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ホームページ用サーバー構築時の注意点と選び方を徹底解説

自社のホームページ構築する際、必要となるモノのひとつがサーバーです。しかし、ホームページ構築の経験がないと、どのサーバーを選ぶべきなのか判断できないのではないでしょうか。また、どのような目的でホームページを作りたいのかによっても、選ぶべきサーバーの種類が変わってきます。今回は、ホームページ構築に必要なサーバーの基礎知識と、サーバーを選ぶポイント注意点について解説します。ホームページ構築におすすめのレンタルサーバーも紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

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ホームページ構築に必要なサーバーの基礎知識

HTTPS
ホームページの構築には、「サーバー」が必要です。

サーバー上にホームページを構築し、アクセスできるドメインを公開することで、ホームページは一般の人からも閲覧できるようになります。

サーバーにはどのような役割と種類があるのか、また独自ドメインの必要性についても解説します。

サーバーの役割

サーバーの主な役割は、データの蓄積です。
データの蓄積までにも、サーバーはさまざまな役割をこなします。

サーバーの役割を機能ごとに分けると以下の通りです。

・クライアントからのリクエストを受け付ける
・リクエストに応じた適切な情報の表示
・物品購入などの要求に対する処理
・各種データの蓄積

クライアントであるパソコンから、Webブラウザからサーバーにリクエストが送信されます。
サーバーへのアクセスには、URLというインターネット上の住所が必要です。

Webブラウザからのリクエストを受け付けたサーバーは、画面の入力情報も一緒に受取り、入力内容に応じて表示する情報をWebサーバーに返します。
Webブラウザは、サーバーから受け取った情報から、新しい画面を表示します。

Googleでいえば、検索ワードを入力して「検索」ボタンを押すと、サーバーに検索ワードが到着。そのキーワードを使ってサーバー内で検索処理を行い、検索結果一覧をWebブラウザに表示できる情報を送信します。

物品購入の手続きをする場合は、サーバー内で処理して注文内容処理し、購入手続きを進める処理も行っています。
サーバーにはデータを蓄積する機能もあり、顧客情報や販売データなど、あらゆるデータを蓄積し、必要に応じてデータを取り出し処理を進めます。

独自ドメインの必要性

サーバーに接続するためには、インターネット上の住所であるURLが必要です。
このURLに含まれる最上位の部分を「ドメイン」と呼びます。

例えば、「http//abced.com/index.html」というURLの場合、ドメインとは「abced.com/」の部分です。
サーバー上にホームページを構築する場合も、やはりそのホームページに接続するためのドメインを用意しなければなりません。

このとき、企業のホームページに利用するには、独自ドメインが推奨されます。
「abced.com/」の部分を、自社名や商品名を入れたものを「独自ドメイン」と呼びます。

企業ホームページは、ほとんど独自ドメインで運用されています。

独自ドメインだと、信頼のおける会社として認識してもらえるほか、覚えてもらいやすさというメリットもあります。

企業ホームページを運用するなら、独自ドメインも準備しましょう。

サーバーの種類

ホームページ構築用のサーバーには、いくつかの種類があります。

サーバーの種類と簡単な特徴を、一覧形式にまとめました。

サーバーの種類特徴
レンタルサーバー(無料)・維持コストがかからない
・多くの人と共用しているため重い
・カスタマイズなどの自由度はない
レンタルサーバー(有料)
共用サーバー
・数百点単位の安価な月額料金
・自由度はあまりない
・他と共有しているためアクセススピードは遅い
・維持運用はサーバー管理会社に任せられる
レンタルサーバー(有料)
専用サーバー
・数千円程度と共用サーバーよりも月額料金は高い
・プランにより自由度は異なる
・サーバーを占有しているためアクセススピードは速い
・維持運用はサーバー管理会社に任せられる
レンタルサーバー(有料)
クラウドサーバー
・維持コストがそれなりにかかる
・自社専用サーバーのため自由度が高い
・サーバーを占有しているためアクセススピードは速い
・維持運用に専門技術が必要だがお金を出せば運用を任せられる場合も
自社サーバー・初期コスト維持コストともにかなりかかる
・自社専用サーバーのため自由度が最も高い
・維持運用に専門技術が必要

サーバーは、大きく分けてレンタルサーバーと自社でサーバーマシンを購入して運用する自社サーバーとに分かれます。
自社サーバーは、もっとも自由度が高く、好きなことができるサーバーです。

