以外の部分を切り離すことができれば、本当に集中したい仕事に専念できます。日本人は頑張ればできることは無理してでもやってしまいがちです。ですが外部人材活用で仕事を効率化できれば、その余白で新たな仕事ができて、成長にもつながるのではないでしょうか。

人材を採用するとなるとどうしても地域内に限られてしまいますが、ランサーズを使えば日本全国、世界の人に協力してもらえます。今は採用難の時代でもあるので、”プロの手を借りる”というのは一つの選択肢だと考えています。大手企業も副業を解禁していて、ランサーズには優秀な副業人材やフリーランスがたくさんいます。費用も抑えられてリスクも少ないので、地方企業が使わない理由はないと思います。

取材・文:ひろみね
https://www.lancers.jp/profile/Merry5
報道記者、大学職員を経てフリーライターに。インタビューやコラムなどを多数執筆している。