給料が半分になっても本気でやりたい仕事がある。夫婦で副業という新しい働き方。
目に見える社会貢献がしたい。副業はそれを叶える手段。
引きこもりなどに悩む若者支援のNPO団体に勤める副業者橋本さんは、1年半ほど前から副業を始めました。元々、新卒で大手のIT系コンサルティング会社に入社し、昼夜問わず仕事に打ち込んでいたそうです。
ところが、労働過多が原因で休職することになり、本当に自分がやりたいこと、働き方に関して考えるきっかけがあったとのこと。
中学生の頃から、社会的価値を感じることができる仕事をしたいと強く思っていたこともあり、現職のNPO団体へ転職。やりがいもあり、満足度は非常に高くなったものの、収入は当時の半分になったことがきっかけで副業を開始。また、今年に入り元同僚だった奥様もNPO団体へ転職(奥様も収入は半分以下に)し、同様に副業を始めました。
お二人が給料を半分にしてまで得たかったのは「本当に自分がやりたいこと」。副業が実現する満足度の高い仕事のあり方とは。
転職で給料は半分。それでもこの仕事をやり続けたい。
ーー本業の仕事について教えてください。どのような会社で、どんな仕事をなさっていますか。
引きこもりになってしまった若者の就労支援などを行なっているNPO団体に勤めています。事業企画として、若者の実態データを収集・分析することや、プロジェクトマネジメント、人事制度構築、それらを円滑に進めるために必要なツールの選定や企画、運用などをしております。また、支援現場に入って直接子ども・若者とも関わっています。
ーー前職はコンサルタントだったとお聞きしております。
IT系コンサルティング会社で働いておりました。ただ中々激務でして、体調を崩し休職することがあり、働き方やキャリアをゆっくり考えてみることにしたんです。
その時に考えついたのが、中学生の頃からの夢だった「社会的価値を感じる仕事」を本気でやってみることでした。そして今のNPO団体で働くことに至りました。
ーー現在の勤め先では副業について容認しているんですか。
容認していただいています。面接している時点で、副業OKなのか確認していましたし、むしろ若者に向けて多様な働き方があることをアピールしたいため、職員が積極的に副業をしていこうとする文化があります。
ーー入社時から副業を意識されていたのには、何かきっかけがあったんですか?
転職するにあたり給料が半分になってしまったんです(笑)。それでも、今の仕事には非常にやりがいを感じていますので続けたかった。なので、生活のために副業を始める決意をしました。
1年半ほど前から開始したんですが、まずはランサーズなどで複数提案活動を行ない、何度か受注し実績を作っていきました。半年くらいで提案のコツをつかみ始めてきたときには、大きな仕事をもらえるようになり、月に7万円程度の収入になってました。現在では、知人の会社からコンサルティングの依頼などももらうようになり、安定して月に15万円程度稼げるようになっています。
実は妻もNPO団体に転職し、副業をしているんです
ーー本業と副業の切り分けはどうしてますか。
平日は本業があるので、それが終わった夜の時間と土日に副業をやるようにしています。内容は、データ分析や、翻訳、資料作成などが10時間程度、他にも、知人の会社のコンサルティング業務で月に20時間程度を副業にあてている状況です。
実は、元同僚だった妻も最近NPO団体へ転職して、同じく副業を始めました。なのでプライベートな時間では食事を終えた後に、「じゃあ少し副業の仕事しようか」などと言いながら、夫婦で時間を作って自宅で作業をしています。
ーー奥様は橋本さんの影響を受けて副業をされたんでしょうか。
直接そういった話を聞いたわけでないのですが、少なからずそれはあると思います。元々、前職で知り合ってから、お互いNPO団体で働くことを夢としていました。ただ、私は転職によって給料が半分になりましたが、妻は半分よりももっと給料が下がることが分かっていたので、非常に不安だったと思います。その中でも、副業をすることで生活を安定させることができる、という立証ができたことは、彼女に対し決断する良いきっかけを与えられたと感じています。
ーー今後の働き方に関する展望はありますでしょうか。
今後もパラレルキャリアを積んでいきたいと考えています。本来、本業で十分な報酬が得られているのがベストではあります。ただ今後のキャリアや生活のことを考えると、副業で携わる仕事の幅と収入を増やしていこうと考えています。
なので、現在自分のリソース配分は、本業8:副業2のイメージですが、今後はライフステージに応じて、配分を変えていくことも検討しているところです。
昨今は顕著ですが、副業ができる世の中になっていなかったら、今の仕事を選択することができなかったかもしれません。この働き方ができるからこそ、夫婦として満足度の高い日々を送ることができています。