しかしサーバーマシンやセキュリティ関連ソフトなどを用意する初期コストや、維持運用のコストが非常に高い点が大きなネックです。

そこまでお金をかけられない企業の場合は、レンタルサーバーを借りて、独自ドメインを使って運用する、というパターンが多くなります。

無料のレンタルサーバーは維持コストもかかりませんが、自由度はなく処理速度も遅い点がネックです。
有料のレンタルサーバーは、無料のレンタルサーバーと自社サーバーの間に位置する特徴を持っています。

企業のホームページを運営する場合は、有料のレンタルサーバーで、共用サーバーまたは専用サーバーを選択する、というケースが一般的です。

ホームページの目的によってはサーバー不要の場合も

構築するホームページの用途によっては、サーバーが不要のケースもあります。
ホームページ作成サービスは、サーバーを手配しなくてもホームページが作成できるサービスです。

1枚モノのホームページを作成するだけなら「ペライチ」というホームページ作成サービスで十分でしょう。
また、シンプルなネットショップを作りたい場合は「BASE」が向いています。

どのサーバーにするかを検討するには、作成するホームページの目的から、サーバーに必要な機能を検討しなければなりません。

ホームページの目的別サーバー機能検討ポイント

カートとお金
ホームページの目的からサーバーの機能を検討するためにまずはホームページの目的に何があるのかを整理して、どの目的に合致するのかを確認しましょう。

ホームページの目的一覧

企業ホームページの主な目的について、目指すゴール必要ページ数の目安、処理の複雑さアクセス集中度を比較できるように一覧形式でまとめました。

種類・目的ゴールページ数処理の
複雑さ
アクセス
集中度
コーポレートサイト問い合わせの受付シンプル
サービスサイト購入ページヘ誘導商品数によるシンプル
ECサイト商品購入高度
プロモーションサイト問い合わせ予約高度な場合も(一時期のみ)高
ブランディングサイトブランド認知向上少~中
採用・リクルートサイトユーザー登録/問い合わせ/応募申込み少~中シンプル(一時期のみ)高

ホームページの目的によって、構成するページ数や処理の重さなど、サーバーに求める機能には違いがあります。

個々の目的について順番に解説するため、作成しようとしているホームページの目的はどれに近いかを確認してください。
また、ホームページ制作の目的やメリット・デメリットについても解説していますので、確認しましょう。

コーポレートサイト

コーポレートサイトは、会社紹介が目的のホームページです。

ブランドイメージに合わせたデザイン、過不足のない情報掲載が、コーポレートサイトを構成するポイント。

ページ数は多くなるが、リクエスト処理は問い合わせの受け付け程度でシンプルです。

ただ、企業の顔となるホームページなので、簡単にアクセスアクセス不能となる可能性のある無料のレンタルサーバーやホームページ作成サービスは避けた方が良いでしょう。

ページの例会社概要、経営理念、ニュースリリース、
採用情報、ブランドコンセプト、IR情報、各事業所の住所や連絡先、お問い合わせ窓口
参考株式会社日立製作所

サービスサイト

サービスサイトは、自社の扱う商品やサービスを紹介するホームページです。

サービスサイトの目的は、集客および見込み客の増加

商品を紹介はするが販売は行わず、主にスペックなどの詳細情報を表示します。

ゴールは、資料請求、問合せ、予約などシンプルなリクエスト処理です。

ただし、人気商品で予約が殺到する見込みの場合は、サーバーの処理速度を重視しましょう。

有料レンタルサーバーの専用サーバー以上の高スペックなサーバーを検討します。

ページの例商品・サービス紹介、商品・サービスの特長、
商品・サービスのメリットとデメリット、選ばれる理由、商品購入またはサービス利用の流れ、口コミ(お客様の声)、活用例
参考男のエステ ダンディハウス

ECサイト

ECサイトは、自社の商品やサービスの販売が目的のホームページです。

ゴールは、商品・サービス購入。買い物かご機能や決済機能など、多くの機能が必要となります。
そのため、選択するサーバーは高スペック目的の機能を動かせるだけの自由度が求められます。

シンプルなECサイトで、販売できればそれでいいという場合は、サーバーを用意せず、ECサイト作成サービス「BASE」の利用を検討しても良いでしょう。

ページの例商品一覧、商品検索、商品詳細、
買い物かご、決済機能、顧客管理機能、リコメンド機能
参考MoMA Design Store

プロモーションサイト

プロモーションサイトは、商品・サービスやイベントなどの認知度向上が目的のホームページで、期間限定の公開となるケースが一般的です。

ゴールはイベント・キャンペーンの申込みや問い合わせ、予約など。
期間限定なので、短期間のレンタルが可能なサーバーを選ぶか、ホームページ作成サービスを利用してサーバーを借りないという選択肢も検討します。

期間限定であってもアクセスが殺到することが予想される場合は、大量アクセスに強い有料レンタルサーバーを利用する必要があるかどうか検討しましょう。
プロモーションサイトのデザインは、参考になるサイトがあるので以下に紹介します。

ページの例イベント情報、キャンペーン情報、
問い合わせ、予約、申込み
参考SANKOU!

ブランディングサイト

ブランディングサイトは、ブランドの認知向上を目的とするホームページです。

ファッションブランドや化粧品ブランドは、主ブランドの下にサブブランドを複数持っていることもあり、サブブランド独自のサイトを作成する場合もあります。
本サイトのゴールは、ブランドの認知向上と、(あれば)オンラインショップへの誘導となります。

リクエスト処理については、問い合わせぐらいですので、あまり高機能なサーバーである必要はありません。
ただ、イメージが重要なサイトなので、コンテンツや掲載するクリエイティブにこだわる企業がほとんどです。

デザインだけでなく、インタラクティブな表示に凝る、動画を掲載するなど表示面で最新の機能がサーバー側に求められます
また、季節ごとに新商品の情報を入れ替えていくため、定期的なメンテナンスのしやすさも考慮してサーバーを選ぶと良いでしょう。

ページの例ブランドストーリー、コンセプト、ニュース、
新商品の紹介、オンラインショップへのアクセス
参考マキアージュ

採用・リクルートサイト

採用・リクルートサイトは、優秀な人材を集め、採用につなげることが目的のホームページです。
コーポレートサイトと一部必要となる情報が被るので、一部のページはコーポレートサイトからの流用にすると良いでしょう。

ゴールは、ユーザー登録、問い合わせ、採用が始まったときの申込み、インターンの申込みなどです。
採用活動は毎年刷新するため、簡単に刷新できる仕組みを検討します。

サーバーとしては標準的なスペックがあれば大丈夫です。
ただ、採用希望者用のユーザー管理は必要な機能となります。

ページの例採用情報、先輩社員の紹介、
会社紹介、経営理念、マイページ
参考JAL採用ページ

【利用シーン別】ホームページ構築用サーバーの決め方

サーバー
作成するホームページの目的と、必要なサーバーの機能を見定めたら、利用シーンも十分に思い浮かべられるはずです。
ここでは、利用シーンをいくつか列挙して、サーバーの決め方について解説します。

複数ページが必要な場合

単一ページのシンプルな構成なら、サーバーを調達するまでもなく、ホームページ作成サービスの利用を検討しましょう。
プロモーションサイトなど一時的に構築し、予約機能などもなくマシンパワーが不要な場合はこのケースに当てはまります。

その他は、ほとんど複数ページが必要となるホームページとなるはずです。
複数ページが必要なホームページなら、レンタルサーバーを借りてサイト構築することを検討しましょう。
レンタルサーバーは、アクセスが集中することが予想される場合は専用サーバー、そうでない場合は共有サーバーがコストパフォーマンスの良い選択です。

後は、どのような機能が必要かによって、レンタルサーバーか自社サーバーを検討することになります。

503エラーを出したくない場合

503エラーとは、Webサーバーにアクセスしたときに発生する可能性のあるエラーの一種で、サーバーへの同時アクセス数の制限を超えている、という意味です。

サーバーへの同時アクセス鵜の制限を超えると、訪問者の閲覧が制限され、見込み客を逃してしまいます
特に、商品購入や予約がゴールのホームページは、503エラーが出ると客を逃すことに直結する、非常に痛いエラーです。

無料のレンタルサーバーやホームページ作成サービスでは、少しアクセスが増えるだけで503エラーになる可能性があります。

また、有料のレンタルサーバーでも、他のユーザーと共用する共用サーバーでは、503エラーが出やすいので要注意です。
ECサイトのように503エラーを出したくないホームページ用のサーバーには、マシンスペックの高いサーバーを選ばなくてはなりません。

マシンスペックの高いサーバーは、有料のレンタルサーバーの中でも他のユーザーの影響を受けない専用サーバーやクラウドサーバー、自社サーバーとなります。

拡張性の高さが必要な場合

ECサイトやブランディングサイトを運用する場合、特殊な機能が欲しい場合があります。そのようなケースでは、その機能が動くレンタルサーバーをあるかどうか探してください

どうしても見つからない場合は、費用がかかりますが、クラウドサーバーや自社サーバー構築も検討しなければなりません。

本当に特殊な機能がいるのかどうかも含めて、検討の必要があるケースです。

運用や管理の手間をかけたくない場合

サーバーの運用や管理の手間をかけたくない場合は、有料レンタルサーバーの共用サーバーや専用サーバーのマネージドプランが向いています。

ただ、拡張性の高さも求める場合は、専用サーバーのルートフリープランやクラウドサーバー、自社サーバーも視野に入れる必要があります。

拡張性の高さを優先する場合は、サーバーの運用をアウトソーシングすることも検討しましょう。

ホームページ構築におすすめのレンタルサーバー3選

チェック
ホームページ作成でレンタルサーバーを検討している方へ、おすすめのレンタルサーバーサービスを3サービス紹介します。

エックスサーバー

エックスサーバーは、高速・安定性の高さなど、レベルの高い環境を用意しているレンタルサーバーです。

「nginx」(エンジンエックス)という大量アクセスに強いWebサーバーを採用。

突発的な大量アクセスが発生する可能性のあるECサイトの構築にもおすすめです。

また、国内データセンター内にサーバーを配置し、電源や空調完備、火事や地震などの防災にも備えています。

利用料金は月額1,200~4,800円(最短3ヶ月契約)ですが、一番安いX10プランでも十分なスペックです。

また、SSLも別途契約することができます。

カゴヤ・ジャパン

有名企業も多数利用している、セキュリティが高く高性能なレンタルサーバーサービス。

共用レンタルサーバーだけでなく、WordPress専用サーバーマネージド専用サーバーなどが選べる点が大きな特徴です。

WordPress専用サーバーは、WordPressがプレインストール済みで、SSDの容量によってグレード1~7まで用意されています。

WordPress専用サーバーの利用料金は月額440~52,800円ですが、多くの企業が利用しているグレード4の月額4,400円プランが人気だそうです。

年中休みなく問い合わせにも対応しているので、ホームページ構築に慣れない初心者にも利用しやすいのではないでしょうか。

お名前.comレンタルサーバー

お名前.comは、月額900円(24ヶ月一括払いの場合)でレンタルできるレンタルサーバーです。

共用サーバープランは2種類がりますが、SSDの容量は250GBと十分。

独自ドメインを無料で取得できるほか、独自SSL・マルチドメイン・データベース(MySQL)を無制限で利用できます。

月額料金が安く手軽に始められるため、中小企業のホームページ構築に向いています

ホームページ構築用サーバーを選ぶ際の注意点

PC作業
ホームページ構築用のサーバーを選ぶ際の注意点について2点ほど解説します。
実際にサーバーを選ぶ前に、一度目を通しておいてください。

常時SSLが可能かどうか確認

SSLとは、インターネット上でやり取りするデータを暗号化する仕組みです。
SSL対応をしていないと、データは簡単に盗み見られてしまう危険性があるため、ホームページの安全性が担保されません

また、SSL対応をしていないと、SEO的にも不利になります。
レンタルサーバーを借りる際は、常時SSLが可能かどうかは必ず確認しましょう。

自社リソースで運用が可能かどうか確認

ホームページの目的によっては、環境設定や運用管理に高度な知識が必要になる場合があります。

例えば、専用サーバーのルートフリープランや、自社サーバー・クラウドサーバーなどは、運用に高度な知識が必要となるサーバーです。
これらのサーバーを導入してホームページを運営する場合、自社内で運用ができるかどうかを検討する必要があります。

自社リソースで運用が難しいが、どうしても拡張性の高いサーバーを利用しなければならない場合は、運用業務の外部委託も検討してみましょう。

サーバーの環境構築や運用はフリーランスに依頼もあり

ネットワーク構築
ホームページ構築用のサーバーを選ぶ場合は、目的によって必要となるスペックや機能が異なります。
まずはホームページの目的を明確化することが重要です。

どのようなホームページを運用するかによって、必要となるサーバーの種類は自然と絞り込めます。
検討の結果、運用管理や環境設定が難しいサーバーを選択しなければならない場合は、自社リソースで運用できるかどうかの検討が必要です。

自社で運用が難しい場合は、クラウドソーシングで専門技術を持つフリーランスを探してみてはいかがでしょうか
クラウドソーシングサービス・ランサーズには、企業のWebサイト運営のスキルを持つフリーランスも登録しています。

サーバーの運用だけでなく、初期導入時の環境構築も依頼可能です。
サーバー運用関連の外部委託を検討される場合は、ぜひランサーズもご活用ください。

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